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ウィーンの音楽の歴史を知ろう!ハウス・デア・ムジークは遊び心いっぱいの博物館
音楽と芸術の都ウィーン。芸術を楽しむ博物館、美術館は数多くありますが、今日は音楽をもっと身近に感じる博物館を紹介します。
ハウス・デア・ムジークは「音楽の家」の名を冠する、音楽をテーマにした博物館。2000年にウィーンの中心近くにオープンした、比較的新しい博物館です。
この博物館が入っている建物自体が既に、ウィーンの音楽の歴史と深く関係があります。18世紀にここに住んでいたハプスブルク家の貴族カール・フォン・エスターライヒ=テシェンは、ナポレオンに初めて勝った武将でもあります。その後、19世紀にここに住んでいたオットー・ニコライと言う人物は音楽家で、現在世界二大オーケストラの一つの数えられるウィーンフィルの前身である「フィルハーモニー・アカデミー」の創始者と言われています。
博物館内にあるオットー・ニコライの住居の再現
このような歴史があるため、このハウス・デア・ムジークの一階は、ウィーンフィルの歴史の展示となっていて、歴代の指揮者の指揮棒なども展示されています。
歴代指揮者の指揮棒の展示
博物館の二階部分は「音のエリア」となっていて、音の成り立ちや楽器の聞き比べなど、音楽の構成要素としての「音」自体にフォーカスを当てた、インターアクティブな展示になっています。
3階部分は「巨匠たちの間」として、ハイドン、モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、シュトラウス、マーラーなど、ウィーンを代表する作曲家を紹介する展示が充実しています。
モーツァルトの展示では、彼の四度にわたるヨーロッパ演奏旅行の道行きや、家族の肖像画、手書きの楽譜や手紙などの展示で、彼をもっと身近に知ることができるようになっています。
他にも、ベートーベン本人が使っていたピアノや、シューベルトやシュトラウスのメガネなど、肖像画などでお馴染みの作曲家のアイテムもあり、それぞれの作曲家の個性があふれた魅力的な展示となっています。また、マーラーの間では、彼が作曲を好んで行っていたザルツカンマーグートの山々をモチーフに、森の中を散策しているようなコンセプトになっているのも、特徴的でした。
マーラーの展示は森の散策気分
この階の展示の最後には、ウィーンフィルのバーチャル指揮が体験できる人気のゲームがあります。実際に指揮棒を構えて、ウィーンフィルの演奏を指揮するのですが、これがなかなか難しく、少しずれるとコンサートマスターがヘソを曲げてしまったりします。うまく最後まで演奏できると、画面上のオーケストラだけではなく、周りで見ているお客さんも拍手をくれるので、達成感もひとしおです。
展示を見終わったら、最後に4階のショップにも立ち寄ってみましょう。楽譜の柄の傘から、手作りオルゴールまで、音楽関係のお土産が盛りだくさん。音楽が趣味の人なら、ぜひ日本に持ち帰りたいかわいい雑貨がたくさんありますよ。
音楽の都をたっぷり楽しめて、勉強にもなるハウス・デア・ムジーク。新しい博物館のため、展示物にオリジナルが少ないのが少し残念ですが、ウィーン音楽の歴史をまとめて概観したい方やお気に入りの作曲家について詳しく知りたい方は、ぜひここで過ごしてみてください。
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ひょろ
- オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。