小笠原諸島のベストシーズンは? 季節ごとの見どころや気候の特徴など

小笠原諸島に旅行してみたいものの、いつがベストシーズンなのか気になっているという方もいるのではないでしょうか。小笠原諸島ではハイキング・トレッキングやマリンスポーツ、ホエールウォッチングなどさまざまなアクティビティが体験できるため、やってみたいことに合わせて旅行する時期を選ぶことがおすすめです。

この記事では、小笠原諸島への行き方や各シーズンの気温、天気、アクティビティごとのベストシーズンを解説します。

目次

<1. 小笠原諸島の島ごとの違いは? 観光で行くならどの島?>

<2. 小笠原諸島への行き方>

<3. 気温、天気をもとにした小笠原諸島のベストシーズン>

<4. ハイキング・トレッキングを楽しみたい場合の小笠原諸島ベストシーズン>

<5. マリンスポーツを楽しみたい場合の小笠原諸島ベストシーズン>

<6. 星空やナイトツアーを楽しみたい場合の小笠原諸島ベストシーズン>

<7. ホエールウォッチングしたい場合の小笠原諸島ベストシーズン>

<8. 小笠原諸島に行ってみませんか?>

1. 小笠原諸島の島ごとの違いは? 観光で行くならどの島?

小笠原諸島は本州の南方約1,000キロメートルほど離れた場所にある複数の島の総称です。大きく小笠原群島、硫黄列島および西之島、国境の島に分けられます。

小笠原群島は、父島列島・母島列島が含まれるエリアで、小笠原諸島観光で訪れることができる一般的な旅行先です。硫黄列島には北硫黄島、硫黄島、南硫黄島が含まれます。硫黄列島および西之島は観光で行くことができません。国境の島は小笠原諸島に含まれているものの、南鳥島は日本最東端、沖ノ鳥島は日本最南端に位置し、小笠原群島や硫黄列島とは離れています。

小笠原群島と硫黄列島はともに、亜熱帯性の高温多湿な気候です。小笠原群島に含まれる父島や母島などは近い位置にあるため、島ごとの気候に大きな違いはありません。

2. 小笠原諸島への行き方

おがさわら丸

小笠原諸島への行き方は、船で渡航する方法のみです。東京都の竹芝客船ターミナルから出航する定期船「おがさわら丸」や、船のツアーとして日本各地の港から出航するクルーズ客船などで小笠原諸島にアクセスできます。

「おがさわら丸」の行き先は小笠原諸島の父島で、渡航時間は24時間ほどです。母島に行きたい場合は、父島から「ははじま丸」に乗ってさらに2時間ほどかかります。「おがさわら丸」はおよそ1週間に1便の頻度で竹芝客船ターミナルを出発しています。

竹芝客船ターミナルには、JR浜松町駅やゆりかもめ竹芝駅、地下鉄大門駅などから徒歩でアクセスが可能です。チケットは「おがさわら丸」を運行する小笠原海運の電話窓口やホームページなどから予約できます。出港当日は、遅くても出港時間の30分前には竹芝客船ターミナルのチェックインカウンターで手続きを行い、待合室で乗船のアナウンスを待ちましょう。「おがさわら丸」の船内には客室やシャワー室、売店、レストランなどが揃っています。出発から24時間を船内で過ごせば、小笠原諸島の父島に到着です。

父島と母島を行き来する「ははじま丸」の本数は、週に3便~4便ほどです。「ははじま丸」のチケットは、乗船1時間前から窓口で購入できます。小笠原諸島観光で母島にも訪れたい場合は、「ははじま丸」の時刻表を確認した上でスケジュールを組みましょう。

小笠原諸島へ向かう定期船は、気象状況によって運休になる場合もあります。9月から10月ごろにかけての台風シーズンは定期船が出ない可能性があるためご注意ください。また、1月下旬から2月にかけて船の整備が行われることもあるため、詳しい運航スケジュールは乗りたい船の運営会社のホームページなどで確認しましょう。

