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サウジアラビア・ラマダン中に旅行をしてもいいの?断食をするからラマダンが楽しい!|断食だけじゃない宗教行事の真実

<TOP画像:街中がラマダン仕様でスーパーマーケットの商品も>
イスラム教「ラマダン」って何するの?ラマダン中の旅行者のマナーと楽しみ方ガイド。でもやっぱり断食するなんて大変そう、みんなどうやっているの?断食のルールとアレコレ。
イスラム教のおもてなし文化が一層濃くなるラマダン。サウジアラビア料理をはじめ多国籍な美食を一気に味わうホテルのビュッフェから、アラビアンでフォトジェニックな屋上のあるカフェもおすすめ。
実際にみんなが食べているイフタール(断食後の食事)と食べ方のコツをご紹介します。ラマダンの醍醐味はなんといっても夜!家族や友人との過ごし方と断食後だから更に美味しいラマダンならではの食べもの。
断食と聞けば辛いだろうなというイメージをひっくり返す、子どもも大人もわくわく!するラマダンのワケとは。
最後まで読めば、避けがちなイスラム圏へのラマダン中の旅行にチャレンジしてみたくなってしまうかも!
目次
4. スフール(断食前の食事)
5. イード・アル=フィトル(断食明けの祭り)
6. まとめ
1. ラマダンの意味と目的
ラマダンとは
ラマダン(ラマダーン)とはイスラム(ヒジュラ)暦の9月に行われる断食月のことで、イスラム教徒の義務のひとつです。
2026年のサウジアラビアでのラマダンは2月18日が断食の1日目となりました。ラマダンの開始日は現代でも新月の観測によって決められています。
この新月観測は日没時間に肉眼で観測します。この時代でも空を見上げて新月を探すなんて、ロマンチックだなあと筆者は感じます。
この新月観測によって各国のラマダンがいつ始まるのかが決まるため、そろそろラマダンという時期には明日が断食の1日目になるのか、はたまた明後日なのかと皆ソワソワしています。
実際に今年はサウジアラビアが18日、日本は19日が断食の1日目となりました。またイスラム暦は1年を約354日しており、毎年約11日早くラマダンが訪れます。
ラマダン月に行う断食と心の浄化
ラマダン月には断食を毎日、1ヶ月間続けます。空腹を感じることで恵まれない人々の気持ちを知り、そのような人々を助けるという気持ちを持つことも目的のひとつです。
そのほか悪口や喧嘩などの揉め事、欲望(性的なものを含む)も断ちます。またラマダン月の間は普段よりも良い行いが出来るように心がけます。
ラマダンの本当の目的
イスラム教徒もみんなと同じ人間です。日々を過ごすなかで信仰心が薄れてしまったり、他のことに気を取られて善行が疎かになってしまうことがあるでしょう。
でも毎年の聖なる1ヶ月にはみんなが一生懸命に断食をして善行に励んでいると思えば、自然と自分も集中して信仰を深めることが出来ます。
ラマダンの一番の目的は神様に近づき、自身の信仰心を深めることです。
1. 断食(サウム)のルール
ラマダンの断食は本当に大変?
