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とろり、ほっこり|香港で出会う至福のお粥

<TOP画像:香港の雑踏に浮かぶ「粥」の看板>
香港を訪れるなら、ぜひ味わってほしいのが街角で湯気を立てるお粥。昔ながらの老舗から新感覚の一杯まで、香港の食文化に欠かせない優しい味がそろいます。
シンプルながら滋味深く、朝食はもちろん昼や夜にも親しまれるお粥は、香港の暮らしにすっかり溶け込んだ存在です。飲茶や叉焼と並ぶ定番のローカルフードとして、日本人旅行者にも人気上昇中です。
今回はお粥の魅力や特徴、ミシュラン掲載店から地元で愛される名店まで、旅の途中でぜひ立ち寄りたいおすすめスポットをご紹介します。
目次
おかゆ文化の魅力
香港のお粥は、庶民の味として長く親しまれており、米をじっくり煮込んで滑らかに仕上げるのが特徴です。日本のお粥とは異なり、米粒がほとんど形を留めないほどに煮込まれており、濃厚でとろりとした食感が楽しめます。
揚げパン「油條」を浸して味わうのが定番スタイルで、多くの香港の人々にとっては朝の欠かせない組み合わせです。
朝は軽く、昼は魚や肉を加えてしっかり、夜は胃にやさしい締めの一杯として。一日を通してシーンに合わせて楽しめるのも香港のお粥文化ならではの魅力です。また、お粥は食事以上の存在として、体調を崩したときの癒しや健康維持にも親しまれています。
風邪をひいたときや胃の調子が悪いときに体を温める家庭の味としても大切にされてきました。お粥は香港の暮らしに深く根付いた、やさしさ溢れるローカルフードです。
おすすめのバリエーション
香港のお粥を語るうえで欠かせないのが、代表的なスタイル「生滾粥(Raw-Boil Congee)」です。あらかじめ煮込んでおいた熱々のお粥に、生の魚や肉を加えて仕上げることで、素材の旨みをそのまま引き出すのが特徴。
魚片粥や艇仔粥、皮蛋瘦肉粥など、人気メニューも多彩です。もともとは屋台文化から広がりましたが、現在ではファーストフード店から高級レストランまで幅広く提供され、香港の食文化としてしっかり根付いています。
具材のバリエーションが豊富なのも香港のお粥ならではです。ピータンと豚肉を合わせた定番の皮蛋瘦肉粥、魚介の旨みをたっぷり感じる海鮮粥、さらに牛肉や鶏肉を使ったボリュームのあるお粥まで、好みや気分に合わせて選ぶ楽しさがあります。
そして、香港でお粥を味わうなら欠かせないのが「油條」と呼ばれる揚げパンです。発酵させた生地を細長く揚げたもので、外はカリッと、中はふんわり。
滑らかなお粥に浸して食べると対照的な食感が絶妙なハーモニーを生み出します。油條のほんのりとした塩味がお粥の甘みを引き立て、より深みのある味わいを楽しめるのも魅力です。
人気メニュー
- 魚片粥(魚の切り身入り)あっさりとした味わいで女性に人気。
- 皮蛋痩肉粥(ピータンと豚肉)コクのあるピータンと柔らかい豚肉が絶妙。
- 艇仔粥(具だくさんの広東風定番)魚の切り身、イカ、落花生など多彩な具材で食べ応え満点。
- 海鮮粥(エビやホタテ、カキなどの海鮮)海鮮の出汁がきいていて特別な食事にぴったり。
- 及第粥(豚モツ入り)レバーや腸など滋味豊かな味わいで、栄養満点の伝統的な一品。
おすすめスポット
1. 妹記生滾粥品
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<お店の様子>
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<人気メニュー、魚片粥>
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<搾菜腸粉>
妹記生滾粥品の特徴は、香港ローカル市場の中で味わえる「生滾粥(注文後に具材を煮込むスタイル)」で、とろとろの米粒感と濃厚な旨味が際立つことです。
特に魚片粥や皮蛋痩肉粥など具材の鮮度を活かしたお粥が人気で、地元客にも観光客にも愛されています。
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<人々で賑わう店の様子>
場所は、旺角の花園街街市のフードコート内にあります。ローカル色が強い市場の中にあり、観光客には少し冒険感がある立地でもあります。
付け合わせで注文した搾菜腸粉(米粉の蒸し巻きにザーサイをまぶしたもの)も他ではあまり見ないメニューですが、とてもおいしかったです。
【妹記生滾粥品】
- 所在地:Shop 11-12, Cooked Food Centre 3/F Municipal Services Building, 123A Fa Yuen St, Mong Kok
2. 栄利粥店(榮利粥店)
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<お店の入口>
