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奈良・春日大社(20年に一度!式年造替)
世界遺産 "春日大社" 20年に一度の「式年造替(しきねんぞうたい)」
<中門 提供:春日大社/写真撮影者:桑原英文>
世界遺産「春日大社」は、今からおよそ1,300年前、奈良に平城京ができた頃、都の守護と国民の繁栄を祈願するために創建された神社です。 御蓋山(ミカサヤマ)のふもとに壮麗な社殿を造営し、四柱の尊い神々をお祀りしたのが始まりです。鹿島神宮から「武甕槌命(タケミカヅチノミコト)様」が白鹿の背に乗って御蓋山山頂の浮雲峰に天降ったとされています。
<奈良では鹿は「神鹿(しんろく)」として丁重に扱われています>
現在、春日大社では、「第六十次式年造替(しきねんぞうたい)」が行われています。「式年造替」とは、20年に一度、神様に移殿へ一時お遷りいただき(仮殿遷座祭)、本殿の修復が終わると元の本殿にお還りいただきます(本殿遷座祭)。神殿や神宝などを修繕し、造り替えることによって、神威のさらに若々しく力強い発揚を願う、日本人固有の信仰に基づいて行われるものです。1300年前から代々受け継がれる建築技術を伝承し、改めて祭神に感謝し、次世代にその存在意義や歴史を伝える大切な行事です。また現在、今年秋の正遷宮に向け、普段は立ち入ることができない場所での参拝や神宝の公開など、期間限定の特別参拝や特別公開が行われています。
1. 御仮殿
<提供:春日大社/写真:桑原英文>
「式年造替」期間中、神様は御仮殿に鎮座されています。まず鹿島神宮(茨城県)から「武甕槌命(タケミカヅチノミコト)様」を春日御蓋山頂に奉遷して第一殿に祀り、それから数十年後、香取神宮(千葉県)から第二殿に「経津主命(フツヌシノミコト)様」、枚岡神社(大阪府)から第三殿に「天児屋根命(アメノコヤネノミコト)様」、第四殿に「比売神(ヒメガミ)様」の四柱を併祀したのが始まりとされています。
2. 御蓋山浮雲峰遙拝所
鹿島神宮の「武甕槌命(タケミカヅチノミコト)様」が白鹿の背に乗って、御蓋山の頂上浮雲峰(ウキグモノミネ)に天降られた神蹟。御本殿創建以前、鹿島・香取・枚岡の神々様がお鎮まりになる神奈備として崇められ、現在も禁足地として入山が制限されています。
3. 藤浪之屋 <重要文化財>
春日大社には平安時代から現在まで奉納された燈籠が約3,000基あります。現存する室町時代以前の燈籠の6割以上が春日大社にあると言われています。現在、藤浪之屋では「式年造替」を記念し、釣燈籠を吊るし照明を入れ、万燈籠の雰囲気を体感できるようになっています。
4. 御朱印
「第六十次式年造替」限定の御朱印です。春日大社ゆかりの藤巴紋の内側に社名、外側には「第六十次式年造替 拝御假殿」の文字が入っています。
※この御朱印は今年(平成28年)11月6日の本殿遷座祭までの期間限定です。
春日大社が1300年以上も、その美しく荘厳な姿を保ち続けているのは「式年造替」が行われているからこそ。20年に一度、本殿内や神宝を拝観するチャンスです。この機会に、ぜひ訪れてみてください。
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