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イタリアカフェの奥義【ミラノ編】 -立ち飲み派?テーブル派?イタリアのカフェ事情-
カジュアルなカフェも昔ながらのバールも集まるミラノ。ナポリとはまた違うカフェ文化が育まれています。
※一部写真はイメージです。クリエイティブコモンズライセンスに基づき掲載しています。
参考:クリエイティブコモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)
地域によって異なる、イタリアのカフェ文化
街中にカフェが溢れるイタリアの街。前回のナポリ編では、イタリアで最もスタンダードに飲まれているエスプレッソを"エスプレッソの聖地"と称されるナポリのカフェで味わってみました。
イタリア全土でカフェは人々の生活に無くてはならないものですが、そのあり方は地域によって少しずつ特徴があるよう。今回は北部の大都市ミラノのカフェにぶらりと入ってみました。
立ち飲みのナポリ、テーブル派も多いミラノ
エスプレッソ至上主義だったナポリと少し異なり、ミラノではエスプレッソ以外にも様々なコーヒーが飲まれているようです。また、南部のナポリではエスプレッソ立ち飲み派が圧倒的多数。
それに対し、北部のミラノでは、もちろん立ち飲み派も多いけれど、座ってゆっくりお茶している人も目立つ印象です。
Panini Duriniで、朝の一杯
さて、一軒目に入ったのは、ダヴィンチの傑作「最後の晩餐」で有名なサンタ・マリア・デ・レ・グラツィエ教会近くに見つけたカジュアルなカフェ。
撮影:Italyii ライター
朝9時をまわったところで、ちょうどミラネーゼたちの通勤時間。明るい色調の店内には既にミラネーゼがたくさん入っていました。入口近くのカウンターには立ち飲み客が、そして奥のテーブル席も賑わっています。
私はテーブルに簡易的な椅子のある一人用の席に座ることに。
撮影:Italyii ライター
イタリアではカプチーノは朝飲むものと言われていて、一日のエネルギー源として泡立てたミルクたっぷりのボリューミーなカプチーノを飲んでいる人をよく見かけます。
ナポリでは、それでもエスプレッソ派が多かったけれど、ここミラノではゆっくりとカプチーノをすすっている人も多く見かけました。合わせて、甘い菓子パンを頬張って朝食にするのが朝の定番です。
撮影:Italyii ライター
※Panini Durini公式サイト(外部サイトに遷移します)
Cafe Mercantiでクラシックな午後を過ごす
続いて、午後になり観光の途中にドゥオーモ広場近くで見つけたクラシックなカフェに入ってみました。こちらは、入口近くにレジが、その先に広々とした重厚なカウンターがあり、カウンターでは定番のエスプレッソ立ち飲みスタイルで、オジサマ達が井戸端会議に花を咲かせているよう。
"仕事はどうだい?まあまあだね。"
そんな会話が聞こえてきそうです。
撮影:Italyii ライター
対してテーブル席ではカメリエーレがメニューを持ってきてくれ、様々な種類のドリンクをオーダーできるようになっています。パソコンを広げ、キュートなイチゴのフローズンジュースを飲みながら仕事をしているミラネーゼの姿も。
撮影:Italyii ライター
今回オーダーしてみたのは、ミラノで一時流行った比較的新しいコーヒー、「カフェ・マロッキーノ」。グラスで供されるマロッキーノは、エスプレッソにチョコソース、フォームドミルク、仕上げに生クリームとカカオパウダーなどを乗せた、苦みと甘み、まろやかさの共存する逸品です。
北部では定番のコーヒーにアレンジを加えた新しい種類のコーヒーも多く生まれています。
撮影:Italyii ライター
※Cafe Mercanti公式Facebookページ(外部サイトに遷移します)
下町のバールで、気の置けない仲間とおしゃべりを楽しむ
最後に訪れたのは、若者の集まるナヴィリオ運河近くにあるランツァ駅からすぐの下町バールタイプのカフェ。こぢんまりとした店内では、典型的なバールによくある広々としたカウンターが存在感をもっています。
テーブル席も2~3席ありますがそちらはガラガラ。観光客向けというより地元密着型のカフェとみえ、入れ替わり立ち替わりやってくる客は皆常連のよう。マスター夫婦と楽しげに会話しています。
テーブル席もゆっくりできるけれど、やっぱりイタリアではこうしたカウンターを巡る人間模様が面白い。カメラに向けられたマスターのとっておきスマイルに、なんだか心が温まったのでした。
撮影:Italyii ライター
カフェの奥義、ナポリ編、ミラノ編いかがでしたでしょうか。いまだスターバックスの無い国として有名なイタリア。なるほど地元に密着した街中のカフェにはそれぞれ個性があり、コーヒーにかけるプライドも相当なもの。
海外資本のチェーン店が入り込む隙はまだまだ無いようです。イタリアに行ったら、ぜひ地元民に倣ってこのイタリア流カフェ文化に触れてみてはいかがでしょう。
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