オランダの魅力が詰まったテクセル島~広大な砂丘、漁港、風車、牧草地の羊たち

オランダ北西部に位置するテクセル島は、自然豊かなリゾート地です。美しいビーチや牧草地、自然保護区で、サイクリングやバードウォッチング、羊との触れ合いなどが楽しめます。

眼前に広がる北海やワッデン海の眺望、広大な砂丘、手つかずのビーチ、歴史ある漁港、灯台、風車、羊が草を食むのどかな牧草地。さらに、干潟には毎年何万羽もの渡り鳥が飛来します。地元の美食も魅力で、新鮮な海の幸やラム料理、島の地ビール「Texels」が味わえます。

アムステルダムから約2時間とアクセスも良く、日帰り旅行にも最適です。

目次

オランダで人気のテクセル島

オランダで人気のテクセル島

オランダとドイツの北海沿岸には、ワッデン諸島が鎖のように連なっており、これらの島々とヨーロッパ本土に挟まれた海域は、ワッデン海と呼ばれています。

オランダでは、ワッデン諸島はフェリーで気軽に訪れられる観光地として人気があります。私の周りにも、週末にバードウォッチングに出かけたり、家族でキャンプを楽しんだり、夏の間は島に滞在して絵を描いたりする人たちが多く、ワッデン諸島の話をよく耳にしていました。

そして今年の8月、友人と初めてテクセル島(Texel)を訪れ、その大自然を満喫してきました。島はアムステルダムより日差しが強い一方、気温は低いと聞いていたので、日焼け止めや帽子、サングラス、水筒、レインウェア、上着などを準備して出かけました。

アムステルダムからテクセル島へのアクセス方法

1. 電車→バス→フェリー

      • 所要時間:約 2時間 ~ 2時間半

アムステルダム中央駅より電車で1時間17分のデン・ヘルダー(Den Helder)駅へ。デン・ヘルダー駅よりバス33系統で10分のTESOフェリーターミナル(下の地図参照)へ行き、フェリーでテクセル島へ渡ります。

2. 車→フェリー

      • 所要時間:約 1時間半~2時間

アムステルダムよりA9、その後A7高速道路を北上し、デン・ヘルダーへ。TESOフェリーターミナル(下の地図参照)よりフェリーでテクセル島へ渡ります。

テクセル島へのフェリー

テクセル島へのフェリー

オランダ本土のデン・ヘルダー(Den Helder)とテクセル島(Texel)の間には、自転車や車と乗船できるカーフェリーが運航しています(上写真)。

運航スケジュール

デン・ヘルダー側からは6時半から21時半まで、テクセル島側からは6時から21時まで、1時間ごとに運行していています。

ただし日によって、利用者が多い時間帯(9時~16時頃)は30分ごとに 出航するなどの増便があります。フェリー会社TESOの公式サイトで事前に時刻表をご確認ください。

チケット購入と料金

チケットはTESOの公式サイト、またはデン・ヘルダーのフェリーターミナルの券売機で購入できます。往復チケットのみが販売されているため、テクセル島で復路のチケットを購入する必要はありません。

料金

      • 1人3ユーロ, 4歳未満無料
      • 自転車6ユーロ
      • 長さ6.5m未満の車両46.5ユーロ(金~月曜)/31ユーロ(火~木曜)

フェリー船内

フェリーには屋外デッキと屋内スペースがあり、サンドイッチやスープなどの軽食や飲み物が販売されています。トイレも完備されているので安心です。

座席は指定席ではないので、早い者勝ちです。私と友人は出港間際にターミナルに到着しましたが、自転車や車と乗船する人たちが多かったため、運よく先頭デッキのベンチに座ることができました。

フェリー船内からみる海の景色

この日は快晴でとても気持ちが良く、対岸にテクセル島がくっきりと望めました(上写真)。大型のフェリーがゆっくりと動き出すと、カモメが忙しく飛び交い、爽やかな北海の風を受けながら、20分ほどの船旅を楽しみました。

大自然の中でサイクリング

私と友人のプランは、サイクリングを楽しみながらの島巡りです。テクセル島のフェリーターミナルのすぐ隣にあるレンタサイクルで、事前に予約しておいた自転車をピックアップしました。

大自然の中で自転車 レンタサイクル

電動アシスト自転車のレンタル料金は1日27ユーロ、ギア付き自転車は1日12.5ユーロ、ヘルメットは1日3.5ユーロでした。

テクセル島には多くのサイクリングコースがあり、自転車専用レーンも充実しています。今回、私と友人はあえて詳細なルートを決めずに、気の赴くままにサイクリングを楽しみました。

1. 自然が広がる景勝地

自然が広がる景勝地

砂丘地帯から望むワッデン海、どこまでも続く北海の白砂のビーチ、のどかな牧草地、紫色の花で彩られたヒースの原野など、多様な景観を楽しむことができました。

ビーチでは凧揚げをしたり、キャンプをしたりと、みんなが思い思いに島の休日を満喫

ビーチでは凧揚げをしたり、キャンプをしたりと、みんなが思い思いに島の休日を満喫しています。

2. 個性豊かな街めぐり

テクセル島~広大な砂丘、漁港、風車、牧草地の羊たち

テクセル島には、行政と商業の中心地デン・ブルグ(Den Burg)をはじめ、ビーチリゾートとして賑わうデ・コーフ(De Koog)、田園地帯に佇む小さな村デ・ワール(De Waal)、伝統的な建築様式が残るオーステルエンド(Oosterend)など、個性豊かな街が点在しています。

