オーベルジュとは何のこと? 意味やホテルとの違い、有名なオーベルジュなど

オーベルジュとは何のこと? 意味やホテルとの違い、有名なオーベルジュなど

食を楽しむ旅に人気が集まる中、注目度が高まっているのが「オーベルジュ」。オーベルジュは「宿泊施設を備えたレストラン」のことで、その土地の新鮮な食材を使った料理を楽しむことを目的とした施設です。

オーベルジュの特徴やホテルとの違い、オーベルジュの利用方法などについて、日本の有名なオーベルジュの紹介も交えて解説します。

目次

<1. オーベルジュとは>

<2. オーベルジュの特徴>

<3. ホテルとオーベルジュの違いは?>

<4. オーベルジュの利用方法>

<5. 日本の有名なオーベルジュ>

1. オーベルジュとは

「オーベルジュ」とは、「宿泊施設を備えたレストラン」のこと。おもに自然に囲まれた地方や郊外にあり、地元の食材を使った、その土地ならではの料理が楽しめる施設をいいます。

オーベルジュ発祥の地であるフランスの郊外には、土地の食材を生かした料理を提供するレストランがたくさんあります。美食を求めて車で遠路はるばる訪れたお客に、料理とワインを存分に楽しんでもらおうと、レストランが泊まれる場所を用意したのがオーベルジュの始まりだといわれています。

2. オーベルジュの特徴

一口に「オーベルジュ」といっても施設によってさまざまですが、一般的に次のような特徴が挙げられます。

宿泊施設ではなくレストランがメイン

一般的なホテルはあくまでも宿泊施設がメインであるのに対して、オーベルジュはレストランが主体になっています。レストランと宿泊施設の両方にこだわっているオーベルジュも増えていますが、本来、オーベルジュ滞在の主目的は、その土地でしか味わえないこだわりの料理を楽しむこと。「レストランがある宿泊施設」ではなく「泊まれるレストラン」なのです。

そのため、オーベルジュは料理人がオーナー(支配人)であることが多く、「いかに食事を楽しんでもらうか」に重点を置いて、施設やサービスをつくっています。最近は総合的な満足度向上を図るため、宿泊施設にも力を入れているオーベルジュも増えているものの、客室をあえてレストランより簡素にしているオーベルジュもあります。

自然豊かな環境にある

フランス発祥のオーベルジュはもともと、土地の食材を新鮮なうちに仕入れたいシェフが郊外にレストランを開き、遠路はるばる訪れたお客が泊まれるようにしたのがはじまりです。そのような背景もあり、その土地の新鮮な食材を使った料理を、現地の空気を感じながら味わうのがオーベルジュの醍醐味。そのため、オーベルジュの多くは食材が豊富な、自然豊かな環境に位置しています。

フレンチ(フランス料理)が多い

もともとフランス発祥であることから、日本にあるオーベルジュもフランス料理を提供する施設が多い傾向にあります。ただ、近年はオーベルジュで味わえる食のジャンルも多様化していて、和食やイタリア料理が楽しめるオーベルジュや、日本やアジアの食材や調理法を採り入れた、創作フレンチを提供しているオーベルジュもあります。

3. ホテルとオーベルジュの違いは?

ホテルと混同されることも多いオーベルジュですが、ホテルとオーベルジュはそもそも滞在の主目的が異なるため、過ごし方なども変わってきます。ただし、最近では、高級ホテルのような客室を備えたオーベルジュも増えてきており、ホテルとオーベルジュの境界は必ずしも明確ではありません。

楽しみ方の違い

前述の通り、ホテルは宿泊施設がメイン、オーベルジュはレストランがメインという違いがあります。

ホテルに泊まる場合、食事は外で済ませることも珍しくありませんが、オーベルジュは館内で食事を楽しむことが大前提です。オーベルジュといってもさまざまなので、食事なしの素泊まりが可能なオーベルジュもありますが、オーベルジュに宿泊する場合は夕・朝食の2食付きが基本。オーベルジュではゆっくりと食事を楽しむことから、一般的なホテルに泊まる場合に比べ、施設内で過ごす時間が長くなる傾向にあります。

