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おすすめの町もご紹介。ゆったり流れる『南イタリア時間』を体感する旅
筆者の住む南イタリア・カンパーニャ州にあるアマルフィ海岸一帯は、日本だけではなくイタリア国内・ヨーロッパからも多くの人々がバカンスを過ごしに訪れます。
水平線が続く青い空、透き通る海を照らす太陽、山並みに建ち並ぶ美しい町並み......このような立地の良さもさることながら、ゆったりと流れる『南イタリア時間』も人々を魅了する理由のひとつ。
美しい自然や町並み、明るくて陽気なイタリアの人々に触れ合う、のんびり旅に出かけてみませんか?
旅行中も仕事中?日本人とイタリア人で異なる「時間の使い方」
写真: la luce
イタリアで「バカンス」といえば、仕事を離れ家族や友達と一緒にリラックスしてのんびりと休暇を過ごすこと。スケジュールを詰め込み忙しく移動することはあまりありません。
一方、日本に多いのは旅行中もきっちりとスケジュールを立て、次々と移動する旅行スタイルイタリアを含め、ヨーロッパからは「リラックスするためのバカンスなのに、どうして忙しく動き回るのか?」と言われることもしばしば。多くの観光名所をまわるため、到着したと思ったらすぐ次の場所へ行ってしまう......そんなイメージが強いようです。
私がお土産屋さんなどで買い物する時も、日本人だと分かるとすぐに「ガイドブック!ガイドブック!」と言われます。理由を聞いてみると「日本人はみんな、同じようなガイドブックを持っていてそのルート通りにまわっているから」と言われ、さらに「ガイドブックが便利なのは分かるが、あくまで参考にするもの。なぜ自分の感覚で歩いてみないのか?」と質問されたこともありました。
日本人にとっての「旅行」と、イタリア人にとっての「旅行」の感覚は、少し違っているようです。
写真: la luce
とは言っても、日本で長期休暇を取るのはなかなか大変。でも、たとえ短期間でも、バカンスでなくても旅行は楽しいものです。南イタリアは自然が多く雰囲気ものんびりしているので、自分のペースで移動し、気になったお店があれば入り、美しい場所を見つけたら心行くまで佇んでみる......そんな少し余裕をもった自由さのある旅行がおすすめです。
治安面での不安や言葉の問題はありますが、それも含めて「旅」の面白さ。有名観光地だけではなく、その町の習慣や文化を知ったり、その土地ならではの郷土料理を味わってみたり......そんな体験も旅ならではの楽しみです。
普段の喧騒から離れ心からリラックスしてみると、今まで気が付かなかったことや見逃していたことが見えてくるかもしれません。そうした、自分自身の変化を楽しむのも旅の醍醐味です。
小さな心がけ。南イタリアに来たら「挨拶」を交わそう!
写真: la luce
イタリアに暮らしてみて日々感じるのは、「挨拶」の大切さ。日本ではコンビニやスーパーに入る時に挨拶する習慣はありませんが、イタリアではバールではレストランでボンジョルノ!(こんにちは)、スーパーやお店に入る時もボンジョルノ!が当たり前。バスやタクシーに乗る際にボンジョルノ!と挨拶して乗り込む人も珍しくありません。
挨拶をしないと、観光客とはいえ、感じの悪い人に思われてしまいがちです。イタリア語を知らなくても「ボンジョルノ!」と一言いうのと、無言で入っていくのとは全く印象が違います。ちなみに、ボンジョルノ以外の主な挨拶は、カジュアルにいつでも使える「チャオ!(やぁ!)」、昼過ぎなら「ボナセーラ!(こんばんは)」。この3つは覚えておくと便利な言葉です。
挨拶がきっかけで、「どこから来たの?」「イタリア語しゃべるの?」などと会話が始まることも。ちょっとした小さな心がけで、旅はどんどん楽しくなります。イタリアに旅行する時は、ぜひ実践してみてくださいね!
ゆったり南イタリア旅におすすめしたい、2つの町
南イタリアにはアマルフィ、ポジターノ、イスキア島などバカンスにぴったりのリゾート地がたくさん。その中でも、静かにゆっくりと過ごせるおすすめの町を2カ所ご紹介します。
おすすめの町1.アトラーニ(Atrani)
写真: la luce
アマルフィの東隣に位置する「アトラーニ」は、0.12平方キロメートルの、イタリアで最も面積の小さいコムーネ(基礎自治体)です。山の斜面と斜面の小さな隙間に教会や家々が立ち並び、町の前面にはアマルフィへの道が伸びています。道の下は砂浜になっており、町からダイレクトに海が広がる独特の景観が魅力です。
その景観の美しさから、イタリアではCMや雑誌などのロケ地としてもたびたび使われています。写真を撮るためだけにアトラーニに立ち寄る人もいて、道沿いでカメラを持って撮影する人も見かけます。
アマルフィからは海岸沿いを歩くこと約15分、散策の合間に気軽に立ち寄れます。夏のシーズン中の海辺は混み合いますが、6月や9月は比較的空いているため、砂浜でのんびり風景を楽しむのも素敵です。
おすすめの町2.アナカプリ(Anacapri)
写真: la luce
青の洞窟で有名なカプリ島。その島内には「カプリ」と「アナカプリ」という2つの町があります。青の洞窟だけ見て帰ってしまう人も多いのですが、それではもったいない!カプリ島へ行くなら、ぜひアナカプリへも足を延ばしてみてください。
アナカプリにあるソラーロ山からはケーブルカーが運航しており、頂上まで登れます。そこから見渡せるティレニア海のパノラマは絶景。真っ青な海がどこまでも広がり、眼下には白い波を描いてボートが通りすぎていきます。
町の雰囲気も落ち着いていて、島の立地を活かした海を見渡せるレストランやホテルも沢山あります。白い町並みに鮮やかな花が映える美しい町並みを、ゆっくり散歩するだけでも楽しめます。
時を体感する旅へ
写真: la luce
旅にも色々な種類の旅があります。時にはガイドブックを閉じて、気の赴くままに歩いてみたり、町の静けさや波の音に耳を傾けてみたり......その土地にしかない風景や時の流れに身を任せてみてはどうしょうか。
日常の喧騒から離れリラックスしてみると、普段ないがしろにしていたことや見逃していたことが見えてくるかもしれません。
Buon viaggio! (よい旅を!)
執筆・写真:Italyii ライター la luce
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