スイス・レーティッシュ鉄道(美しきアルプスの山岳鉄道)

世界遺産 "レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線" アルプスを結ぶ美しき山岳鉄道

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▲ブルージオのループ橋 cRhatische Bahn

国土の大半を山岳地帯が占めるスイス。雄大なアルプスの山並みが連なり、世界中でもここでしか見られない山岳の絶景がひしめいています。そんなスイス国内の陸路移動はさぞかし苦労すると思われがちですが、「スイスはどこでも16km歩くと鉄道に出合う」と言われるほど、ヨーロッパで最も発達した鉄道網をもつ国であることは意外と知られていない事実です。

観光立国を目指すスイスが鉄道敷設を始めたのは19世紀の中頃。それまでは馬車でしか行けなかった場所に鉄道網を次々に展開し始めました。いくつものトンネルや橋など、複雑で険しい地形を制覇するために鉄道技術の粋が集められ、やがて世界に誇る〝鉄道大国〟となるとともに、人々に豊かな生活をもたらしたのです。

無数にある路線の中でも近年注目を集めているのが、アルプスの真っただ中を走るスイス最大の私鉄「レーティッシュ鉄道」です。美しい大自然を損なわぬよう配慮された『高度な鉄道技術』と、路線と共存する『美しい沿線風景』が評価され、アルブラ線とベルニナ線が周辺の景観とともに、2008年、世界遺産に登録されました。便利さのみを求めるのではなく、恵まれた大自然とともに新たな絶景を生み出すスイスならではの心遣いは、鉄道大国の名にふさわしいものと言えるでしょう。

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cRhatische Bahn

「アルブラ線」はトゥージスから世界的な山岳リゾートのサンモリッツへとひた走ります。険しいアルプスの難所を144もの石橋やトンネル、カーブを作ることによって開通させました。中でも、高さ約65mの『ランドヴァッサー橋』は、深い谷底から伸びる石造りのアーチが生み出す美しい景観で知られており、乗車していても、周囲から眺めていても楽しめる絶景として人気を集めています。すでに鉄橋技術も確立されていた時代に、石を積み上げることで景観を守ろうとした人々の強い意志がここに垣間見られます。

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▲ランドヴァッサー橋 cRhatische Bahn

「ベルニナ線」はサンモリッツから急峻なベルニナアルプスを貫き、イタリアのティラノへと抜ける路線です。標高約4,049mのベルニナアルプスの最高峰ピッツ・ベルニナの雄姿や、まばゆい白さの氷河などの風景の中を進みます。中でも圧巻なのは、360度の弧を描く『ブルージオのループ橋』。数々の難所を克服した鉄道技術は、箱根登山鉄道のモデルともなりました。

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▲ブルージオのループ橋 cRhatische Bahn

そして、レーティッシュ鉄道の終着地、イタリアのティラノでは、これまでと違い、ヨーロッパの街並みを縫うように進んでいきます。

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▲ティラノの市街を走るレーティッシュ鉄道 cRhatische Bahn

文明の粋が詰まった鉄道と、世界に誇るアルプスの山岳風景。どちらの良さも損なうことなく融合させた素晴らしい絶景に魅了されてしまいますね。

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