かかる料金の違い

ホテルにもさまざまなランクがあるように、オーベルジュにも高級な施設とリーズナブルな施設があり、料金は千差万別です。

とはいえ、オーベルジュでの宿泊は夕・朝の2食付きを基本としているため、同ランクのホテルに食事なしで泊まった場合に比べると、オーベルジュのほうが料金が高くなる可能性が高いでしょう。

ドレスコードの違い

ホテル同様、オーベルジュにも高級な施設とカジュアルな施設があるので、ドレスコードの有無や内容は施設によって異なります。

ただ、自然豊かな環境にある施設が多いこともあって、厳格なドレスコードを設けている施設は少数派です。ドレスコードがあっても「スマートカジュアル」のようにゆるやかなルールにとどめている施設が多く、決まったドレスコードがない施設も少なくありません。ドレスコードがない施設でも、自分らしさを大事にしつつ、場の雰囲気に合うようなおしゃれをすることを意識すれば、オーベルジュでの時間がより充実したものになるでしょう。

4. オーベルジュの利用方法

オーベルジュを始めて利用する際などに、あらかじめ知っておきたいことをいくつかご紹介します。

公式サイト等で予約する

宿泊の場合、公式サイトやホテル予約サイト、電話などで宿泊予約をします。ごく小規模なオーベルジュは公式サイトや電話でしか予約を受け付けていないこともありますが、オーベルジュの多くは大手ホテル予約サイトでも予約を受け付けています。

オーベルジュは1泊2食付きを基本のプランとしている施設が多いため、宿泊プランに食事も含まれていることがほとんど。ただし、素泊まりや朝食のみのプランを提供しているオーベルジュもあるため、食事内容に間違いがないか確認した上で予約するようにしましょう。

予約時に夕食時間を選択することも

夕食の時間は施設によって一斉スタートの場合と、2部制などを取って時間を分散させている場合があります。食事時間が複数設けられているオーベルジュの場合、予約時に希望の食事時間を選択できる施設もあれば、当日チェックイン順に食事時間が決まる施設もあります。

リクエストや相談は前もってするのがおすすめ

必ずしも要望が通るとは限りませんが、アレルギーや好き嫌いで食材や調理法に配慮が必要な場合、予約時などに前もって伝えておくのが無難です。お祝いやプロポーズなどで利用する場合も、事前に相談しておくといいでしょう。同伴者との関係や利用の目的がわかっていれば、スタッフもそれに合わせたおもてなしがしやすくなります。

食事のみの利用はできる?

オーベルジュの多くはレストランのみの利用も受け入れているため、宿泊なしでも利用できる場合がほとんどです。ただし、食事のみの場合でも予約が必要な施設が多いため、宿泊の有無にかかわらず、必ず予約してから足を運ぶようにしましょう。

5. 日本の有名なオーベルジュ

オーベルジュの魅力を知って、オーベルジュを利用してみたくなった人も多いのではないでしょうか。日本各地に個性豊かなオーベルジュが点在しています。ここでは代表的なオーベルジュとして3施設をご紹介します。

オーベルジュ箱根フォンテーヌ・ブロー仙石亭(神奈川県)

オーベルジュ箱根フォンテーヌ・ブロー仙石亭
<写真提供:オーベルジュ箱根フォンテーヌ・ブロー仙石亭>

※料理写真はイメージです。旬の食材を使用するため、メニュー内容は日によって異なります。

箱根・仙石原の閑静な別荘地にたたずむ「オーベルジュ箱根フォンテーヌ・ブロー仙石亭」は、「フランス料理の温泉宿」としての魅力を持つ施設。フォンテーヌ・ブロー仙石亭のオーナーシェフで、元帝国ホテル料理人の斎藤厚男氏が日本人として心からくつろげる滞在のあり方を考え、「外からの癒し」と「内からの和み」が重なり合う、全室展望露天風呂付きの本格フレンチのオーベルジュを誕生させました。