断食と聞くと辛くはないのか、身体に負担はないのかと考えてしまうと思います。ラマダンの断食は日の出前から日の入りまで、水を含む一切の飲食(喫煙を含む)を断ちます。
今年のサウジアラビアだと、午前5時頃〜午後6時半頃までの約13時間半の断食となります。日の出と日の入り時間が毎日少しずつ変わっていくため、1日の断食する時間には若干の違いがあります。
断食が免除される人たちと地域の習慣
子どもや高齢者、妊婦や授乳中の女性、病気のために断食が出来ない人、旅行者などは断食が免除されます。(一部は翌年のラマダンまでに出来なかった分の断食をしたり、貧者に食事を振る舞うなど学派によって断食が出来なかった分の取り決めがあります。)
子どもたちも小さいうちから短い時間の断食から少しずつ始めて、大きくなるまでに皆と同じく断食が出来るように練習をします。
神様は能力以上のことを私たちには求めません。長時間の断食で身体の心配をしてしまいますが、健康であればある程度の断食は胃を休めたり身体にとって良いとも言われています。
2. 旅行者のマナー
非イスラム教徒の外国人も断食中のイスラム教徒への配慮が必要となります。日中はほとんどの飲食店やお店が閉まっています。ショッピングモール内の一部の店舗とホテルのレストランなどは開いていることもあります。道端での飲食と喫煙は避けましょう。
日中は静か、夜は一転して活気あふれる街へ
ラマダン月は日中は交通量も少なく静か、夜は一転して人々が一同に街へ繰り出し活気があります。ラマダン月は日中はホテルでの休憩をメインにして、飲食が出来る日の入り時間に合わせて街へ出ることで楽しめるでしょう。
日の入りと同時に断食は解かれ一斉に食事が始まるため日の入りの1時間前から道路は混みはじめ、日の入りが近づくにつれて大混雑となるため余裕を持ってレストランに到着出来るようにしましょう。
- 服装のマナーとサウジアラビアの"おもてなし"
ラマダン月以外でも男女ともに控えめで露出の少ない装いにしましょう。男性であっても膝の見える場合は入店(場)を断られる場合があります。
おもてなし文化の強いサウジアラビアでは、ラマダン月にはより人々が親切にあたたかく迎えてくれるでしょう。
マナーを守り、ラマダン月のポイントを抑えることで嫌煙しがちなイスラム圏へのラマダン月の旅行が有意義になるでしょう。
2. イフタール(断食後の食事)
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さて気になるのが長時間の断食を終えた後に人々はどんな食事(イフタール)をするのでしょうか。
これにはある決まりがあって、まず日の入り(マグリブ)とともに礼拝の呼びかけであるアザーンというものが街の至る所から聞こえます。
それが聞こえたら皆一斉に「デーツ」で断食を解きます。最近は日本でもスーパーフードとして知名度の高いデーツについてはこちらの記事にて紹介しています。
>>サウジアラビアの美味しいデーツ|美容・健康・お土産・カフェ情報まとめ
出来るだけ胃に負担をかけないためにもデーツと水やジュースなどから食事をはじめます。またはデーツと飲み物の後にスープや軽食などで少なめに済ませて午後9時頃から本格的に夕食をはじめる人も多くいます。
身体のために食べ過ぎは禁物。とは言ってもつい食べすぎてしまう人もいます。
1. 親戚や友人と
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ラマダン月は断食を家族や友人と共に乗り越えて信仰を深めることから、普段よりも社交の場が増えます。イフタールへ招待したり、招待されることも多々あります。
家へ招く場合や持ち寄りパーティーであったり、レストランへ行ったりとさまざまです。特に家で料理をする場合は、イフタールの時間にとにかく間に合わせることが絶対条件なので神経を使います。
2. ホテルのブッフェ
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ラマダン月ではあちこちのレストランでイフタールブッフェをしています。
大人1人あたりの相場は9000〜15000円と値段は張りますが、いつもより良いレストランへは家族でラマダン月のご褒美で行ったり、友人や仲間たちと特別なイフタールのために行きます。
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<豪快な羊肉のマンディ>
今回行ったシェラトンホテルのイフタールブッフェには、サウジアラビアを代表するお米料理の羊肉のマンディなどのアラブ料理の数々から、イタリア・インド・アジアの国々の料理まで多国籍に渡るラインナップでした。日本のコーナーにはお寿司もありました。
テーブルにはもちろんデーツと、サウジアラビアコーヒーも用意されていました。気の置けない人たちと1日の断食のあとの食事は毎回特別な一体感が生まれます。
しっかりデザートコーナーのアラブスイーツも頂いて大満足なイフタールとなりました。
Sheraton Jeddah Hotel
