【実体験レポ】アメリカ出国前に要チェック!知っておきたい賢い空港の通過術

アメリカ在住の私は現在、日本に一時帰国中です。今回、日本への帰国の際に、ロサンゼルス空港で思わぬトラブルに遭遇しました。

その経験から、今後、アメリカの空港を利用する方に向けて、「TSA PreCheck」「Global Entry(グローバルエントリー)」「Clear(クリア)」の違いや、気をつけるべきポイントをまとめたいと思います。

パスポート
< 写真:Global Residence Index / unsplash >

目次

きっかけは「アメリカに戻る際の入国審査」

空港内
<写真: Phil Mosley / unsplash>

アメリカへの入国時、グリーンカード保持者である私は観光で入る方たちと同じで、アメリカ市民の列に並ぶことはできません。入国審査の列が非常に長い場合には、1時間以上待たされるのが当たり前という状況です。

それに加えて、ここ近年アメリカでは、外国人に対する入国審査が以前より厳しくなっているという話を耳にすることが増え、時間や手間への不安が募っていました。

それを受けて私は今回、「Global Entry(グローバルエントリー)」というものを取得することにしました。

このグローバルエントリーとは、米国入国時に有人ではなく、自動化ゲートを利用できるプログラムで、「TSA PreCheck」も自動的に付いてくる点が大きな魅力でした。

TSA PreCheckとは?

TSA PreCheckは、アメリカ国内の空港で実施されるセキュリティーチェックをスピーディーに通過できる制度です。

登録済みの利用者は、通常より短い専用レーンを使えるほか、「靴を脱がなくてよい」「ジャケットやベルトを外さなくてよい」「ラップトップ(ノートパソコン)をバッグから取り出す必要がない」など、地味に面倒なプロセスが大きく軽減されます。

グローバルエントリーに申し込めば、このTSA PreCheckの特典も自動的に付いてくるため、米国内外を頻繁に行き来する人には非常に利便性の高いプログラムなのです。

その特権が使えない...!?

搭乗受付
<写真:Edwin Petrus / unsplash>

いざ出発当日。空港に到着し、意気揚々とTSA PreCheckのレーンに向かったところ、係員に「あなたはPreCheckの対象ではありません」と言われてしまい、通常の長い行列に並ばされることに...。

「え? 私、グローバルエントリー持っているんですけど」と交渉したのですが、「キミの搭乗券には、それが反映されていないからダメなんだよ」とのことでした。

グローバルエントリーを取得した際、そのステータスはパスポートに紐づいているからと説明を受けていたので、パスポートさえ持っていればOKだと思い込んでいたのですが、それだけでは不十分で、TSA PreCheckのステータスが自動的には航空券には反映されないのだと。

正しく使うには、自分の航空会社アカウントに「KTN(Known Traveler Number)」というものを事前に登録しておく必要があるのだそうです。

空港で見かけた「Clear」って何?

もうひとつ、空港のセキュリティーの列で見かけた「Clear(クリア)」という謎の専用レーン。見た目はTSA PreCheckと似ていて、ぱっと見は「通常の列」「クリアの列」「TSA PreCheckの列」の3種類があるように見えます。そして、係員に案内されて「クリアの列」へとスイスイ通っている人もいました。

急いでその場でChatGPTに聞いてみると、「クリア」は民間企業が提供するバイオメトリック認証(指紋や虹彩)による本人確認高速化サービスなのだとか。

TSA PreCheckやグローバルエントリーとはまったく別のサービスで、本人確認のステップをすっ飛ばして荷物検査に直行できるという仕組みとのことです。

TSA PreCheckと併用すれば最強の時短コンボになる、忙しい現代人には実に魅力的なサービスに聞こえますが、実は注意すべき点もあります。

ちょっと注意が必要かも

空港掲示板
<写真:Jeshoots Com / unsplash >

空港だけでなく、ショッピングモールなどでクリアのスタッフに「ちょっと試してみませんか?」と声をかけられることが最近増えてきています。実はこれ、無料トライアルの後、自動課金されるシステムになっています。

別の日に、空港で私と同じようにTSA Pre Checkに並ばせてもらえなかった友人は、この「クリア」の列に行けばすんなり通してくれるのかな?と思い係の人に話しかけてみると、「そう、これに登録すれば、あなたもスムーズに通れるわよ」とのご案内があり、あれよ、あれよ、といううちに個人情報を入力させられて、クレジットカードの番号まで取られてしまったのだとか。

しかも、年会費は約189ドル(約3万円)と決して安くはありません。

もちろん、出張や旅行で頻繁に空港を利用する方にはとても便利なサービスだと思いますが、「よくわからないけど、おすすめされたから登録しちゃった」という流れで後悔しないよう、事前に仕組みを理解してから利用することが大切です。

サービス比較まとめ

空港サービスの比較

賢く使えば、空港のストレスは大幅に減らせる!

飛行の機内
<写真: Omar Prestwich / unsplash>

今回の教訓は、「グローバルエントリーやTSA PreCheckを取得しても、設定を正しくしていなければ意味がない」ということでした。また、クリアというサービスについても、仕組みを知らずに登録してしまうと、後で驚くことになるかもしれません。

もしあなたもアメリカの空港を利用する予定があるなら、これらのサービスを上手に使いこなすことが、快適な出国・入国のカギになると思います。ぜひ参考になさってくださいね!

※グローバルエントリーについてのANA情報

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ビーチ、青空、パームツリーのカリフォルニアに憧れて20年前に単身渡米、ロサンゼルス郊外オレンジ・カウンティー在住のライターおよび編集者。エクササイズ、新しいレストラン巡り、パーティー好き。最近の趣味は30年ぶりに始めたサクソフォーン。

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