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中国のお墓事情とお墓参り@八宝山人民公墓
日本はお盆シーズンが過ぎた頃ですね。残暑にお気をつけください。
中国では陽暦の4月4日、清明節がお墓へ行こうシーズンになります。
今回は中国ではとても有名な北京のある共同墓地に行って来ました。
地下鉄1号線の「八宝山」駅B出口から800メートルくらいの場所にあります。
風水的にお墓には最適な場所、「八宝山」には、周恩来主席など数々の国家貢献者も眠っています。
私が行ったのは人民公墓の方で、一般人用です。入口には、お供え物のお花と月餅が売られていました。
これが"陰間"と呼ばれる死後の世界で使えるお金"冥幣"です。
この世で使われる中国の紙幣は、「中国人民銀行」が発行していますが、あの世のお金は「中国天地銀行」みたいです。
いつでもどこでも天・地・人での世界観がブレていません。さすがです。
陰間で何か問題が起きた時に賄賂としてでも使ってなんとか凌いでくれたらという思いも反映されています。
非科学的だからか、デザインもかなり豊富になり、アメリカドル偽札や、アップルの携帯柄偽札もありました。
本来なら燃やさなければいけないお金なのですが、昨今は、低炭素祭祀運動と言うことで、燃やすことは禁止されています。
色々なランクのお墓が同じ場所に乱立しています。
中国の土地は国家の物なので、永遠に自分の物にはなりません。
今年から購入した墓地のレンタル期間は、10年ということになりました。(以前は20年)
ちなみに、大体、1平方メートルの面積あたり30万元(約600万円)という価格設定です。
しかもレンタル期間を延長するには、お金と手間を払い続けなければなりません。
古いお墓の石はもうすでに断裂しています。ここには6万ほどの墓碑があるのですが、3万7千ほどの墓がすでに期限切れで、誰もお参りに来ないという墓も大量にあり、徐々に秩序を保とうと墓を移動させたりということもしていますが、お墓の元持ち主に確認の連絡が取れないなど困難な現状です。大人気スポットだけに大切な土地資源は有効活用したいのに。
共同で埋められている"懐思閣"での納骨は500元(約1万円)で済みます。
場所を取らない、灰を入れる引き出しタイプのお墓です。これからはこういうスタイルが増えていきそうですね。
3Dの写真を黒い碑に入れ込むのも日本人にとっては斬新。
死生観も死後の世界も日中では差異があります。
陰間でも、色々と段階があるのですが、門を通って、黄泉の道を通って、橋を渡って、向こうまで行ってきちんと死ねたら、この世に戻ってくることは二度とありません。橋を渡る前に「孟婆湯」という生前の喜怒哀楽による涙を集めたスープを飲めばすべて忘れる。でも飲まないという選択もある。そして、もちろんこの世での行いがどの世界に連れて行かれるかを決めてしまいます。
生きている時にこそ親孝行するのが当たり前で、死んだらそんなに構う必要性はない。死んだ時には大声で泣くべきだ。など、
色んな価値観が混在する現代中国ですが、海外へ移民し、連絡手段がなくなって、管理することができない為に墓が無残な姿に化していってもそれでもやはり何かの形で先祖を祈祷している、様々な憶測が頭をよぎりました。
「八宝山」で眠れるほどの金銭的に余裕がない場合は、農村にある親戚の元に灰を一緒に入れるなど、方法はあります。
最近、海に撒くというのも、無料だからか、増えてきています。あなたに合う素敵なエンドを迎えてください。合掌。
<北京市八宝山人民公墓>
住所:北京市石景山区上庄大街6号
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現地記者:A
- 一番難しいLet it beをモットーに、 なんとかするなんとかなるを繰り返し、 北京留学生活、すでに6年目突入です!