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日本とは全く違う!アラブの結婚式
<婚約式の時のウェディングカップケーキ>
サウジアラビアのリヤド在住中、現地のお友だちに誘われて結婚式に2回、婚約式に1回出たことがあります。ちなみにうち2回は新郎新婦のことは全く知りませんでした。新婦のお友だちである友人に誘われたのです。最初は「本当に知り合いでもない私達が行っても大丈夫?」と不安だったのですが、大丈夫なのです。(笑)招待状を作る人もいるようですが、特に出席者を管理している訳ではなく、ご祝儀を渡す訳でもなく・・・出席できてしまいました。これが結婚式にまつわるまず最初の驚きでした。
<婚約式の際の会場入口。2回の結婚式は結婚式専用会場でしたが、この時は富豪のおじいさまの邸宅でのお式でした>
次なる「へぇ~」は、会場が男女別々なこと。それぞれの会場に新郎と新婦が別れて出席します。そう、新郎新婦がならんでひな壇には登場しないのです。入口も全く別なので、出席者も男女が出会うことはありません。
もちろん、私は女性側の会場しか体験したことはありませんが、さらに驚いたことに最初から新婦が会場にいる訳ではなく、宴もたけなわになった頃にひとりで登場、出席者は順番にひな壇へお祝いの言葉をかけにいくのです。
それまでの間、出席者は何をしているのかというと、お茶を飲み(もちろんアルコールはありません)、フィンガーフードをつまみ、おしゃべりに興じています。そして、踊りまくる(笑)。皆さん、本当にダンスが大好き。アラビック音楽に合わせてノリノリの着飾った女性達は本当に華やかです。
普段はアバヤに隠されていますが、その黒い布をぬぎさり美しいドレスで着飾った姿は、日本人には太刀打ち出来ないゴージャスさ。そんな華やかな場を男性は決して見ることができないのは残念ですね!
<皆さん、こういうゴージャスなドレスで着飾っています。なので、ドレス屋さんもモール等町中に多くあります。女性の写真を公表するのはNGなので、ご参考まで>
<モールの中にもドレス屋さんが集まっているエリアがあったりします>
広い会場にはたくさんのテーブルが並んでいますが、大体その中央にダンススペースが取られていて、踊る人はそこに出て楽しそうにダンスに興じるのです。
出席したある結婚式では、その脇にソファが並べてあって年配の女性達がそこに座っていました。不思議に思いサウジ人の友人に聞いたところ、自分の息子や孫、親戚等のお嫁さん候補を探しているんだそうです。踊っている女性の方もそれを意識して張り切っているのかもしれませんね。
そして日本人的には「ありえない!」と一番思ったこと、それが式のタイムスケジュールです。招待は大体夜の8時か9時からと言うことになっています。でも時間を守ってその時間に行っても、まだほとんど人はいません。もちろん新婦も。人が集まり始めるのは大体10時頃からなのです。最初はそんなこと分からないので、することもないまま待たされるハメになってしまいました。出席者は好きな時間に徐々に集まり始めるというゆる~い感じ。いかにもアラブ的な・・・。式進行役の司会者等もいません。
やっと10時頃から音楽もダンスも盛り上がり始めますが、新婦はまだ登場しません。やっと登場したのは夜中の零時頃。それまでおつまみ的なフィンガーフードはつまめますが、食事はまだです。新婦へのご挨拶がひととおり終ったら、やっとお食事です。その頃には既に午前1時か2時。その後明け方まで踊り明かすのだそうです。さすがに私は最後までいたことはありません。帰るタイミングもそれぞれ。自分の都合で退散して大丈夫です。
<フィンガーフードやお菓子。このようにブッフェ形式だったり、お給仕の人が配りにきてくれたりします。この時はテーマカラーがピンクだったのでしょう、照明を含めあらゆるものがピンク色でコーディネートされ、会場全体がピンク色に染まっていました>
これは女性側のこと。男性側に出席したことのある夫に聞いたところ、男性側は早々に式が始まり、民族ダンスなどの出し物が披露された後、お食事をし、午前零時前にはお開きになったそうです。男性側、女性側ではだいぶ式進行も違うようですね。
お式によっては、女性側の会場に新郎が来て、一緒にお披露目されることもあるようですが(逆はあり得ません)、私が出席した3回はすべて登場したのは花嫁さんだけでした。
衣装は、新婦は白のウェディングドレス、出席者もイブニングドレスで、西洋式のスタイルと同じです。男性側は民族衣装であるカンドゥーラのようです。
UAEでは出席したことがないのですが、サウジよりは開かれた国ですので、もう少しオープンなお式もあるのかもしれません。ホテルでは時々レバノンやシリアの人たちの結婚式なのか、ロビーを賑やかに演奏したり踊りながら大勢で会場へ移動している一団に遭遇したりします。湾岸諸国の民族の結婚式とはまたしきたりなども違うようです。
ところかわれば結婚式も違い、面白いですね。なかなか興味深い体験でした。
余談ですが、この写真はリヤド(サウジ)の郊外の古着市場です。ここにイブニングドレスが大量に出品されていました。見ての通り青空市場ですので埃まみれですが、中にはかなりいい品も混じっていたりするのです。というのも、一度来たドレスは着られないということで、ここに売りにくる人がいるとか。しかも値段は千円前後からとびっくりの安さです。でも、この雑踏の中から汗をふきふき埃まみれになりながら高級ブランド品を探し当てるのは至難の技です・・・。
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長野真弓
- 2012年9月よりアブダビ在住。イラン、サウジアラビア等中東を中心に海外在住暦約10年。イランでペルシャ絨毯にはまり、インテリアと写真と書く事が趣味の主婦。