3. 気温、天気をもとにした小笠原諸島のベストシーズン

小笠原諸島の自然やアクティビティを楽しむなら、気温や天気が良い時期を選びたいものです。小笠原諸島の気候の特徴として、年間を通じて温暖なことや、降水量が多いことなどが挙げられます。

その中でも特に、小笠原諸島に訪れるのに適している時期は、気候が比較的安定している3月~5月ごろや7月~8月ごろです。ただし、小笠原諸島は季節によって異なる楽しみ方ができます。そのため、各シーズンの気候の特徴を押さえて渡航時期を選ぶことがおすすめです。ここでは、小笠原諸島の中でも観光の中心である父島・母島周辺の気候について、季節ごとに解説します。

春(4月~6月)

トビウオを追うカツオドリ

4月は過ごしやすい気候で、晴れた日には半袖Tシャツでも快適に過ごせるようになります。ただし、冷たい北西風が強く吹くこともあるため、寒暖差に対応できる服装がおすすめです。春はザトウクジラが見られるピークから終盤の時期で、運が良ければ海上でその姿が見られることもあります。また、小笠原諸島の無人島である南島でカツオドリなどの海鳥が見られるのもこの時期です。

5月のゴールデンウィークを過ぎると、ザトウクジラのウォッチングシーズンが終わり、穏やかな外洋に出てマッコウクジラを探しに行ける時期になります。ゴールデンウィークから6月半ばごろまでは雨が多く、山ではガスがかかりやすくなるため、トレッキングを楽しむ際には視界や足元に注意が必要です。6月半ば以降は晴れ間も増え、日差しが強くなるため、半袖など夏らしい服装で観光できるようになります。

  • 春の小笠原諸島(父島)の平均気温/21.1~26.2℃
  • 春の小笠原諸島(父島)の平均降水量/111.8 ~151.9mm

※気象庁の平年値による平均気温、月降水量を参照(他季節も同)

夏(7月~8月)

小笠原諸島のスキューバダイビング

7月~8月は年間を通じて最も気温が高くなる時期です。夜でもタンクトップや半袖で過ごせるくらいの気温になりますが、日中は日差しが強いため十分な日焼け対策をしましょう。日焼け止めや帽子、サングラスなどのグッズが必須です。また、晴れた日でも一時的にスコールが降ることがあるため、雨具を用意しておくと安心です。

また、暑い夏の時期は水温も高く、さまざまな海のアクティビティが楽しめます。海水浴やシーカヤック、スキューバダイビングなどに適したシーズンです。海で遊ぶ際は、ラッシュガードを着るなどの日焼け対策もお忘れなく。

気温が高いこの時期には、「小笠原神社例大祭」や「サマーフェスティバル」などのイベントが開催されます。盆踊りや花火大会など、夏の風物詩を満喫しましょう。ウミガメ放流や野外映画会、夜の浜辺での星空観賞なども夏の小笠原諸島ならではのイベントです。

  • 夏の小笠原諸島(父島)の平均気温/27.7~28.0℃
  • 夏の小笠原諸島(父島)の平均降水量/79.5~123.3mm

秋(9月~11月)

父島中央山展望台

9月以降は太平洋高気圧の勢力が弱まる傾向があり、小笠原諸島に台風が接近しやすくなります。気温は夏と比べて下がってくるものの、9月中はまだ暑い日も残り、天候が良ければ海で泳ぐことも可能です。9月の後半から、日差しが穏やかになってきます。

10月も台風が比較的多い時期です。10月半ば以降は朝晩が涼しい秋らしい日が増えます。水温は多少下がりますが、まだマリンスポーツは十分に楽しめます。マッコウクジラを見られる機会が増えることも、この時期の特徴です。

11月からは気温が下がり、半袖では寒い日が増えてくるため、羽織れる衣類を用意しておくことがおすすめです。また、秋雨で濡れてしまわないように、雨具や速乾性のある服なども準備しましょう。日差しが弱まり涼しくなる11月半ば以降は、ハイキングやトレッキングに適しています。

  • 秋の小笠原諸島(父島)の平均気温/23.8~27.7℃
  • 秋の小笠原諸島(父島)の平均降水量/136.1~144.2mm

冬(12月~3月)

