スイスでのハイキング時に知っておきたい基本情報&お約束

スイス旅行の目的や楽しみ方は、旅行される方によって様々だろう。山岳鉄道での旅や雄大なアルプスのパノラマはハイライトのひとつだし、チーズフォンデュなどスイスならではの料理も魅力的。冬ならウィンタースポーツの本場でスキーやスノーボード、そしてもちろん、緑の丘に高山植物の花が咲く夏の美しい自然の中でハイキングやトレッキングをすることも目的のひとつに挙げられるだろう。今回は、そんなハイキング時に役立つ基本情報&お約束をご紹介したい。

ハイキングルートは黄色い表示が目印

スイスのハイキングルートは、一般的にワンダーウェグ(Wanderweg)と呼ばれている。ワンダーウェグは必ずしもイコールで登山を伴うという訳ではなく、強いて言えば自然の中を歩くルートの総称。ツェルマットの山登りルートもワンダーウェグだし、ライン河沿いの遊歩道もワンダーウェグだ。

ワンダーウェグのルートを表示する基本カラーは黄色で、黄色表示だけの「普通の」ワンダーウェグ、黄色表示プラス白・赤・白のベルグワンダーウェグ(Bergwanderweg/登山ルート)、そして白・青・白のアルピンワンダーウェグ(Alpinwanderweg/難関山岳ルート)の3種類がある。ワンダーウェグは下の写真にあるような看板で案内表示されていて、看板にはその地点の名称や標高、そこから行ける行き先と方向、行き先までのおおよその所要時間などが書かれている。

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ルートの分岐点には必ずこのような表示が出ているので、迷う心配はほとんどない。看板以外にも、道中にペンキや小さいシールドで任意の色(黄色や白・赤・白)が随所にマーキングされているので安心だ。

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(青丸で囲った部分にペンキで白・赤・白のマーキングがある)

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スイス(と隣国のリヒテンシュタイン公国)には総距離65,000キロメートルに及ぶワンダーウェグがあるが、その半分以上(64パーセント)は黄色表示だけのワンダーウェグ。黄色表示だけのワンダーウェグは基本的に万人向けで、ハイキング初心者や小さな子供連れの方も安心して楽しめる。

白・赤・白表示のベルグワンダーウェグは必ずしも経験者向けという訳ではないが、コースが起伏に富んでいて(つまり山を上り下りする)、道中にはそれなりの難所(足場が不安定だったり崖っぷちを歩いたり、岩を登ったりするなど)がある。アルピンワンダーウェグは完全に上級者以上向けで、経験はもちろん本格的な登山装備も必須になる。

黄色表示のみのワンダーウェグと比べて白・赤・白のベルグワンダーウェグがどれぐらい険しい(もしくは難しい)のかというのは、実はルートによって結構差がある。ベルグワンダーウェグであっても「勾配がきつくてちょっと足場が悪いな」という感じがするだけのこともあるし、断崖絶壁すれすれの場所を通ったり岩をよじ登らなければならない場合もある。

こちらの写真にあるハイキングコースは、東スイス・アッペンツェル州のクローンベルグ山(Kronberg)周辺にある白・赤・白表示のベルグワンダーウェグの一部。写真中央に見える山のてっぺんのさらに向こうまで続くこのルートは、足元に石や瓦礫が多く標高差も結構あるが、ベルグワンダーウェグとしては比較的マイルドだと言える。

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下の写真は、
東スイスの名峰センティス山(Säntis)への登山コース。岩登りもそうだが、写真の右側は実はちょっと腰が引けるほどの絶壁になっている。滑落事故などのニュースを聞くことも稀ではなく、中級者以上向けの険しいルートだが、これもスイスでは白・赤・白表示のベルグワンダーウェグのカテゴリー内だ。

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前回ご紹介したエーベンアルプ(Ebenalp)周辺のベルグワンダーウェグには、下の写真のような注意書きが出ているルートもある。

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ピクトグラムから何となく想像できるかもしれないが、「ゼーアルプ湖への下りコースは危険な山道です!子供をリードで安全確保して下さい」と書いてある。これは私自身の経験からも言えることだが、ハイキングは同じルートでも基本的に上りより下りの方が難しい。黄色表示だけなら特別な心配は不要だが、白・赤・白ルートなら程度の差はあれ、山登り&山下りをすることが前提になる。しっかりとしたハイキングシューズを履き、心身共にそれなりの準備をすることをお勧めしたい。

道中で気を付けたいこと

ハイキング中は、ワンダーウェグとして表示指定された道のみを通ることがルールになっている。ルートによっては牛などが放たれている放牧地を横切ることもあるが、その場合でもマーキングされたルートだけを通り、他の場所には立ち入らないようにしたい。もちろん例外はあり、例えばワンダーウェグの真ん中に牛がどーんと寝そべっているなどという場合は、道を外れて歩いても大丈夫。牛から十分な距離を取り、ゆっくりと落ち着いて(走ったりしない!)通り過ぎよう。

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放牧されている牛などに触ったりすることは厳禁。特に仔牛と一緒にいる牝牛には出来るだけ近づかないようにしたい。マーキングがない・もしくはマーキングを見失った場合は、可能なかぎり牧草地の「へり」を歩こう。

放牧地は針金を使った柵(ほとんどが電牧)で区切られていて、ワンダーウェグがこれを横断するルート設定になっている場合は、その区間の柵部分(つまり放牧地への入口&出口)に任意のゲートがある。ゲートにはいくつかの種類があるが、代表的なものが下の2つ。下の写真にあるゲートはハイキング者が真ん中の部分を回転させて通る手動の回転ドアーに似た方式で、これについてはあまり問題がない。

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もうひとつは長い紐にプラスチック製の持ち手が付いた「手かぎ」が付いているもので、これはそこを通過するハイキング者が自分で開け閉めをする。これを閉め忘れると放牧されている牛が柵外に出てしまうので、絶対に必ず閉めること!

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(持ち手部分を少々引っ張ると開け閉めがし易い。)

この他にも植物の採取禁止などルール&お約束はたくさんあるが、これはスイスに限らずどこの国でも同じ。日本には「とっていいのは写真だけ、残していいのは足跡だけ」という標語(?)があるが、スイスでも日本と同様に「Nehmen Sie nur Erinnerungen mit und hinterlassen Sie nur Ihre Spuren(持ち帰るのは思い出だけ、残すのは足跡だけ)」と言う。思い出はもちろん、ゴミも忘れずに持ち帰りたい。

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Asami AMMANN-HONDA

スイス東部トゥールガウ州の農村在住。元書店員、現在は兼業主婦(介護補助士&日本語教師&日独英通訳)。趣味はスポーツ・園芸・料理、専門は音響映像技術。

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