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オーストリア/ウィーンからザルツブルク方面の移動に便利!ウェストバーン鉄道の乗り方と乗り心地
モーツァルトの生家があるオーストリア第二の都市ザルツブルクや、サウンド・オブ・ミュージックの舞台となった湖水地方ザルツカンマーグートなど、ウィーンから西へ2,3時間の距離には、魅力的な街や風景が盛り沢山。
今日はそんなザルツブルク方面への旅に便利な、ウェストバーン鉄道をご紹介します。
鉄道の再編と駅機能の集約化が進んでいるウィーンでは、元南駅が「中央駅」としてハブ機能を強化すると同時に、オーストリア国鉄のザルツブルク行き電車も、西駅ではなく中央駅発着となりました。
そんな中、欧州の鉄道の自由化とともに、2011年から私鉄であるウェストバーン鉄道が開通し、人気を博しています。このウェストバーン鉄道は、従来西方面への窓口であったウィーン西駅を拠点にして、観光客に人気のあるザルツブルク方面の路線を強化しています。
ザルツカンマーグートへの玄関口アットナング・プッフハイム駅の発着案内板
また、系列のバス会社を利用すると、リンツ経由でグラーツやチェコのプラハ、ザルツブルク経由でドイツのミュンヘンや有名なアルプスのスキーリゾート等へも向かうことができます。
ここで、オーストリア国鉄とウェストバーン鉄道の、ウィーン・ザルツブルク間の本数や価格を比較してみましょう。
まず、ウェストバーン鉄道の一番の魅力は価格です。
ウィーン・ザルツブルク間の片道料金を比較すると、国鉄で51.90ユーロのところを、22.50ユーロで移動できます。更に、タイムセール等で片道10ユーロで購入することができることもあります。運が良ければ国鉄の5分の1の格安価格で旅ができるのですから、とってもお得ですね。
更に、本数や所要時間も国鉄に全く引けを取りません。
オーストリア国鉄は中央駅から1時間に2本、所要時間は2時間23分の速い列車と、更に30分かかるゆっくりな列車が交互に運行しています。ドイツのミュンヘンへ乗り換え無しで行ける直通列車は4本に1本です。
一方ウェストバーン鉄道は、西駅から1時間に1本で、ザルツブルクまでの所要時間は2時間28分です。ザルツブルクからドイツのミュンヘンへの乗り継ぎもスムーズです。
ウェストバーンのチケットの購入は、公式サイトからのネット購入や西駅の購買機、キオスクや車内などで可能です。西駅にある窓口は全て国鉄のもので、ウェストバーン対応ではありませんのでご注意ください。インターネットで購入する場合、クレジットカードで支払い、車内での検札の時にはPDFで送られてくるEチケットを、スマホ画面で見せるだけで完了です。
チケットには特に乗車時間の記載がありませんので、購入後は好きな時間に電車に乗るだけです。基本的に自由席ですが、発車の2時間前まで追加料金5ユーロで席を予約できます。また、VIP席などのアップグレードサービスもあり、私鉄ならではのきめ細かいサービスが魅力です。
気になる乗り心地はどんな感じでしょう?実際に乗ってみましたが、人気が出るのも納得の快適さです。新しい二階建ての車両は、コンセントとWIFI完備で、新幹線っぽいかっこいい内装です。車内で充電ができるのは助かりますね。
ウェストバーン二階部分の車内の様子。
扉から近い一階部分は、広い車いすやベビーカースペースが作られていて、バリアフリーが完備されているので、旅行の大荷物を持っての乗り降りも楽ちんです。
バリアフリーの乗降口付近
また、中二階にはセルフサービスのカフェ、飲み物の自動販売機やテーブル席もあります。このように車内は、ビジネスマン、旅行客、子連れなど様々なニーズに対応していて、誰でも快適に旅ができるよう設計されているんですね。
中二階のセルフサービスエリア
仕事をしたい人、スマホやタブレットを見たい人、ゆっくり本を読みながらコーヒーを楽しみたい人など、それぞれの旅のスタイルに合った乗り心地が楽しめます。また、国鉄にはない乗務員サービスもあり、気軽に助けを求めることもできます。
価格とサービスでオーストリア国鉄と大きく差をつけ、オーストリア人にも観光客にも大人気のウェストバーン鉄道。ぜひ快適なウィーン・ザルツブルク間の旅をお楽しみください。
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ひょろ
- オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。