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ギリシャのパイを食べてみよう!
あまり知られてない気がしますが、ギリシャ人は日常的にパイをよく食べます。
特に甘くない惣菜パイが種類も豊富で、ギリシャでは大人気の軽食です。
仕事をしている人や学校に通う子供は昼食をパイで簡単に済ませるというのもよくあるし、家庭でもよく食べられます。また、パーティーの時に出す一品としても定番で、食べやすいミニサイズのものが人気です。
街を歩いていると、ベーカリーやスナックスタンドのようなお店にパイがいっぱい並んでいるのを見かけることでしょう。
しかも、この手のお店がいたるところにあるんですよ。ごく普通のお店のでも、こうやってディスプレイされているとやけに美味しそうに見えます。
その辺のお店のでもそれなりですが、パイ専門店のはさらに種類が豊富で美味しいです。
上の写真のお店は、シンタグマ広場近くVOULIS通り10番地の「アリストン」。かなり有名な老舗店です。
惣菜パイも甘いパイもいろいろあって、定番のチーズパイやほうれん草パイにするか、それとも干しダラのパイやミートパイ?......行くたびにかなり迷ってしまいます。
この店でチーズパイを食べるなら、クルというサクサクの生地で包んだ楕円形のがおすすめです。結構大きくてボリューム満点!
最近はお洒落なカフェやパイショップも増えています。
モナスティラキ駅や中央市場に近いATHINAS通りの「クレーム・ロイヤル」(本店はカリセアというエリアにあります)は、北ギリシャ風のブガッツァというパイが売り。
午前中に行くと手打ちフィロをのばしているところも見られます。麺棒である程度の薄さにのばしたフィロ生地を空中に放り投げて紙のように薄くしていくテクニックはお見事。
ギリシャのパイは全国的に食べられるものもありますが、地方独特の名物パイも。
これはペロポネソス半島のアルカディア辺りで作られる「チャイティ」と呼ばれるパイで、薄い手打ちフィロ生地で青菜やチーズのフィリングを四角に包んだのをフライパンで焼きます。
焦げ目のついた生地が香ばしくて美味。
クレタ島のカリツゥニアというミニパイは、それ自体生地や形がいろいろあり、かなりバリエーション豊かです。
これはチーズフィリングのとチーズ&ハーブ入りの。軽くて朝食にもぴったりです。
上でちょっとご紹介したブガッツァはセレスやテサロニキなど北ギリシャの名物パイですが、やっぱり現地で食べると美味しい!
普通のパイと同じくチーズ入り、ほうれん草入り、挽き肉入りなど甘くないのもありますが、全国的にはブガッツァといえば甘いカスタードが入ったタイプがよく知られています。
注文すると一口大に切って粉砂糖とシナモンを好みでかけてくれます。優しい甘さの温かいパイで、日本人受けもいいです。
クレタ島のカリツゥニアの、こちらは甘いタイプ。上に載せた塩味タイプとは形も違います。
フレッシュチーズたっぷりですが、あっさりした甘さで食べやすい。チーズケーキの元祖ってギリシャの甘いチーズパイだったのかもしれませんね。
クレタ島では小さなパイや揚げパイが好まれるのに対し、本土の、特に中部~北部では大きなパイをよく作ります。
これは自作の北ギリシャ風ホルトピタ(青菜パイ)ですが、北ギリシャ風の素朴な折りパイ生地バージョン。
同じパイでも、薄いフィロ生地を何枚も重ねたもの、とぐろ状に巻いた渦巻きパイなど生地によっても味わいが違ってきます。
青空市場ではこのような野草ミックスを売っているところもあり、パイや煮込みに使います。
珍しい野草のパイを食べられるところは少ないですが、普通のパイも十分美味しいので、ギリシャに来たらぜひ食べてみてください。
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アナグノストゥ直子
- アテネ在住。主婦業の傍ら、ライター、リサーチャー、コーディネーターとしても活動する。ブログ「ギリシャのごはん」にてギリシャ料理レシピやおいしい話題を発信中。