小笠原諸島ホエールウォッチング

12月からは北風が強くなり、体感温度が低く感じられる日が増えてきます。特に、早朝や夜は寒くなるため、厚手の衣類や長袖・長ズボンなどを用意しておくことがおすすめです。

1月1日には、父島と母島で日本一早い海開きが行われます。ただし、冬の間はまだ水温が低く水着でのマリンアクティビティには向いていません。海に入る場合は、ドライスーツやウェットスーツなど防寒性の高いウェアを着用しましょう。

2月から3月はザトウクジラがよく見られるようになる時期です。山歩きの途中で、遠くの海を泳ぐザトウクジラを見つけられる可能性もあります。真っ赤な花を咲かせるデイゴもこの時期の小笠原諸島の見どころです。3月はまだ涼しいものの、日差しが強くなり始めます。特に、ホエールウォッチングの最中は直射日光を浴びやすいため、日焼け止め対策が必須です。

  • 冬の小笠原諸島(父島)の平均気温/18.1~20.6℃
  • 冬の小笠原諸島(父島)の平均降水量/51.6~103.3mm

4. ハイキング・トレッキングを楽しみたい場合の小笠原諸島ベストシーズン

父島ハートロックからの眺め

小笠原諸島は世界自然遺産にも登録された独自の自然環境が特徴の島で、ハイキングやトレッキングを通じてその魅力を満喫できます。小笠原諸島でハイキングやトレッキングを楽しむなら、冬から初夏(12月~5月)ごろまでの時期がベストシーズンです。この時期は真夏のような強い日差しがなく比較的涼しいため、陸でのアクティビティを快適に楽しめます。また、この時期にさまざまな植物が見られることもハイキングやトレッキングに適している理由です。

父島には歩きやすいルートがいくつかあり、初心者の方でも無理なくハイキングを楽しめます。道中ではマルハチやタコノキなど、小笠原固有の植物が見られるでしょう。小笠原諸島には常緑の植物が多いものの、季節によっては紅葉や種類の異なる花などが見られることも魅力です。

父島のハートロック(千尋岩)や、母島の乳房山などでは本格的なトレッキングが楽しめます。ハートロックは海側から見るとハート形に見える切り立った断崖が特徴の場所で、片道2~3時間ほどの山道でのトレッキングが可能です。母島の乳房山は標高463mで、小笠原諸島の有人島では最高峰となります。トレッキングのコースでは固有の生き物や植物が見られ、山頂からの360度のパノラマは絶景です。

5. マリンスポーツを楽しみたい場合の小笠原諸島ベストシーズン

ドルフィンスイム

透明度の高い海や豊かな自然環境が特徴の小笠原諸島では、さまざまなマリンスポーツが楽しめます。海でできる主なアクティビティは、シュノーケリングやスキューバダイビング、ドルフィンスイム、シーカヤック、SUP(スタンドアップパドルボード)などです。どのマリンスポーツを楽しみたいかによって、ベストシーズンが変わります。

シュノーケリングは、初心者でも気軽に楽しめるマリンスポーツです。浜辺に近い浅瀬でも、色とりどりの魚やサンゴが間近で見られます。父島の境浦や宮の浜、母島の北港などさまざまなスポットでシュノーケリングを楽しむことが可能です。シュノーケリングは、海水温が比較的高く、台風シーズン前で海況も穏やかな7月~8月ごろがベストシーズンとなっています。

スキューバダイビングは、シュノーケリングよりも深い場所で海の生物たちに出会えるアクティビティです。小笠原諸島でスキューバダイビングが楽しめる主なスポットには、父島のドブ磯や二見港、閂(かんぬき)ロックなどがあります。また、母島や、父島の北にある聟島(むこじま)、嫁島(よめじま)もダイビングポイントです。

スキューバダイビングは通年楽しめますが、時期によって見られる生物が異なります。たとえば、イソマグロの回遊が見られる聟島・嫁島周辺でのダイビングなら5月から9月ごろがベストシーズンです。秋から冬にかけては、ウシバナトビエイやギンガメアジの群れと遭遇しやすいシーズンとなっています。潜りたいスポットや見たい景色によって時期を選ぶことがおすすめです。

