<後編>スイスの自家用車駐車方法

前回に引き続き、今回もスイスの駐車場事情についての記事をお届け。今回は、無料駐車スペースの種類とルールについてです。

前回の記事はこちらからご覧ください!

*注意*

記事執筆に際しては入念にリサーチを行っておりますが、本記事の情報が必ずしも法的に正しいとは限りません。ご紹介するルールはあくまでもごく基本的なもので、多数の例外が存在します。掲載情報は参考とするに留め、駐車エリア利用の際は、駐車のし方や料金をご自身でその都度必ずご確認下さい。万一違反駐車となった場合でも、当方では一切責任を負いませんので、あらかじめご了承下さい。

前回ご紹介した「白線で区画され、それぞれに番号が付いているもの」は(基本的に)有料の駐車スペースだが、番号がなく白線で囲われているだけのものは無料駐車エリア。このエリアはワイセ・ゾーネweisse Zone(白ゾーン)もしくはワイサー・パークプラッツweisser Parkplatz(白駐車場)と呼ばれ、特別な標識・但し書きがない限り(常識の範囲内で)無制限で無料駐車可能。標識に制限時間や曜日・用途などが書かれている場合は、それに従っての駐車であれば無料だ。

白ゾーンは基本的には道路脇に設けられているが、いわゆる普通の駐車場の格好をしているケースも多い。例えば、こちらの写真は東スイスの名峰センティス山Säntisの麓にある山岳ロープウェー駅の駐車場。

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入口ゲートも番号も何もなく、区画が単に白線で仕切られているだけの、正真正銘の白ゾーン駐車スペースだ。多くの訪問者が車で訪れる観光地だからといって、必ずしもその駐車場が有料とは限らないのが興味深い。

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上の写真は、私が住む村にある教会の向かいに設けられた駐車スペース。これもいわゆる白ゾーンに該当するが、併設の標識(赤丸で囲った部分)に「教会および墓地の訪問者用」との但し書きがある。ちなみに、上の写真にも写っているが、黄色い線で囲われた駐車スペースは、何らかの特別な目的の車両(例えば車椅子利用者、バス、消防車、タクシー、物資搬入車両など)に限り駐車可。基本的には黄枠内に「○○用」という表示(上の写真の場合は車椅子のピクトグラム)があり、表示された用途以外の車両の駐車は禁止だ。

一般的な街中では、白ゾーンは街の中心部から徒歩10~15分ほど離れた地域や住宅街で多く見られ、チューリッヒの中心市街地など大都会には白ゾーンは皆無と言っていい。私の地元・ワインフェルデン村でさえも、近年この白ゾーンはどんどん消えつつある。

SW_20161102_04.jpg(最近レアな存在になりつつある、ワインフェルデン村の白ゾーン)。

とは言っても、街中でもそれなりに無料で駐車できる方法はある。それが、青線で囲われている駐車エリア「ブラウエ・ゾーネblaue Zone(青ゾーン)」だ。

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青ゾーンはブラウアー・パークプラッツblauer Parkplatz(青駐車場)とも呼ばれ、これは「時間制限のある無料駐車スペース」。このエリアは、アルファベットのPと一緒に特徴的な丸い記号が付いた標識が目印になっている。

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青ゾーンは駐車ルールが実はちょっとばかり難解だが、都心にも比較的多く見られ、慣れてしまえば大変便利なので是非活用したい。

青ゾーンには、標識に但し書きが何もない限り、原則として平日(月~土曜日)なら最低1時間、日曜祭日は終日無料で駐車することができる(場所によっては日曜祭日も平日と同じルールを用いる場合があるので、標識の但し書きに注意)。

青ゾーンに駐車する場合に必要なのは、パークシャイベParkscheibeと呼ばれる青い札。

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パークシャイベには数字が付いた可動式の紙が挟まれていて、これで自分の到着時間(つまり駐車開始時間)を矢印に合わせて表示する仕組みになっている。青ゾーンに駐車する際には、このパークシャイベをフロントガラス内の外から見やすい位置にきちんと置くのが決まりだ。

無料で駐車できるのは、平日(月~土曜日)の8時~11時半の間と13時半~18時の間の到着時間の表示から1時間。到着時間の表示が平日のお昼時に当たる12時~13時の場合のみ、14時半まで駐車できる。

パークシャイベの時間表示目盛りは30分刻みで、駐車開始時間は実際の到着時間に一番近い次の目盛りに合わせるという決まりがある。例えば、午前10時00分~29分の間に駐車開始する場合は目盛りを10時30分に合わせて表示することになり、この場合午前11時30分まで(つまり最短1時間01分・最長1時間30分)無料で駐車することができる。これが前に「最低1時間」と書いた理由だ。

...段々こんがらがって来たと思うので、簡単な表を用意。

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この表は、駐車場所の標識に但し書き等が何もない場合のもの。おおよそ正確ではあるが絶対に正しいとは言い切れないので、あくまでも参考程度に留めて、最終的には車を駐める際に各人で再確認して頂きたい。

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Asami AMMANN-HONDA

スイス東部トゥールガウ州の農村在住。元書店員、現在は兼業主婦(介護補助士&日本語教師&日独英通訳)。趣味はスポーツ・園芸・料理、専門は音響映像技術。

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