旧伊藤伝右衛門邸は
伊藤伝右衛門とその妻・柳原白蓮が過ごした邸宅です。
ちょっと前に朝の連続ドラマのモデルになった方々ですね。


伊藤伝右衛門は筑豊の炭鉱王と呼ばれた実業家。
彼らが結婚したのは伊藤伝右衛門50歳、柳原白蓮25歳の時。
（一回りどころか親子と言ってもいいほどの年齢差！）


柳原白蓮を迎えるにあたって、
日本建築の粋を集めて改装したのがこの旧伊藤伝右衛門邸です。





一般に公開されているので内部を見学することができますが、
隅々にまでこだわりぬいた意匠の数々には度肝を抜かれます。





↑アールヌーヴォー調のマントルピースが存在感を放ちます。


特に2階にある白蓮の居室は日本庭園を望む景観抜群の部屋です。
銀箔の押し入れ、竹の節だけを残した欄間、蝶をあしらった天袋など...
若いお嫁さんが喜ぶようにアレコレと苦心したのだろうかなどと考えてしまいます。


伝右衛門と白蓮がこの邸宅で過ごしたのは約10年。
ふたりの生活は、世間を騒がせた「白蓮事件」で幕を閉じることになります。
絢爛豪華な歴史的建造物の中で、
炭鉱王と美しい歌人との生活に思いを馳せてみるのはいかがでしょう。


旧伊藤伝右衛門邸と同じ飯塚市内にあり、
筑豊地域の歴史を感じられるのが嘉穂劇場。








かつて筑豊地域の石炭炭鉱の労働者とその家族が大衆演劇などを楽しんだ芝居小屋です。
現在でも歌舞伎などの公演が行われますが、
公演日以外なら毎日劇場を見学することができます（300円）。


客席や花道、舞台のほか、奈落（舞台下の人が操作する廻り舞台）まで
見ることができるので、興味のある人は参加してみるとおもしろいかもしれません。
建物は国の登録有形文化財に指定されています。