野生のイルカと泳げるドルフィンスイムは、通年を通して楽しめます。ベストシーズンは、海況が安定していてイルカとも比較的出会いやすい6月~8月ごろです。シーカヤックやSUPなど、海上から小笠原の自然を満喫できるマリンスポーツも通年楽しめますが、気温が高い夏の時期だとより快適です。

6. 星空やナイトツアーを楽しみたい場合の小笠原諸島ベストシーズン

小笠原諸島星空

人工的な光が少ない小笠原諸島では、夜になると満天の星空が見られます。星空は晴れている日であれば通年見ることが可能です。どのような星が見えるかは時期によって変わります。

たとえば、7月~8月ごろは天の川や夏の大三角形をはじめとした星座が綺麗に見られるシーズンです。1月~2月ごろは、最も明るい一等星して知られるおおいぬ座のシリウスを含む冬の大三角形が見られます。夏・冬は春・秋と比べると派手な星座が多いため、星空をメインに楽しみたい方には7月~8月、または1月~2月がベストシーズンです。星空を眺めるのにおすすめのスポットとして、父島のウェザーステーション展望台や、街明かりの届かないビーチなどが挙げられます。

小笠原諸島でナイトツアーを楽しむなら、5月~11月ごろがベストシーズンです。この時期には、夜間に緑色に発光する「グリーンペペ」というきのこや、天然記念物として指定されている「オガサワラオオコウモリ」などに出会える可能性があります。波の音が聞こえる中で、昼間とは違った神秘的な夜の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

7. ホエールウォッチングしたい場合の小笠原諸島ベストシーズン

ホエールウォッチング

小笠原諸島でホエールウォッチングを楽しむ場合のベストシーズンは、ザトウクジラが比較的見つかりやすい2月~4月と、マッコウクジラが見つかりやすい5月~11月ごろです。

小型船などで海上に出て間近でクジラを見たい場合は、父島周辺の海域でのホエールウォッチングが適しています。「ブリーチング」と呼ばれる迫力あるジャンプや、尾びれを高く掲げる姿が見られるでしょう。

また、海上だけでなく陸にもホエールウォッチングを楽しめるスポットがいくつかあります。主なスポットは父島のウェザーステーション展望台です。双眼鏡を使って沖を泳ぐクジラを眺められるため、船酔いが心配な方でも安心して楽しめます。

8. 小笠原諸島に行ってみませんか?

おがさわら丸デッキからの眺め

壮大な自然や深く青い海、「東洋のガラパゴス」とも呼ばれる個性的な動植物に出会える小笠原諸島。一年を通して温暖な気候で、さまざまなアクティビティが楽しめる小笠原諸島は、ゆったりとした時間を楽しみたい方にぴったりな場所です。

小笠原諸島へのアクセス方法は、定期船「おがさわら丸」やツアー船などの海路のみで、東京からは片道24時間ほどの船旅となります。この移動時間も含めてのんびり過ごすのも小笠原旅行の楽しみ方の1つです。

小笠原諸島に行くならツアーの利用が便利です。一般的には、5泊6日でのツアーが多くなっています。ツアーの内容によっては、ガイド付きでしか入れない父島近くにある無人島「南島」にも上陸できる場合があります。また、父島での滞在や母島への移動などがスムーズにできることも、ツアーならではのポイントです。ハイキング・トレッキングやナイトツアー、マリンスポーツなどさまざまなアクティビティを楽しめるツアーがあるため、ぜひ興味のあるツアーを見つけてください。

<時間と費用>(目安)

  • 渡航時間:片道約24時間(東京都~小笠原諸島)
  • 旅行日数:6日間
  • ツアー費用:約330,000円~約421,000円

>>小笠原諸島のツアーを探す(外部サイトへリンクします)

今回ご紹介したように、小笠原諸島は時期によってさまざまな体験ができます。行ってみたいシーズンは見つかりましたか。ぜひ、お好きな時期に小笠原諸島への旅行をお楽しみください。

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