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【コラム】古代ローマ皇帝をも虜にした、美しき「コモ湖」の誘惑
サムネイル写真:Pixabay(CC 0)
ミラノの近くにあり、イタリア随一の避暑地として知られるロンバルディア州の「コモ湖」。セレブリティからも愛されるリゾート地を、遊覧船やケーブルカーを使って散策してみませんか?
16世紀から存在する建物「ヴィラ・デ・エステ」も必見です。
※写真はイメージです。クリエイティブコモンズライセンスに基づき掲載しています。
参考:クリエイティブコモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)
はじめに:「コモ湖」について
Photo by Pedro「A journey across Lago di Como XLVII」(CC BY 2.0)
イタリア北部、スイスとの国境近くのアルプス南麓。そこには、深い山々と美しい湖とを擁する夢のような場所があります。水と緑、そして小さな街々の織りなすイタリア湖水地方の風景と清々しい空気は、古来より多くの人物を虜にしてきました。
「コモ湖」は、そんな湖水地方に点在する湖のひとつ。
その美しさと独特の澄んだ空気は古代ローマ皇帝カエサルや、アウグストゥスまでもが戦の合間に隠れるようにやって来たというほど魅力的。多くの小説家もここを訪れ、作品のインスピレーションを得たといいます。
コモ湖はミラノから列車で30分という立地から、かつての貴族たちはこぞって別荘(ヴィラ)を建て、今ではセレブたちの一大別荘地となっています。
今回は数々の著名人をも虜にしてきたという、コモ湖の見どころをご紹介しましょう。
遊覧船でゆったりクルーズ
Photo by Gian Luca Ponti「lake como - bellagio - 01」(CC BY-SA 2.0)
長さ40km、最大幅4.4kmと幅は狭いものの、深さは410mもあり、ヨーロッパ最深の湖といわれているコモ湖には、多くの遊覧船が行き交っています。船上からは湖の両岸に並ぶ瀟洒(しょうしゃ)なヴィラやホテル、そして山々の緑を眺めることができ、ロマンチックなコモ湖の魅力を存分に味わうことができます。
とりわけ、湖に面して並ぶ美しいヴィラは、見ているだけでも優雅な気分に。どれも専用の船着き場が完備され、プライベートボートが行き交っています。
まずは遊覧船でゆったりと湖を巡って、雰囲気を味わうと良いでしょう
チェルノッビオでヴィラを堪能
コモ湖は縦に細長い湖のため、その周辺をとりまくようにコムーネが点在します。そのひとつであり中心地のコモの街の対岸であるチェルノッビオの街には、ひときわ美しく整えられた「ヴィラ・デ・エステ(エステ家別荘)」があります。
湖畔に立つこのヴィラは16世紀から存在するという、歴史ある建物。かつて英国皇太子妃の別荘として建てられた1棟を擁し、今ではコモ湖でも有数の豪華ホテルとして人々を迎え入れています。
Photo by Curt Smith「Villa d'Este, Lake Como」(CC BY 2.0)
ヴィラ・デ・エステの屋外プールはまるで湖の上に浮いているかのよう。息を呑むような景色とともに、湖と一体になったかのような開放感を味わえることでしょう。
Photo by Joe Shlabotnik「Villa D'Este」(CC BY 2.0)
ヴィラ・デ・エステは宿泊しなくとも、ランチやお茶を楽しむために訪ねることもできます。オープンテラスで爽やかな風に吹かれながら、湖を眺めゆったりと時を過ごすのも、ここならではの楽しみ方です。
■リーディングホテルズ公式サイト「Villa d'Este」ページ(外部サイトに遷移します)
"コモ湖の真珠"花咲くコムーネ、ベラージオで街角散策
チェルノッビオから離れ、よりコモ湖の中心に近い場所にあるコムーネ「ベラージオ」。「コモ湖の真珠」とも呼ばれるこの街は、エレガントで洗練された雰囲気で、街角散策にピッタリです。
それもそのはず、この街はコモ湖畔に点在する街の中でもヨーロッパセレブたちにひときわ人気の高級避暑地。おかげで街は落ち着いた雰囲気とクリーンな空気が漂い、歩いていて非常に気持ちの良い場所なのです。
ベラージオを散策していると、あちらこちらに素敵な花が咲いているのに気付くでしょう。セルベッロー二邸やメルツィ邸などといった美しい庭園で有名なヴィラもあり、ベラージオは花好き、園芸好きにとってもたまらなく魅力的な街なのです。
Photo by Luca Boldrini「bellagio」(CC BY 2.0)
Photo by Luca Boldrini「bellagio」
中心街コモで絶景とショッピングを楽しむ
最後にご紹介するのは、南端に位置する最もにぎやかなコモの街です。スイスとの国境からわずか6Kmと、イタリアでありながらアルプス地方独特の清々しい雰囲気も併せ持つ、魅力的な街。
この地方では古くから絹の織物産業か盛んで、街にはシルクのスカーフやネクタイ、小物を扱う洒落た店が多く見られ、ショッピングにも楽しい街です。街の中心には立派なドゥオーモが美しい姿でそびえ、コモのランドマークとなっています。
Photo by IK's World Trip「IMG_0602」(CC BY 2.0)
また、コモの街にはケーブルカーがあり、これに乗って標高750mのブルナーテ山へ登ることができます。しだいに高度を上げてゆくケーブルカーの中からはすでに、青い水を湛えるコモ湖の姿が見られ期待が高まります。
山頂に到着すると、そこからはレンガ色の屋根の街並みとブルーの湖面。そして、晴れていれば遠くに霞むアルプスの山々をも一望でき、コモ湖の魅力を凝縮したような眺めに心が洗われるようです。
Photo by IK's World Trip「IMG_0549」(CC BY 2.0)
かつては歴史上の著名人をも虜にし、多くの芸術家や小説家たちに様々なインスピレーションを与えてきたコモ湖。今では貴族やセレブたちがお忍びで訪れる高級避暑地となり、私たちツーリストにとっても魅力的な旅先となっています。
イタリアは行きたいけれど、あの夏の暑さには我慢できない......と思ったら、迷わずコモ湖を訪れてみて下さい。
ミラノからもアクセス抜群、きっと、いつもとひと味違った夏の休暇を過ごせるはずです。
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