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スペイン南東部「アリカンテ」で過ごす地中海を感じる1日
日本人観光客にとってはマイナーな町アリカンテ。でも、太陽とビーチを求めてくる北ヨーロッパ人にはとても人気の観光地なのです。モニュメントはほとんどありませんが、ビーチやヨットハーバーが地中海感を漂わせます。今回は、1度は立ち寄ってみたいアリカンテをご紹介。
<ヨットハーバーからほど近い場所にある市庁舎>
アリカンテってどこにあるの?と思う方も少なくないはず。アリカンテはスペイン東海岸部にある地中海沿いの町でバレンシア州に属し、アリカンテ県の県都にあたります。紀元前3世紀頃にフェニキア人によってつくられた歴史ある町です。アリカンテ県は海がきれいなことで知られており、郊外にはデニア、ハベア、カルペ、ベニドルム、ビジャホジョサ、トレビエハなど有名なビーチリゾートがあるほか、スペイン語でカラと呼ばれる魅力的な小さな入り江も多々あり、夏になると「ここはスペイン?」と疑うほど大勢の北ヨーロッパ人で賑わいます。以前ご紹介したタバルカ島もアリカンテ県にあります。
<夏は遅くまで大勢の人で賑わうヨットハーバー>
ビーチとヨットハーバーを除くと、アリカンテの町最大の観光名所はサンタ・バルバラ城。まずはここを目指しましょう。ポスティゲビーチのすぐ後ろにそびえる海抜166mの山のてっぺんにあり、中世のスペインではもっとも大きな要塞のひとつでした。ここから眺める地中海は絶景!! お天気がいいとタバルカ島の島影が見えることも。山の裏側から徒歩で登るルートがありますが、ひと気がないとあまりオススメできないので、ビーチ沿いのフアン・バウティスタ・ラフォル大通り(Avda. Juan Bautista Lafor)沿いの入り口から入り、エレベーターを使うのがベストです。
サンタ・バルバラ城で絶景を楽しんだら、ヨットハーバーか通りを挟んでハーバー沿いにある遊歩道パセオ・デ・エクスプラナダでランチタイム。ファーストフードからミシュラン一つ星レストランMonastrellまで、飲食店が多々並びます。全長500mを超えるパセオ・デ・エクスプラナダはモザイクが敷き詰めてある美しい通りで、たくさんのテラスが並び、休日になると露店も出て賑わいます。
ヨットハーバーには、18世紀のスペインのガレオン船サンティシマ・トリニダ号が停泊しています。中にレストランやバルがあり少し前までは営業していたのですが、今は売りに出ているため休業中。また再開するといいのですが。もしもアリカンテで夕食を食べるなら、ヨットハーバーの奥に並ぶレストランは夜景がきれいでオススメです。
またヨットハーバーからはタバルカ島やベニドルムに行く船や、アリカンテ沖をぐるっと一周する遊覧船も出ています。
<お金持ちの外国人観光客が多いのでカジノもある>
サンタ・バルバラ城のふもとにあるポスティゲビーチは、郊外まで出なくてもビーチライフが楽しめる貴重なスポット。意外に水もきれいで、波打ち際に小さな魚たちの姿が見えることも。シーズン中は有料のデッキチェアやパラソルがあるので、ここでシエスタ(昼寝)を楽しむのもいいですね。
このようにアリカンテの町の海沿いの一角だけでのんびりした地中海らしい1日が過ごせます。マドリーからはAVEに乗れば2時間半弱、バレンシアからはユーロメッドやタルゴで2時間前後の距離。鉄道駅からは徒歩15分弱でヨットハーバーの南側に到着します。ぜひ1度は訪れたい町です。
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。