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アメリカで人気急上昇のスポーツ!みんなで楽しめるピックルボール

ここ数年、急激にアメリカで流行り始めたスポーツがあります。どこの公園に行っても、軽快な打球音と笑い声が響き、テニスラケットより少し小ぶりなパドル(ラケット)を手に、たくさんの老若男女でコートが賑わっています。
その名も、「ピックルボール(Pickleball)」。今回はそんなちょっとかわいいサウンドのスポーツに、焦点を当ててみようと思います。
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<Photo:Aleksander Saks / unsplash>
目次
- ピックルボールってどんなスポーツ?
- 家族の遊びから始まった、アメリカらしい誕生秘話
- テニスコートが次々ピックルボールコートに!
- 旅行中でも気軽にできる!アメリカの公園文化
- アメリカ文化を体験する新しい方法
ピックルボールってどんなスポーツ?
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<Photo:Aleksander Saks / unsplash>
ピックルボールは、テニス、バドミントン、卓球の要素を融合させた、アメリカ生まれのニュースポーツ。テニスの半分ほどのサイズの小さめのコートを使い、穴のあいた軽いプラスチック製のボールをパドルで打ち合います。
ラリーのスピードはそれほど速くなく、力任せよりもコントロールと駆け引きが重要になります。ルールもシンプルで、初めてでも数分でゲームに参加できる気軽さが人気の理由なのです。
1対1でも2対2でも楽しめ、家族や友人はもちろん、なんとこれ、見知らぬ人とも自然にプレーできるのが最大の魅力です。激しい運動ではないため、高齢者や運動が苦手な人でも始めやすく、長く続けられるスポーツとして注目されています。実際、私の近所の公園は、平日、シニアで大賑わいです。
家族の遊びから始まった、アメリカらしい誕生秘話
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<Photo:Robert Collins / unsplash>
ピックルボールの誕生は1965年、アメリカ・ワシントン州ベインブリッジ島。3人の父親たちが、夏休みの時間を持て余し退屈に感じ始めている家族のために、何か遊びを作ろうと考えたのがきっかけだったのだそう。
彼らはバドミントンをしようとしたものの、ラケットやシャトル(羽)が人数分なかったため、代わりに木の板を切って作ったパドルと、ウィッフルボール(子ども用の軽いボール)を使って遊んでみました。これが楽しくて、大盛り上がり!そうして生まれたのが、現在のピックルボールの原型でした。
この「家族みんなで楽しめるスポーツ」が近所に広まり、やがてアメリカ中に。今では全米で最も急成長しているスポーツとなり、数百万人のプレイヤーがいるといわれています。
ちなみに名前の由来には2つの説があるのだそう。一つは、考え出した男性の一人が飼っていた犬「Pickles(ピクルス)」がボールをくわえて逃げたという可愛らしい話。
もう一つは「pickle boat(寄せ集めのチーム)」というボートレース用語に由来するという説です。いずれにしても、ピックルボールは「手軽に、楽しむ」というアイデアから生まれた、アメリカらしい温かみのあるスポーツなのです。
テニスコートが次々ピックルボールコートに!
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<Photo:Frankie Lopez / unsplash>
アメリカでは近年、ピックルボール人気の高まりとともに、各地の公園やリクリエーションセンターでテニスコートをピックルボール専用コートに改装する動きが急速に進んでいます。ロサンゼルス、ニューヨーク、マイアミ、シアトルなどの大都市では、週末になると朝からコートが満員になるほどです。
年齢層も幅広く、特にシニア世代が目立ちます。コートが狭いこともあり、テニスに比べて走る距離が短く、膝や腰に負担が少ないため、リタイア後の趣味として始める人も多いのだとか。また、競技レベルも多様で、初心者から上級者まで、誰もが自分のペースで楽しめる環境が整っています。
旅行中でも気軽にできる!アメリカの公園文化
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<Photo:Jon Matthews / unsplash>
旅行者にとってもうれしいのは、アメリカでは初めての人でも気軽にプレーできること。多くの公園では「オープンプレー(Open Play)」と呼ばれるシステムを採用しており、受付も予約も不要。
コート脇のボードに名前を書いたり、または自分のパドルを立てかけておくだけで、順番が来るとその前後に並んでいた方とペアを組んで試合が始まります。
英語が苦手でも心配いりません。「Can I join?(混ぜてもいい?)」のひと言で笑顔が返ってきます。見知らぬ人同士が自然とチームを組み、試合が終わるころにはもう友達。ピックルボールは、まさに言葉の壁を越える体験を味わえるスポーツなのです。
ローカルの人々と交流したい方、旅の合間に軽い運動をしたい方にはぴったりです。パドルとボールはレンタルできる場所も多く、手ぶらでもOK。カジュアルなスポーツウェアとスニーカーさえあれば、すぐに始められます。
Sports Basement(レンタル)
- 住所:2100 N Bellflower Blvd. Long Beach, CA 90815
- 電話:(714) 587-2161
- 営業時間:月~金曜 10:00~20:00、土・日曜 9:00~19:00
- 休業日:公式サイト要確認
- 入場料:無料
- 公式サイト:Sports Basement
アメリカ文化を体験する新しい方法
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<Photo:Aleksander Saks / unsplash>
ピックルボールは、単なるスポーツではなく、アメリカのライフスタイルそのものを感じられるアクティビティといえるかもしれません。家族や友人、初対面の人とも笑顔でつながれる社交の場として、多くの人に愛されています。
実際、私もすっかりハマってしまって、ここ数ヶ月は、毎週末ピックルボールに明け暮れています。手軽なスポーツではありますが、本気を出すと、しっかり汗だく。しかも、とにかく楽しくて、やっている間はなぜか笑顔になってしまうのも、魅力なのです。
もしアメリカ旅行中に公園から軽やかな打球音が聞こえてきたら、ぜひ足を止めて見学してみてください。そして勇気を出して「Can I join?」と声をかけてみましょう。そこには、スポーツを通して広がるもうひとつのアメリカが待っています。
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SOLO
- ビーチ、青空、パームツリーのカリフォルニアに憧れて20年前に単身渡米、ロサンゼルス郊外オレンジ・カウンティー在住のライターおよび編集者。エクササイズ、新しいレストラン巡り、パーティー好き。最近の趣味は30年ぶりに始めたサクソフォーン。




























