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「甘美な快楽の地」カプリ島と青の洞窟観光
古代から人々を魅了する景勝地、カプリ島。「青の洞窟」がとても有名ですが、見どころはそれだけにとどまりません。カプリ島に来たら観光しておきたいスポットについて、ご紹介します。
※以下、一部を除いた写真はクリエイティブコモンズライセンスに基づき掲載しています。
参考:クリエイティブコモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)
リゾート地として有名なカプリ島、その魅力は古来から続いています
その昔、古代ローマ皇帝アウグストゥスはティレニア海に浮かぶこの美しい島の虜となり、"甘美な快楽の地"と呼んで自身の所有していたイスキア島と交換させたといいます。
20世紀半ばのリゾートブームのイメージが強いカプリ島ですが、実は、古代ローマ時代から既に景勝地として人々に親しまれてきました。古代ローマ皇帝をも虜にしたというカプリ島には、一体どんな魅力が潜んでいるのでしょうか。
写真:険しい山肌と美しい海のコントラスト Photo by Justin Ennis[Capri Marina Grande]
Photo by Justin Ennis[Capri Marina Grande] CC BY 2.0
カプリ島と聞いて誰もが真っ先にイメージするのが「青の洞窟」ですが、カプリ島の見どころはそれだけではありません。ナポリなどから船でマリーナグランデ港に到着したら、そこからケーブルカーか島のミニタクシーで、高台へと上がって行きましょう。
車がすれ違うにもいっぱいいっぱいの細い坂道をガタガタと上がってゆくと、両側にはレモンやオレンジの木々が茂り、農作業をしている地元民が時折手を振ってくれたりと、牧歌的な風景が広がります。
てっぺんに着くとそこは島の中心、カプリ地区。広場に所狭しと並んだカフェやレストラン、ショップが観光客を出迎えます。
世界中の人々が憧れて止まないリゾート地だけあって、ここには全ての美しいものが揃っています。美食も然り、自然美も然り。モッツァレラチーズとトマトのサラダ、絶品カプレーゼはカプリ島発祥のサラダ。
広場のいたるところにあるジューススタンドでは、太陽の光をたっぷり浴びたフレッシュなレモンのジュースを飲むことができます。
雄大な自然美を堪能したいなら、広場から海側に細い路地を歩いてみて下さい。
道中、名門ホテル「キシザーナ」のオープンカフェに寄ってお茶をするも良し、小洒落たブティックでショッピングを楽しむも良し。
そうして辿りつくのは、色とりどりの花が咲き乱れるアウグスト公園。ここから眺めるファラリオーニの岩島群、そしてどこまでも続くティレニア海のパノラマには、きっと溜息を漏らさずにはいられないでしょう。
写真:一度は見ておきたい、絶景をぜひ。Photo by sneakerdog[Faraglioni, Capri, Italy]
Photo by sneakerdog[Faraglioni, Capri, Italy] CC BY 2.0
ここに来たら外せない、「青の洞窟」
そして、やはりカプリ島を象徴する「青の洞窟」は見逃せません。
洞窟はいつでも入れるわけではなく、満潮時や波の状況によっては閉鎖されてしまうこともあります。入れる可能性が高いのは、やはり天候の安定する6月~9月。午前中の陽の光が最も洞窟内の青を美しく見せると言われています。
マリーナグランデ港からモーターボートに乗って、広大な海原へといざ出発。船は波しぶきを上げながら洞窟の入り口へと走ります。むき出しになった岩肌に打ち寄せる波、どこまでも続くディープブルーの海、荒々しさと美しさが一体となった自然を身体で感じながらのクルーズです。
洞窟の前に到着したら、小さな手漕ぎボートへと乗り換えます。船頭さんの合図を待って一気に洞窟内へ滑り込みましょう。
洞窟内は外とはうって変わり、暗くしっとりとした静けさに満たされ、船のシルエットがわずかに見えるばかり。少し奥まで入ったら、洞窟入口の方を振り返ってみます。
するとどうでしょう。そこにあるのは、暗闇の中この世のものとは思えないほど不思議に光り輝く青の世界。太陽光が狭い入口のみを通して洞窟内に射し込み海底に反射して、それはまさに自然が生み出す美の極致です。
写真:日常ではなかなか味わえない、幻想的な時間をぜひ 撮影:Italyii ライター 藤井麻未
いつか、青の洞窟は見られなくなってしまう......?
海底からはポセイドンの石像が見つかっていることから、青の洞窟は古代ローマ時代にすでに発見されていたと言われています。また、もともと青の洞窟は地盤沈下によってできているのですが、現在も水位が少しずつ上昇しており、いずれは海底に沈んでしまう運命なのだとか。それゆえ、この神秘の青が幻になってしまう前に一度は訪れたい場所と言えます。
"甘美な快楽の地"古代ローマ皇帝が魅せられたその美しい島の姿を、ぜひ皆さんの目で確かめてみてください。
※編集部注:2016年12月付 記事構成の見直しをいたしました。
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