料理のコンセプトは「内から和む伝統のフレンチ」。育ちの良い食材とフランス料理の伝統技法を大切に、四季の恵みを味わう日本ならではのフルコースは、移ろう季節の風情を素直に受け入れる日本人の美徳が詰まっています。

大涌谷温泉かけ流しの展望露天風呂が備わる客室も、「オーベルジュ箱根フォンテーヌ・ブロー仙石亭」のお楽しみ。富士の溶岩石でできた露天風呂、琉球畳のフロアを備えた客室、チーク家具や美しいタイルを合わせたオリエンタルな雰囲気の客室など、個性豊かな全12室顔ぶれに、選ぶ楽しみも広がります。

Auberge フレンチの森(兵庫県)

Auberge フレンチの森
<写真提供:Auberge フレンチの森>

※料理写真は『La Rose』のコースのイメージです。旬の食材を使用するため、メニュー内容は日によって異なります。

「Auberge フレンチの森」は、瀬戸内海に浮かぶ淡路島に2021年にオープンしたオーベルジュ。淡路島北部、豊かな森が広がる山の上に、フランス3つ星レストランにて研鑽を積んだ一流シェフによるフレンチ×和のフュージョン料理が楽しめる『La Rose(ラ・ローズ)』、バスク地方の伝統料理と融合した新感覚フレンチを提供する『Prince Etoile(プランス・エトワール)』、素材の特徴を最大限に生かしたフレンチ×イタリアンが味わえる『Grand Baobab(グランド・バオバブ)』の3つのレストラン棟があり、棟ごとに異なるテーマで淡路島の食材の魅力を引き出した本格フランス料理が楽しめます。

クラシカルな壁紙やアンティーク家具で調えられた客室は、フランスの邸宅を思わせるエレガントな空間。各部屋には爽やかな香りに癒されるヒノキ風呂が設置されており、淡路島の美しい景観や小鳥のさえずりなどを楽しみながら、自然と一体になる優雅な時間が過ごせます。

オーベルジュ楓乃木(大分県)

オーベルジュ楓乃木
<写真提供:オーベルジュ楓乃木>

※料理写真はイメージです。旬の食材を使用しているため、メニュー内容は日によって異なります。

「オーベルジュ楓乃木(ふうのき)」は、日本三大紅葉名所のひとつとして知られる、大分県の耶馬渓にある和の趣漂うオーベルジュ。大自然に囲まれた約6万平米の広大な敷地の中に、木造平屋建ての純和風建築が立ち、その周りを自然のままの巨石と森が取り囲んでいます。

深耶馬溪の巨石と自然が楽しめるレストランは、ヨーロッパの山荘風の空間。フランスの美食の街・リヨンなどで修業を積んだシェフが生み出すオリジナルの本格フレンチ「耶馬渓キュイジーヌ」が味わえます。

中庭を囲むように設けられた客室はわずか7室とあって、隠れ家的ムード満点。いずれも二間続きの離れで、窓辺に座るとまるで自然に包まれているような気分になれるはずです。巨石に囲まれた野趣溢れる露天風呂では、自然が奏でる心地よい音を愛でながら、源泉100%かけ流しの耶馬渓温泉に癒されるひとときが楽しめます。

その土地の旬の食材を使った料理や自然と親しめるようにつくられたオーベルジュは、どれもが個性豊か。オーベルジュに滞在すれば、食を通してその地域の魅力をより深く味わえるのではないでしょうか。

関連記事

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

旅の基本情報お届け部

旅が「楽しく」「お得に」「快適に」なる情報をお伝えします!

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!