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映画にも使われたマッシモ劇場。世界第3位の規模を持つ内部をチェック!
地中海の要所として古来、さまざまな民族が行き交ったシチリア島。その首都パレルモは、かのゲーテも称賛したように、エキゾチックで活気溢れた異国情緒あふれる都市です。
そんな中でマストスポットと言うべきなのが、パレルモ新市街に堂々とそびえる巨大な「マッシモ劇場」。今回は、この劇場の魅力をお伝えしましょう。
マッシモ劇場の歴史
「Palermo_2014 05 25_0959」
Photo by Harvey Barrison
Taken on May 25, 2014 (CC BY-SA 2.0)
マッシモ劇場は、パレルモ出身の建築家ジョヴァンニ・バッティスタ・フィリッポ・バジーレによって設計され、息子のエルネスト・バジーレによって完成させられたのが1897年のこと。なんと33年もの歳月をかけて造られました。
当時のパレルモの経済的発展は著しく、最も華やかな時代を迎えようとしていた頃でした。そんな中で、華々しくこけら落としが行われたマッシモ劇場は、まさにパレルモの繁栄の象徴として人々に称えられたのです。
一度は閉鎖された時期もありましたが、現在はその壮麗な姿が蘇り、現役のオペラ座として数々の公演が行われています。
バジーレ親子のこだわりが詰まった建築デザイン
Photo by Alessandro Bonvini
「Teatro Massimo」
Photo by Alessandro Bonvini
Taken on January 1, 2006 (CC BY 2.0)
マッシモ劇場は、バジーレ親子の並々ならぬこだわりが凝縮されています。資材から内装に至るまで、そのほとんどがシチリア産のものです。
外観は、古代ローマやギリシャの神殿建築のような壮麗な新古典様式。背が高い列柱が立ち並び、堂々としたファサードにまず圧倒されます。その一方で内装は当時流行した、優美なアール・ヌーボー様式(※)。外観の壮麗さとは対照的に、曲線を多用した優雅なイメージです。
※註:アール・ヌーボーはフランス語での呼び方で、イタリアではこの美術運動や様式を「スティル・リベルティ」と称しています。
優美な内装は言葉を失うほど!
Photo by Dan Bock
「6-18, Palermo」
Photo by Dan Bock
Taken on June 18, 2008(CC BY 2.0)
マッシモ劇場の素晴らしさは当時南イタリア最大と言われ、現在でもウィーンのオペラ座、パリのガルニエ宮に続いて世界で3番目(2017年現在時点)の規模をもつ歌劇場として名を馳せています。
劇場内部の構造は、プラテア(平土間)、5層のパルコ(ボックス席)、ガレリア(天井桟敷)となっていて、舞台がかなり広いのが特徴。観客席とほぼ同じ大きさの舞台で見るオペラは迫力満点です。
また、隅々まで凝った豪華な内装には目を見張るばかり。壁は全て金箔、天井には優美なフレスコ画が描かれ、オペラを惹き立てます。
Photo by Carnaval.com Studios
「Teatro Massimo Palermo Silcily 13」
Photo by Carnaval.com Studios
Taken on February 19, 2015 (CC BY 2.0)
ある有名映画のシーンを思い出すとまた違った印象に
そして、なんと言ってもマッシモ劇場をイタリア内外に知れ渡らせたのは、イタリアのマフィアを描いた映画作品によるものでしょう。
マッシモ劇場はこのシリーズの最終作で、重要な舞台として登場しています。劇場では映画に登場していたロイヤルボックスシートや正面階段などを目にすることができます。イタリアには各地に名作映画の舞台となった地域や建物がありますが、これらを見に行くために旅行するのもとても楽しいものです。
一度はオペラ鑑賞をしてみてはいかが?
「Teatro Massimo, Palermo」
Photo by Pedro Hernandez
Taken on October 29, 2009 (CC BY-SA 2.0)
マッシモ劇場では、30分ごとに内部見学ツアーを催行しています。ツアーでは劇場の裏まで見学することができますが、やはり実際にオペラを見た方が臨場感が高まるでしょう。
世界に名立たる素晴らしい劇場で見る一流のオペラはやはり感動的。オペラを見に訪れる夜のマッシモ劇場は昼間に増して美しく、きっとシチリア旅の良い想い出となるでしょう。
サムネイル写真:Pixabay
施設情報
名前:マッシモ劇場(Teatro Massimo)
住所:Piazza Verdi, 90138 Palermo
公式サイト:http://www.teatromassimo.it/
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