- 所在地:Al Kurnaysh Br Rd, Ash Shati, Jeddah 21424 サウジアラビア
- イフタールビュッフェ料金:350SAR(約15000円/2026年3月)
- 公式サイト:Sheraton Jeddah Hotel
3. 夜の過ごし方
夜の礼拝をしたり善行に励む傍ら、翌日の断食が始まるまで家族や友人たちと飲食を楽しみ語らいます。お互いの家へ行き来をしたり、公園で夜ピクニックをしている姿もよく見かける光景です。
夏場が特に暑く日中は外に出られないという土地柄もありますが、夜遅くまで小さい子どもたちも外で遊んでいます。
1. ラマダンドリンクとお菓子
ラマダンといえばコレ!というジュースにはソビヤと呼ばれるココナッツ風味のジュース、赤が美しいカルカデ(ハイビスカス)のジュース、アプリコットのジュースなどがあります。
基本的にはどれも甘いのが特徴です。日の入りが近くなると路上でもラマダンドリンクを売られています。ラマダン月は社交の場も盛んになるため、おもてなしとしてお菓子を用意したり手土産としてもよく選ばれるため、どこへ行ってもお菓子が食べられる月でもあるでしょう。
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<手前の半月状のお菓子がアターイフ>
ラマダンでは特にパンケーキにチーズやクリームを入れて半月状に揚げたアターイフやカハクと呼ばれるバターたっぷりのクッキーなど、甘くて高カロリーなお菓子が断食後は特に美味しく感じるからか人気です。
普段売られているお菓子のパッケージもラマダン仕様になったり、どこにいてもラマダンが感じられます。断食が大変であってもイフタールや大切な人と過ごす時間を楽しみに大人も子どももワクワクしているのです。
2. 屋上が素敵なカフェ
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ラマダン月の夜は長いです。サウジアラビアの誰にもお気に入りの夜に行けるおすすめのカフェがあるでしょう。
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<テーブルの上には絨毯が>
筆者は店舗で焙煎をする上質なコーヒーと、インテリアが素敵な屋上のあるカフェがお気に入りです。
どのコーヒーにするか迷ったなら、本日のコーヒーというメニューがあります。濃厚なバスクチーズケーキもおすすめです。
Speranza Cafe
- 所在地:Umm Al Qoura, Al-Safa, Jeddah 23453 サウジアラビア
3. ジェッダの歴史地区を散歩
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以前の記事で紹介したジェッダの歴史地区、アル バラドもラマダン月にはイルミネーションでライトアップされ、数々の屋台と多くの人で賑わいます。
一部が歩行者天国でお土産物店も多い観光地なのでお散歩が楽しいです。こちらの記事もご覧ください。
>>サウジアラビア・ジェッダの旧市街「アル バラド」の観光完全ガイド|歴史的建築・カフェ・お土産まで満喫!
4. スフール(断食前の食事)
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翌日の断食が始まる前の食事をスフールと言います。日の出よりも前に済ませます。外出したままスフールを食べたり、家に帰ってきて済ませる場合もあります。
筆者はイフタールからスフールまでずっと起きていないので、早起きをしてスフールを済ませています。
断食に備えて沢山食べる人も、軽食だけにしておく人もいます。パンとフールと呼ばれるそら豆のペーストとたまご、ヨーグルト、生野菜などがよく食べられます。個人的には量はそんなに食べておかなくても断食は平気なのですが、水はよく飲んでおく必要があると感じています。
5. イード・アル=フィトル(断食明けの祭り)
1ヶ月のラマダン月が終わるとイードと呼ばれる断食明けの祭りを祝います。大勢で盛大にラマダン月を過ごせたことに感謝してお祝いをします。
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<親戚の家に集まる子どもたち>
新しい服(または持っているもので一番良い服)を着て親戚訪ねてご馳走を食べ、子どもたちは日本の正月にお年玉を貰うようにお小遣いをもらったり、おもちゃを買ってもらいます。
神様からの褒章のために断食をして善行をして、信仰を深めます。その先にイードの楽しみもあります。
6. まとめ
旅行ではつい避けてしまいがちな、宗教行事ラマダン。非イスラム教徒でもマナーとコツを押さえれば、きっと忘れられない異国体験が出来るのではないでしょうか。
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ASAMI
- エジプト歴は6年目、グルメと手仕事に興味がある一児の母。古代エジプトの神秘的な部分から、目まぐるしく変わりゆくエジプトの新たな魅力までお伝えします。




























