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潜水艦にガレー船...海洋共和国ジェノヴァの観光スポットが面白い!
リグーリア海に面したイタリア最大の港町「ジェノヴァ」。海洋共和国としての歴史が息づく、おすすめの観光スポットをご紹介します。
※以下、写真はイメージです。クリエイティブコモンズライセンスに基づき掲載しています。
参考:クリエイティブコモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)
ジェノヴァってどんな街?
「Genova」Photo by Luca Volpi
Taken on December 10, 2011(CC BY-SA 2.0)
イタリア北部、リグーリア海に面したジェノヴァは海に開けたイタリア最大の港町。かつてはヴェネツィア、ピサ、アマルフィとともに海洋共和国と呼ばれ、特にジェノヴァとヴェネツィアは海洋共和国の2強といわれたほど繁栄を誇っていました。
ジェノヴァの街は、イタリア北部にありながら穏やかな地中海性気候。したがって夏は暑すぎず冬は寒すぎず、避暑や越冬に最適な街です。
歴史を感じる昔ながらのダウンタウンと豪華な邸宅の並ぶエレガントなエリアとが共存し、港町ならではの風情と相まってイタリア内外から人気を集めています。また、アメリカ大陸を発見したコロンブスの出身地としても有名で、海に向かって帆を張ったコロンブスの精神が、海と隣り合わせで生きてきたジェノヴァの街で育まれたというのも頷けます。
今回は、古くから海と共に生きてきた港町ジェノヴァならではのスポットをご紹介しましょう。
ポルト・アンティーコはリグーリア海を感じられる素敵なスポット
Photo by Carlo Mirante「Genova, tramonto sulla superba」
Photo by Carlo Mirante
Taken on July 22, 2014(CC BY 2.0)
ポルト・アンティーコは港町ジェノヴァを象徴するエリア。開発が進み、ますます素敵なスポットとなっています。このエリアには遊歩道が整備され、心地よい海風に吹かれながらそぞろ歩くのにぴったり。夕方~夜にかけても風情たっぷりです。
港にはガレー船が再現され、近くには水族館、海の博物館などが並び、様々な角度で海を感じることができます。1992年には、エキスポ(国際博覧会)の特別博会場にもなったことで世界的に注目を浴びました。
ガレー船の中を見学して、当時に思いを馳せる
Photo by Pixabay
Photo by Pixabay(CC0 Public Domain)
ポルト・アンティーコの港で一際目立っているのが巨大なガレー船です。これはかつてジェノヴァが海洋共和国として栄華を誇っていた頃に、貿易で使われていた船を再現したもの。
ガレー船とは、もともと地形が複雑で風向の安定しない地中海付近で使われていた人力の軍船で、古代には既に海の歴史に登場しています。
「Genova」Photo by Angelo Amboldi
Taken on November 29, 2007(CC BY-ND 2.0)
イタリアの海洋共和国2強であったジェノヴァとヴェネツィアは、これを改良し商船として利用しました。地中海域を安全に航行することができたガレー船は、スパイスなどの高価な品物を運ぶのに最適だったのです。
なお、ポルト・アンティーコのガレー船には実際入ることもできます。中に入って当時の気分に浸ってみるのも面白いかもしれません。
ジェノヴァ水族館で海の生き物に触れる
Photo by Michela Simoncini「The Aquarium - Genova」
Photo by Michela Simoncini
Taken on October 21, 2012(CC BY 2.0)
ジェノヴァ水族館は、コロンブス生誕500年の記念として、1992年に開館しました。年間200万人もの人々が訪れる人気のスポットで、約600種の海洋生物が70もの水槽に展示されるヨーロッパ最大の水族館です。
最新技術を集結し、国内外の研究センターや主要大学からも協力を得て造られた水族館は、近代的かつ海洋生物の生態や習性をしっかり観察できる、興味深いスポットです。
Photo by Francesco Crippa「dsc_1367」
Photo by Francesco Crippa
Taken on December 29, 2007(CC BY 2.0)
地元リグーリア海、そして大西洋やカリブ海の岩礁を再現し、そこに棲む生物たちを展示しています。中にはエイに直接触れられるプールや自然環境を再現したエリアなどもあり、海の世界を体で感じることができるのも魅力です。
ガラータ海洋博物館では海にまつわる面白展示を見学
Photo by Lorenzo Trombetta「Galea」
Photo by Lorenzo Trombetta
Taken on January 1, 2010(CC BY 2.0)
水族館の近くにあるのが、かつての造船所跡を利用して造られたガラータ海洋博物館。
ここでは、500年もの間海と共に生きてきた海洋共和国ジェノヴァの歴史を知ることができるとともに、コロンブスやガレー船、潜水艦、移民に関する展示などがあります。展示方法が面白いため、言葉が分からなくとも楽しめるスポットです。
引用:Wikimediaより
「museo del mare」Photo by Emanuela Meme Giudic...
Taken on 9 May 2007(CC BY 3.0)
展示されている船の中には航海中の食事の様子や、船内トイレ、キッチン、迎賓室、下等船員のベッドなどが再現され、長い航海で乗組員たちがどのような生活を送っていたのかを体感することができます。
なかなか過酷な航海だったのだろうと、当時ジェノヴァの繁栄を支えていた船員たちの苦労が思いやられます。
引用:Wikimediaより
「Italiano: Il sottomarino Nazario Sauro S 518 a Genova」
Photo by Twice25/Rinina25
29 May 2010(CC BY-SA 3.0)
また、模擬パスポートを発行してもらい、再現された移民船に乗ってアメリカに入管する際の移民シミュレーションができるという面白い体験もできます。そして、一般公開されているものでは最大級の潜水艦の内部見学もできます。
狭い潜水艦内部には壁一面に計器がびっしりと設置され、日光の一切届かない中での生活はさぞ息苦しいものでしょう。作戦会議室やベッドルームなど、普通ではなかなか見ることのできない潜水艦内部を見学できる貴重な体験です。
海にまつわるあれこれをたっぷり味わうことのできるジェノヴァの街は、さすが長い歴史を海と共に生きてきた海洋共和国。あのコロンブスをも生み出したジェノヴァには、海の街ならではの誇りが満ちています。
清々しい潮風に誘われて、ジェノヴァでたっぷりリグーリア海の歴史と文化を堪能してみてはいかがでしょうか。
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