南カリフォルニアの隠れた宝石、ラグナビーチの神秘的な「潮溜まり」へ【アメリカ】

南カリフォルニア、オレンジカウンティに位置するラグナビーチ。美しいビーチと豊かなアートシーンで知られ、年間を通して多くの観光客で賑わいます。しかし、この街には、ガイドブックにはあまり載らない、地元の人々だけが知る特別な場所があります。

それは、潮が引いた時にだけ姿を現す、神秘的な「潮溜まり（タイドプール）」です。8月の後半から9月の初めにかけての夏の終わりは、南カリフォルニアの気候が最も穏やかで、夕暮れの時間が一段と美しくなる最高のシーズンです。

今回は、この時期だからこそ訪れたい、ラグナビーチの潮溜まりの魅力と、その楽しみ方をご紹介します。

＜Photo: Starboard Creek / unsplash＞

タイドプールとは、潮が引いた岩場に残された海水が作る小さな水たまりのことです。一見するとただの水たまりですが、そこには満潮時に取り残された、小さな海の生き物たちが暮らしています。

＜Photo: Richard Lin / unsplash＞

カニが岩の隙間をちょこまかと動き回ったり、カラフルなヒトデがじっと佇んでいたり、イソギンチャクがゆらゆらと揺れていたり。まるで、海の中の小さな水族館が、手の届くところに現れたかのようです。

特に、ラグナビーチの潮溜まりは、その透明度の高さと豊かな生態系で知られています。岩と岩の間に差し込む夕陽の光が水面に反射し、キラキラと輝く様子は、息をのむほどの美しさです。子供から大人まで、夢中になって生き物を観察できる、まさに自然の宝箱と言えるでしょう。

ラグナビーチには、いくつかの有名なタイドプールスポットがありますが、地元の人に人気なのは、少し歩いてたどり着くような、静かで隠れ家的な場所です。

1000 Steps Beachの潮溜まり: 有名なスポットではありますが、1000 Steps Beachの名の通り、急な階段を降りていく必要があるため、観光客の数が比較的少なく、ゆっくりと過ごすことができます。潮が引いた時に現れる岩場の造形美は、まさに自然が作り出したアート作品です。

＜Photo: Dan Meyers / unsplash＞

Shaws Coveの奥地: Shaws Coveは美しいビーチですが、その奥にある岩場には、人知れず美しい潮溜まりが隠されています。まるでプライベートビーチのような静けさの中で、潮溜まりを独り占めできるかもしれません。

Treasure Island Park下の岩場: ゲッティ美術館の別館を思わせる高級ホテル、モンタージュ・ラグーナビーチのすぐ下にあるこのエリアは、特に夕焼けが美しく、タイドプールと相まって幻想的な景色を作り出します。ロマンチックな時間を過ごしたい方には特におすすめです。

潮溜まりを楽しむためには、いくつかの注意点があります。

潮汐表の確認: タイドプールが現れるのは、潮が引いている時間帯だけです。訪問前には必ず「潮汐表（tide chart）」を確認し、干潮の時間に合わせて訪れましょう。

＜Photo: Tim Mossholder / unsplash＞

足元の安全確保: 岩場は濡れていて滑りやすいので、滑りにくい靴を履いていくことが大切です。ビーチサンダルではなく、サンダルやスニーカーなど、足が固定されるものが良いでしょう。

海の生き物を大切に: 潮溜まりは、小さな生き物たちの家です。生き物を捕まえたり、持ち帰ったりすることは絶対にしないでください。そっと観察するだけで、十分な感動を得ることができます。

＜Photo: 05_Brian Yurasits / unsplash＞

大自然の神秘と小さな生命の輝きが凝縮された、ラグナビーチの潮溜まり。夕暮れの光の中で、波の音を聞きながら、そこに暮らす生き物たちをそっと観察する時間は、都会の喧騒から離れた、特別な癒しを与えてくれます。

この夏の終わりに、南カリフォルニアのローカルが愛する隠れた宝石を探しに、ラグナビーチを訪れてみませんか？きっと、忘れられない思い出を作ることができるはずです。

「アメリカ」に興味わいてきた？あなたにおすすめの『アメリカ』旅行はこちら

Rankingアメリカ記事ランキング

SOLO: ビーチ、青空、パームツリーのカリフォルニアに憧れて20年前に単身渡米、ロサンゼルス郊外オレンジ・カウンティー在住のライターおよび編集者。エクササイズ、新しいレストラン巡り、パーティー好き。最近の趣味は30年ぶりに始めたサクソフォーン。