こんな神社見たことない!これぞ山岳信仰。大嶽山那賀都神社 in 山梨市

神社といえば、参道、鳥居、石段、拝殿、本殿などが思い浮かびます。

山梨市にある大嶽山那賀都神社にも、それらはあるのですが・・・

いやはやこんな神社、生まれて初めて見ました。
山岳信仰、修験の場とはこういうものか。。。
一歩足を踏み入れると空気感がガラッと変わったのがわかる神聖なる場所。

オランダから来た旅行者が那賀都神社に立ち、感動で涙が止まらなかったという、ある意味これぞ「ザ・神社」。

大嶽山那賀都神社をご紹介します。

目次

大嶽山 那賀都神社(だいたけさんながとじんじゃ)とは?

御祭神は大山祇神(山の神)大雷神(電気の神)高竈神(水や薬草の神)。
日本武尊が東方の征伐を行った時、甲武信(「甲斐、武州、信濃」⇒現在の山梨県、埼玉県、長野県)の国境を越える際に神の助けを受け、その感謝の印として国司ヶ岳の天狗尾根(2,436m)に剣を置き、三神を祀りました(現在の那賀都神社の奥宮)。

第四十代天武天皇の時代に、役行者小角がこの山を修験道場として開きました。
驚くことに、昼夜を問わず音が鳴り響き続け、そのためこの山は「大嶽山鳴渡ヶ崎」と呼ばれるようになりました。

天平7年、行基が観世音像を彫り『赤の浦の鳴渡ヶ崎に那留神がいるのか、高く那賀都を祈る』という神歌を捧げたことから、この神社は「那賀都神社」と呼ばれるようになったと言われています。
また、養老元年に最澄、天長8年に空海が訪れ、清浄ヶ滝や座禅岩、下流川浦に絵書石などの足跡を残したと伝わります。

江戸初期に大きな被害を受けて小さな祠になりましたが、元文5年に再建され、羽黒派修験の東叡山が管理するようになり、社殿が新たに建立されました。

現在の本殿は嘉永3年に着工し、明治10年に完成しました。
他の社殿や神楽殿は同35年に完成し(昭和36年に流失し復興)、随神門は同37年に完成しました。
これらはすべて甲府三日町の名医、喜多島宗甫氏の奉納によるものです。

彫刻は都留市谷村の名匠、福田俊秀氏が当社に半生を捧げて手掛けたものです。
拝殿は昭和43年に再建されました。

那賀都神社は、修験道場として始まり、現在も深い山の中にあり、駐車場から境内まで約1キロの参道は木々に囲まれていて、癒しの空間です。

>>大嶽山那賀都神社の公式サイトはこちら

大嶽山 那賀都神社へはどのようにして行くの

バス利用の場合

JR山梨市駅から(西沢溪谷、新地並行)に乗り50分。天科下車。神社駐車場まで15分(0.8キロ)

JR塩山駅より(西沢溪谷、新地並行)に乗り40分。天科下車(山梨市駅からの市営バスの停留所とは別)。神社駐車場まで約30分(1.5キロ)。※季節バスのため、運行スケジュールにご注意ください。

自家用車利用の場合(東京方面から)

新宿から中央高速で、勝沼I.Cまで 1時間 20分

勝沼ICからフルーツラインを通り、神社駐車場まで約30分

勝沼ICから塩山市街・牧丘経由で、神社駐車場まで約40分

大嶽山 那賀都神社のみどころ

まず驚いたのが、駐車場から境内まで約1km歩かなければならないことです。

しかも累計標高差150mで急坂が2か所ある為、歩いて約20~25分(足の速い人なら15分位)もかかります。

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歩いて登っていくしか那賀都神社にたどりつけないのです。

まさにこの地が修行の場として起こったことを思いしらされます。

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参道は、道しるべと灯籠が並んでおり、深山幽谷の雰囲気が漂い、自分の中にある雑念がそぎ落とされていくように感じました。

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それまでの里山風景と比べ空気感がぐっと変わるのがわかります。

参道は左に沢の音を聞きながら登っていきます。

次第に心が静かに穏やかになっていきます。

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あののどかな里山の奥にこんな世界があったのか、と思うほど境内は想像以上に広く高くダイナミックな空間を感じます。

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この傾斜を見ると、那賀都神社が急峻な山の中に建っているのがわかります。

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<随神門>

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さらに拝殿までは急な石段を登ります。

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本殿

本殿は、拝殿から更に本格的な山道を登った場所にあり、山梨県重要文化財に指定されています。(お祓いを受けた人のみ行くことができます)

本殿には見事な彫刻が施されていました。

これは伊豆の彫刻師石田半兵衛の子、福田俊秀氏が生涯を賭けて彫ったものだそうです。

明治以降100年以上も雨ざらしになっていましたが、保存のため、現在はコンクリートの外屋で囲われています。

今回その内部に特別に入らせていただきました。

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<大嶽山那賀都神社 本殿>

この山深い場所にどうやって資材を運び建てたのか。芸術作品ともいえる社殿がこのような場所に建っているとは信じられません。

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参道の終わりにはこの看板が立っていました。本当におつかれさまでした。

まとめ

なぜこのような厳しい場所に神社が在り続けたのか、宮司の日原 盛幸さんに訊いてみました。

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<宮司の日原 盛幸さん>

日原さん曰く「修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が富士山で修行を行った。この場所は富士山修行の前段の修行の地として選ばれた、と云われているようです。」とのことでした。

神社というと、現代ではお正月の初詣のイメージがあります。

しかしそれ以外にも山岳信仰、修行の場の意味合いもあります。
また長い歴史の中で神仏習合の時代を経て現在に至っています。

到底ひとことで言い表すことはできませんが、大嶽山那賀都神社は、山岳信仰の拠点として出発し、長い歳月を越えて現在まで姿を継承しているのですね。

境内は独特の空気が漂っていました。

冒頭でお話したこの地を訪れたオランダ人の旅人が涙したエピソード。

オランダには山岳地帯はほぼ無いそうですから、山深い場所にも圧倒されたのでしょうが、それに加えて那賀都神社の持つ世界に感動されたのではないかと思います。

大嶽山那賀都神社は、全国的にはあまり知られていない神社ですが、一度訪れた人が友人を連れて再びやってくることも多いそうです。

私も那賀都神社に初めて訪れてみて、ひとりでも多くの人にこの神社の持つ世界を感じてもらいたいと思いました。

この記事を読んで興味を持たれた方はぜひ一度お尋ねください。

くれぐれも歩きやすい靴でお越しくださいね。
タオルやお水なども準備することをおすすめします。

>>大嶽山那賀都神社の公式情報サイトはこちら

>>山梨市観光協会の公式サイトはこちら

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シンジーノ

ローマと北京に駐在歴あり。海外渡航歴は36か国。日本は47都道府県踏破。「お客さんが”笑顔”で買いに来る商品」を扱う仕事がしたいと旅行会社に入って三十余年。今はその経験を基により多くの人に「旅の魅力」を伝えるべく“たびこふれ”にいます。モットーは「その土地の温度が伝わるような血の通った記事を書く。」旅はカタチには残りませんが生涯忘れられぬ宝物を心に残してくれます。たびこふれを通じて、人生を豊かに生きる力を秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきます。

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