栄利粥店は旺角にある地元に根付いた庶民派のお粥店です。
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<お店にある「粥」の看板>
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<魚の切身がたっぷり入った魚片粥>
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<海鮮の出汁がきいている海鮮粥>
ボリュームがあり価格も手頃で、朝食から夜まで幅広い時間帯で利用されるため、地元客に親しまれています。味は比較的あっさりしていて胃にやさしく、また店内は清潔感があり、明るく広々とした雰囲気で気軽に立ち寄れるのが魅力です。
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<炸兩(油條を腸粉で巻いたもの)>
さらに特徴的なのは、お粥だけでなく即蒸の腸粉や蘿蔔糕(大根もち)などの定番点心も揃っており、お粥と組み合わせれば一食として十分満足できる内容で、経済的にもお得です。
【 榮利粥店】
- 所在地:147 Sai Yee St, Mong Kok
3. 忠記粥品
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<お店の入口>
忠記粥品は、どこかレトロで庶民的な店構えが食堂のような懐かしさを漂わせ、朝から地元客で賑わう香港の日常を映し出すお粥店です。
店内には昔ながらの木製テーブルやプラスチック椅子が並び、飾り気のない温かい雰囲気が広がっているため、観光客にとっても香港ローカル文化を体感できる魅力的なお粥店かもしれません。
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<豚モツがたっぷり入った及第粥>
ここのお粥は特に特徴的で、一般的な香港のお粥が「トロトロ」なのに対し、さらに水分が少なく「ドロドロ」でねっとりと濃厚です。長時間じっくり煮込まれて米粒の形が完全に消え、まるでポタージュのような滑らかさと、骨や肉から染み出した旨味が凝縮されています。
優しい口当たりながらも、しっかりとしたコクがあり、食べ応えも十分です。
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<店内のメニュー>
【忠記粥品】
- 所在地:283 Hennessy Rd, Wan Chai
4. 靠得住粥麵小館
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<お店の入口>
靠得住粥麺小館は、地元の人々に長年愛されてきた老舗お粥店です。2023年にビブグルマンで紹介されています。
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<賑わう店内>
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<豚のモツがたっぷり入った荔灣及第粥>
看板メニューは魚の出汁のお粥で、遅い時間に店に行くと売り切れてしまっていることが多い一品です。また荔灣艇仔粥は、魚のすり身や干しエビ、ピーナッツなどが入った具沢山のお粥で、香港の伝統的な味わいを楽しむことができます。
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<店内の他メニュー>
店内は昔ながらの香港式茶餐廳(香港版ファミレス)の雰囲気を残しており、地元の人々と肩を並べて本場の味を楽しむことができます。価格もリーズナブルで、気軽に立ち寄れるのも魅力の一つです。
【靠得住粥麵小館】
- 所在地:7 Heard St, Wan Chai
まとめ|香港で味わう至福のお粥
香港のお粥は、庶民の味からグルメな一杯まで幅広く楽しめる、まさに香港の暮らしを映す料理と言えます。今回ご紹介したお店はいずれも個性豊かで、地元の人々に長年愛されてきた名店ばかりです。
とろりとした食感や具材の旨み、油條との組み合わせなど、香港ならではの食文化を存分に味わうことができます。
香港を訪れる際には、ぜひ街角のお粥店に立ち寄ってみてください。朝の一杯で旅の始まりを軽やかに、昼や夜には滋味深い味で心も体も満たされる──そんな至福の体験が待っています。
そしてこれをきっかけに香港のお粥の世界に入って、自分にあったお店を探してもらえれば幸いです。
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H.Kawa
- 香港在住15年の駐在員。変化の狭間にある香港のローカルな情報をお届けできたらと思っています。ちなみに老後はバリ島に住むのが夢です。




























