【檜原村・井上食品】こんにゃく嫌いの子供が「おいしい!」と言った昔ながらの製法で作ったこんにゃく

井上食品 こんにゃく

東京都で唯一の村(島除く)である檜原(ひのはら)村に「バッタ練り」という昔ながらの製法でこんにゃくを作り続けている会社があります。

それが「井上食品」です。

看板

工場
<井上食品の工場内部>

こちらをご覧ください。

こんにゃく芋

これが "こんにゃく芋" です。

こんにゃくはこの芋から作られます。

ただし、現在スーパーで売られているようなこんにゃくのほとんどはこの芋を製粉したから作っています。

井上食品では、粉ではなく生の芋からこんにゃくを作っています。

生の芋からこんにゃくを作るには、粉を固めて作るより約3倍の手間と時間がかかるのだそうです。

そしてこんにゃく芋を育てるのに3年かかるのだとか。

育ったこんにゃく芋を冬に凍みないように一度掘り起こして保存し、温かくなったらまた植えなおす、それを2回繰り返してようやくこんにゃくが作れるのだとか。

3年かけて育てたこんにゃく芋をすりおろし、それを練り上げていくのがバッタ練り製法です。

バッタ練り製法とは

動かすとバッタンバッタンと音がするところから「バッタ式練り機」と言われています。

バッタ式練り機

写真の黒丸で囲ってあるのがバッタ式練り機です。

この中ですりおろしたこんにゃく芋を練りこんでいきます。

バッタ式IMG_0921.jpg

すり下ろしたこんにゃく芋がバッタ式練り機に入っていく様子です。

この後、練り機がぐるぐる回ってバッタンバッタンと練られていきます。

例えるならドラム式洗濯機の動きに似ているかもしれません。

その動きの中でこんにゃく芋の中に空気が入って気泡ができます。

それが独特の食感を生むのです。

そして気泡に味がしみこみ、おいしいこんにゃく料理ができるのです。

これが粉を水で溶いて固めたこんにゃくとの大きな違いです。

今は電動ですが、昔はこの練り機は足で動かしていたそうです。

昔は、このバッタ式でこんにゃくを作っていたところがたくさんあったそうですが、製造技術が簡略化、効率化され、現在の粉から作るこんにゃくが主流になりました。

手間はかかるが昔ながらの美味しいこんにゃくができると聞いて、あちこちからこの芋から作り、バッタ練り製法を見て「これはいい、うちもこれでやろう」という会社はあるそうですが、実際にやってみると続かないのだとか。「こんな大変なやり方、うちではとてもやってられない」となるそうなのです。

なぜこんにゃくを作り始めたのか

創業者の井上庄明さんがこんにゃく作りを始めて約60年。

昔この辺りは農業が中心でした。 

井上さんは、地域(こども、若者)のために現金収入を得られる仕事を作りたかったそうです。

それでこんにゃく製造に乗り出したのだとか。

社長
<井上食品の現社長の井上文喜さん>

生こんにゃくのおさしみをいただきました。

さしみこんにゃく

ぷるんぷるんです。じゅわ~っと口の中でほどけていきます。スーパーで売っているこんにゃくとはまったく別物でした。

食感を楽しむためにこんにゃくを大きく切ることがコツだそうです。

そして、今回の訪問に備えて井上社長自ら作ってくださった煮こんにゃく。

煮こんにゃく

これがまたうまかった!

バッタ式で寝られこんにゃくにしっかり気泡が生まれ、そこに出汁が染みこんで、絶妙の舌ざわり。

味付けは市販の麵つゆで煮ただけなのだとか。

こんなにおいしいこんにゃくを生まれて初めて食べました。

こんにゃくの概念が変わりました。

あなたもぜひ一度味わってみてください。

【井上食品の基本情報】

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シンジーノ

3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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