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UAEで中東料理めぐり?サウジアラビア編
日本ではまだまだなじみの薄い中東のお料理。その代表格はレバノン料理ですが、近隣ということで各国共通のお料理があったり、似ているものがあるのも事実です。でもやはりその土地それぞれに郷土料理があります。そんな"ひとくくり"ではない、日本ではなかなかお目にかかれない貴重な味の数々をUAEでは楽しむ事が出来ます。
<前菜の定番、フムス(ひよこ豆のディップ)、ムタバル(なすのディップ)/ホブス(ピタパン)と一緒に食すのが美味です。美味しすぎて主菜の前にいつもつい食べ過ぎてしまいます。>
中東料理の基本、レバノン料理が気に入られたなら、次は別の味に挑戦してみませんか?たとえば、、、サウジアラビア料理。
<サウジアラビアの首都リヤドのランドマーク、キングダムタワー>
サウジアラビアのお料理、と言って真っ先に思いつくのが「KABSA(カプサ)」です。結婚式や大きなイベントの際には必ずと言っていいほど巨大なカプサが饗されます。
炊き込み御飯の上にラムやチキンのお肉がどーんと乗っている豪快なお料理で、ご飯とお肉を同じお鍋の中で調理するものです。スパイスが使われているのですが、それほどクセのあるものではなく、日本人の口にもよく合います。
カプサ以外にも味付けに使われるスパイスのブレンドや調理方法によって様々なご飯料理がサウジアラビアにはあります。
写真手前の白いご飯の方がカプサです。奥の黄色い方はマンディ。
マンディはお米を入れたお鍋の上にお肉をのせた網をセットし、そのまま丸ごと地中に埋めて蒸し焼きのように調理するものだそうです。加熱中に肉汁が下のご飯のお鍋に滴り落ちる仕組みでご飯にうまみが増すのでしょう。
<マンディの調理方法/これを地中に埋められた専用コンテイナーの中にセットします。コンテイナーの中には火をおこした炭が入っていてしっかりと蓋をしてその中で蒸し焼きにします。>
このレストランのカプサはさっぱりめ、マンディはスパイシーなお味でした。スパイシーと言っても、唐辛子を使っている訳ではないので辛くはありません。素朴な味で食がすすむのです、これが。お肉は選べますが、この時はカプサにはラム肉、マンディにはチキンを合わせてみました。どちらも柔らかく調理されていてホロホロ。ご飯によくなじみます。添えられてきたトマトのサルサソースのようなものをかけて一緒に食べるとさっぱりしてまだまだ食べれてしまいます。
他に、"Bukhari(ブハリ)"は、トマト味、サフラン味、白飯を層にして炊き上げ、炊きあがってから混ぜる事で3色ご飯ができあがり、それと別に調理したお肉と共に食すというご飯料理です。
このようにメニューには似たような、でも名前の違うご飯料理がいくつも並んでおり、初心者には何が何やら、、、。お店の方でもちゃんと説明出来る方が少ないので、サウジアラビア人のお友だちに聞いて、やっとその違いが分かりました。
また、アラブ料理は床座で手で食すのが伝統。さすがに手でいただくのはハードルが高いので、私達は床でフォークとスプーンを使っていただきました。主食がお米なところや床に座って大きなお鍋を囲むスタイルは日本と似ている気がしてなんだか親近感が湧きます。違いは日本ではちゃぶ台を使いますが、中東ではピクニックのようにヤシの葉で出来た敷物、またはビニールの敷物の上に食事を並べます。これは砂漠の民の名残なのでしょうか?
奥に映っているシチューのようなものは"Al Qursan"という野菜のトマト煮込み。この中にはちぎったピタパンが一緒に煮込まれているのですが、そのクタクタになったパンと柔らかめの野菜の見た目は正直なところイマイチなのですが、優しい味で意外なおいしさです。お腹にもやさしそう。私も大好きです。
どのお料理も遊牧民として暮らしていた頃の素朴さを残しているようです。
私が伺ったレストランのインテリア。アラビアンな気分を盛り上げてくれる素敵な店内です。
このお店はアブダビなのですが、ドバイにもいくつもサウジ料理レストランがあるようです。ほっとする味、本場サウジアラビアのお料理、ゼヒ試してレバノン料理やUAE料理との違いを楽しんでみてください。
Saudi Cuisine VIP (アブダビ)
https://www.zomato.com/abudhabi/saudi-cuisine-vip-al-khalidiya/info#tabtop
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長野真弓
- 2012年9月よりアブダビ在住。イラン、サウジアラビア等中東を中心に海外在住暦約10年。イランでペルシャ絨毯にはまり、インテリアと写真と書く事が趣味の主婦。