【コラム】シチリア島、あの名作映画の舞台を旅して

イタリアを舞台にした映画は数多くあり、その中にはシチリア島を舞台にした映画もあります。このコラムでは、2つの名作映画のロケ地となった場所について解説しています。

※写真はイメージです。クリエイティブコモンズライセンスに基づき掲載しています。

参考:クリエイティブコモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)

地中海の自然と街並みを舞台とした、2つの名作映画

イタリア半島の南、地中海に浮かぶ最大の島シチリア。イタリアの州のひとつでありながら、豊かな自然や古来から息付いてきた様々な文化のおかげで、シチリアには一種独特の空気が流れています。

長閑な田舎町、山上の小さな村々、輝く海を擁する美しいリゾート地......変化に富んだシチリアでは様々な名作映画が撮影されてきました。

今回は、その中から不朽の名作とされる2つの作品と、その舞台をなった場所をご紹介しましょう。

名作映画1:「グラン・ブルー」×タオルミナ

「グラン・ブルー」は実在する2人のフリーダイバー「ジャック・マイヨール」と「エンゾ・マイオルカ」をモデルとした映画で、彼らの友情と軋轢、そしてジャックを愛してしまった女性ジョアンナの3人からなる物語を描いた名作です。

この作品はほとんどが海のシーンで構成されているのが特徴で、その青の世界の美しさには目を見張るほど。誰もが海を好きになる、そんな映画です。

その舞台のひとつとなったのが、ティレニア海を臨むシチリアきってのリゾート地タオルミナ。まさに映画に出てくるような真っ青に輝く美しい海が特徴の街です。

カポタオルミナ

Vue en hauteur sur la piscine de l'hôtel
「Vue en hauteur sur la piscine de l'hotel」Photo by Guillaume Capron(CC BY-SA 2.0)

カポタオルミナは、タオルミナの街から少し下った岬の先にあるリゾートホテル。このホテルのテラスレストランとプールが映画に登場します。目の覚めるような深いブルーの海に張り出すようにしてプールがあり、そこから眺める風景は溜息がでるほどの美しさ。

静かに打ち寄せる波の音を聞いていると、まさに映画のワンシーンが思い浮かんでくるでしょう。

サンドメニコパレス

こちらはタオルミナのメイン通りから少し逸れ、海に面した斜面を利用して建つ5つ星ホテル。入口、回廊、中庭が撮影に使われました。

14世紀末の修道院を改装して造られたこのホテルは、歴史の醸し出す重厚感、そしてリゾートならではの開放的な雰囲気を併せ持ちます。テラスからは、真っ青な海を見渡すことができます。

ウンベルト一世通り

ここは、映画の中で主人公、ジャックとジョアンが歩いた通り。そして、ドゥオーモ広場の噴水はイルカを運ぶシーンに登場します。

ウンベルト一世通りはタオルミナの街のメインストリート。両側にはカフェやショップが軒を連ね、テラスからは輝く海の絶景を眺めることができます。

名作映画2:「ニュー・シネマ・パラダイス」×パラッツォ・アドリアーノ&チェファルー

「ニュー・シネマ・パラダイス」は、「海の上のピアニスト」などで有名な巨匠ジョゼッペ・トルナトーレ監督の作品で、映画史に残る不朽の名作、イタリア映画の最高傑作として数々の賞を受賞し、今なお人々の心を捉えています。

映写技師アルフレッドと少年トトの友情と別れを描き、人物たちの心の流れ、郷愁、溢れんばかりの映画愛を綴った心温まる作品。ノスタルジックなシチリアの田舎町、そして一度聴いたら忘れられない、エンニオ・モリコーネの美しいテーマソングと相まって最高の感動を与えてくれる作品です。

その主な舞台となったのが、シチリアの小村、パラッツォ・アドリアーノとチェファルーです。

パラッツォ・アドリアーノ

High
「High」Photo by Jos Dielis(CC BY 2.0)

パラッツォ・アドリアーノは、シチリアの内陸部、標高696mのシカニ山地の山上にある小さな村。シチリアの片田舎ならではの長閑な空気が漂い、映画の中の世界そのもの。ニューシネマパラダイスは、このパラッツォ・アドリアーノで主なシーンが撮影されています。

街の中心はウンベルト一世広場。ここはパラダイス座があった場所として映画に登場しています。広場にある噴水も映画の中そのまま。パラダイス座の内部に使われた教会も広場に面し、トトの家、アルフレッドの家もこの村で撮影されました。

広場のインフォメーション1階には一部屋だけの小さな映画博物館があり、撮影シーンや使われた小道具などが展示されています。

Church
「Church」Photo by Jos Dielis(CC BY 2.0)

チェファルー

チェファルーはパレルモ県にある海に面した小さな街。かつては漁村、今ではリゾート地として有名です。聳え立つ大きな岩山と、街の中心に建つノルマン時代のドゥオーモがシンボルとなっています。

チェファルーでは野外映画を行うシーン、トトの恋人が彼に会いに来る重要なシーンが撮影されました。

小さな街は美しい海に面し、どこからでもすぐに海岸に辿り着くことができます。海に面して小さな家々が並び立つ風景はとっても長閑。野外映画のシーンがフラッシュバックしてきます。

トルナトーレ監督は、チェファルー市長から名誉市民権を与えられるなど、街の人々にとって「ニューシネマパラダイス」は特別な映画。

作品の面影を辿りながら、ぜひチェファルーの街を味わってみてください。

さて、シチリアを舞台とした名作映画の旅、いかがでしたでしょうか。筆者は旅に出る時、必ずその土地を舞台とした映画や小説を見てから出かけます。作品を通してその土地のイメージが湧き、訪れた時により感動が大きくなるからです。

数々の名作が生まれたシチリア島。ぜひ訪れる際には映画を見てから出かけてみて下さい。きっと、2倍も3倍も楽しむことができるでしょう。

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