完成までに30年!? 東洋の神秘『アンコールワット』の圧倒的威厳とそこに住む人々の誇り

スースダイ!(カンボジア語で『こんにちわ』の意)
今回はカンボジア王国にある『アンコール遺跡群』を紹介したいと思います。『天使が造った都』とも呼ばれるアンコール遺跡群には、一体どんな魅力がつまっているのでしょうか...。

9世紀、クメール人が興したアンコール王朝は600年間この地に君臨しました。歴代の王たちがその座を得るたび、自らの偉大さを誇示するため、次々に華麗な寺院や王宮を建造しました。しかし15世紀初頭、王朝が衰退するとともに寺院や都城はうち捨てられ、静かな眠りについたのです。これが、アンコール遺跡群です。1860年、フランス人博物学者アンリ・ムオに紹介されると瞬く間に世界中の話題となり、密林に眠る王朝がふたたび目を覚ましたのです。

遺跡

その中で最も存在感を示すのが、完成までに30年を費やした東南アジア最大級の石造寺院"アンコールワット"です。
5基の巨大な塔のお堂はヒンドゥ教で世界の中心とされる『須弥山(しゅみせん)』を象徴し、その周りを囲む堀は『海原』、周壁は『ヒマラヤの霊峰』とそれぞれ見立てられており、そこに住むクメール人達はアンコールワットに敬虔な祈りを捧げてきたのです。その証拠に、カンボジアの国旗中央にはシルエットが染め抜かれており、それだけでもカンボジアの人々が"アンコールワット"に対しどれだけ誇りを持っているのか、窺い知ることができます。
半ば崩壊しかかっている都城も、『東洋の神秘』と称えられる威容は失われていません。密林の大地に、華やかかりし当時の栄華を静かに伝えているのでしょうか...。

アンコールワット

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