漁村アウデスヒルト 博物館

1. 漁村アウデスヒルト(Oudeschild)には、北海の海底で発見された難破船やその積み荷などを展示する博物館『Museum Kaap Skil(ミュージアム・カープ・スキル)』があります。

2. 博物館の敷地内には風車もあり、その仕組みや歴史に関する展示を見学できます。毎週火曜日の午後と金曜日の午前中は製粉業者が作業を行っており、風向きが良ければ、回る風車の羽根を間近に見ることができます。

3. 豊かな生態系

羊の数が多く、羊の島と呼ばれる 羊と牧草地

テクセル島は人口よりも羊の数が多く、「羊の島」と呼ばれています。牧草地では羊がのんびりと草を食み、かつて家畜の飼料を保管するために使用されていた「羊小屋」も点在しています(上写真)。

「羊小屋」はまるで建物を半分にしたような不思議な形をしています。テクセル島では風が主に南西から吹くため、北東側を平らにして、羊のための風陰を作っているのだそうです。

渡り鳥

テクセル島の周囲に広がる干潟には、底生生物や甲殻類、魚類が生息し、それらを餌とする渡り鳥が、年間数百万羽飛来します。上の写真は、テクセル島で繁殖するヘラサギと、越冬のために飛来するコクガンの群れです。

砂丘地帯には数百種にのぼる野生植物が自生し、数多くの昆虫や、ノウサギやオコジョといった小動物の住処となっています。

アザラシに会えるEcomare 

世界遺産のワッデン海

ワッデン海は、オランダ、ドイツ、デンマークにまたがる世界最大の干潟でユネスコの世界遺産に登録されており、3カ国が協力して保護活動を行っています。

世界遺産のワッデン海

ワッデン海にはゼニガタアザラシやハイイロアザラシ、ネズミイルカなどの哺乳類や、渡り鳥をはじめとする数多くの動植物が生息しています。テクセル島では1952年からアザラシの保護が行われてきました。

アザラシ保護施設『Ecomare

Ecomare(エコマレ)』は、北海やワッデン海で傷ついたアザラシやイルカなどを保護し、治療とリハビリを行う施設です。回復した個体は野生に返されるのが基本方針です。

屋外のプールでは飼育員が1日に3回ほど餌やりショーを行い、アザラシたちの生態や、彼らが直面する脅威について説明します。

アザラシ保護施設『Ecomare』
<Photo: Ecomare>

動物保護の手順について学んだり、赤ちゃんアザラシの様子を覗いたり、プールにぷかぷかと浮かぶアザラシに癒されたり、想像以上に充実した施設でした。

テクセル砂丘国立公園

テクセル砂丘国立公園
<Photo: Nationaal Park Duinen van Texel>

Ecomareは、『テクセル砂丘国立公園』のビジターセンターも兼ねています。4,300ヘクタールに及ぶ国立公園には、砂丘やビーチ、森林、湿地帯が広がり、多様な動植物に出会えます

Ecomare(エコマレ)  

      • 所在地:Ruijslaan 92, 1796 AZ De Koog, Texel, The Netherlands
      • 電話:+31 (0)222 317 741        
      • 営業時間:9:30~17:00  
      • 定休日:12月25日と1月1日
      • 料金:大人16ユーロ, 4~18歳11ユーロ
      • 公式サイト:Ecomare

テクセル島のTESOフェリーターミナルからのアクセス:【バス】De Koog行きバス28系統で28分Ruijslaan-Ecomare下車徒歩6分/【自転車】約11kmのサイクリングコース(約44分)/【車】N501号線をDe Koog方向へ約12km(約16分)※無料駐車場有り

まとめ

テクセル島の南部

私と友人は今回、テクセル島の南部を巡り、その雄大な自然を眺め、いくつかの街を散策し、可愛らしいアザラシにも出会うことができました。快晴に恵まれ、とても気持ちの良いサイクリングでした。

次回はぜひ島の最北端にあるアイエルラントの灯台(上写真)まで足を伸ばし、展望デッキからからワッデン海を眺めてみたいです。また、今回のランチは砂丘でピクニックを楽しみましたが、次回は地元の魚介類やテクセル種のラム肉料理を味わおうと思っています。

島の地ビール「Texels」の醸造所や、羊農場、いちご狩りなど、テクセル島にはまだまだ訪れたい場所がたくさんあります。オランダの大自然の中で、サイクリングやバードウォッチング、ビーチリゾートを満喫したい方、牧歌的な風景の中をのんびりとり散策したい方は、ぜひテクセル島を訪れてみてください。

※施設の詳細やアクセス方法などの掲載内容は2025年9月時点のものです。最新情報については、必ず公式サイトなどでのご確認をお願いいたします。

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Kayo Temel

オランダ在住。アムステルダムの美術アカデミーで絵画を学び、イラストレーターとして活動中。20年の在蘭経験を活かして、オランダを満喫するためのローカルな情報をお届けします。

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