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スイス人とは一体何を食す人ぞ?
スイスでは、2人に1人が肥満だというびっくりするような統計がある。
この「肥満」の統計には2種類あり、ひとつはいわゆるBMI(ボディマス指数)によるもの。BMIが25以上だと太り気味と定義される(30以上は「太り過ぎ」)そうで、スイスの20歳以上の男性では57パーセント、女性では40パーセントがこれに該当するらしい。もうひとつは腹回りの長さ(大きさ?)を計測した結果によるもので、これは詳細の説明は省くが、計測参加者全体の53パーセントが「太り気味」以上だったそうだ。
肥満の原因は運動不足やストレス、睡眠不足など色々あるが、一番の原因は(もちろん毎日ではないにしろ)食べ過ぎや偏った食事によるものだ。スイスのご飯というのは、私たち日本人が想像する食事の内容とはちょっと異なる。もちろんこのような違いの実体験は海外旅行の醍醐味のひとつだが、街のレストランでランチメニューなどを見るとびっくりされるかもしれない。そこで、今回は一般的なスイス人が日常の生活上でどんなものをどれぐらい食べているのかをご紹介したい。
一般人の食事内容は...
今年の初旬に公開されたスイス初の食品摂取に関する全土的な調査の結果によると、スイス人ひとりが一週間に摂取する肉類の平均量は780グラム(推奨量:240グラム)。油脂類は推奨量の4倍、乳製品は2/3、野菜は3/5、アルコールや清涼飲料・チョコレートなどの嗜好品は4倍、一日の摂取総カロリー量は推奨値より11パーセント多い。
油脂類の摂取量が多いのはバターや生クリームなどの動物性油脂によるもので、オリーブオイルなどの植物性油脂は逆に摂取が少なすぎるとのこと。酪農大国スイスの人たちが乳製品を十分に摂取できていない(チーズやヨーグルトは結構食べていると思うのだが、牛乳を飲む人が少ないのだろう)というのは興味深い。
調査に参加した人の71パーセントは、昼ご飯を外食でとっているそうだ。全出の調査では、「スイス人の平均的なメインの食事(昼ご飯)がどういう構成&見た目&量か」というものも発表されている。メニューは視覚的に分かり易いワンプレートで再現されていて、内容と量は以下の通り。
パスタ(炭水化物):130グラム
ブロッコリー(野菜):102グラム
ミートボール(肉):363グラム
ソース(動物性油脂):93グラム
(実際に再現されたものは諸事情により掲載できないので、似たイメージのものでご容赦頂きたい)
とても美味しそうで食欲もそそられるが、新鮮なグリーンサラダを一緒に注文すれば完ぺき!
スイスにはZürcher Geschnetzeltes(チューリヒャー・ゲシュネッツェルテス、チューリッヒ風仔牛肉のソテー)という伝統的なメニューがあるのだが、このメニューのお皿の配分・見た目が、上記の「平均的なメインの食事」のそれにかなり近い。
(チューリヒャー・ゲシュネッツェルテス、レシュティ添え)
チューリヒャー・ゲシュネッツェルテスは、私も大好きなメニューのひとつ。ちょっとコッテリしているので、可能ならハーフサイズを注文(これができるレストランは結構多い)し、やはり前菜にサラダを頂けばバッチリだ。
最近では、メディアなどの影響もあってスイスでも健康的な食事がトレンドになりつつあり、フレキシタリアンも増えている。10年後ぐらいには、ひょっとしたら前出の「平均的なメインの食事」の内容も様変わりしている...かも??そんなトレンドを象徴する「ベジタリアンフード専門のコンビニ」について近々ご紹介する予定なので、どうぞお楽しみに!
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Asami AMMANN-HONDA
- スイス東部トゥールガウ州の農村在住。元書店員、現在は兼業主婦(介護補助士&日本語教師&日独英通訳)。趣味はスポーツ・園芸・料理、専門は音響映像技術。