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Part2:ロシアで食べられている料理って、おいしいの?【スープ編】
<トップ画像:スズダリのレストランで食べたサリャンカ>
こんにちは。モスクワ在住のチェブラーシカです。
前回に引き続き、ロシアで食べられているスープを紹介します。
前回の記事を見て早速スープを作ってみたという方もいたので、今回も家庭で食べられているスープや郷土料理のほか、夏限定のスープも張り切って紹介していきます。
前回の記事:Part1:ロシアで食べられている料理って、おいしいの?【スープ編】
目次
- 1. キノコのスープ грибной суп
- 2. ラッソーリニク рассольник
- 3. サリャンカ солянка
- 4. スイバのスープ щавелевый суп
- 5. 魚のスープ рыбный суп
- 6. チーズのスープ сырный суп
- 7. マハン:カルムィク共和国の郷土料理 махан
- 8. 肉団子のスープ суп с фрикадельками
- 9. アクローシュカ окрошка
- 10. スヴェコーリニク свекольник
- 番外編 スープ皿
1. キノコのスープ грибной суп
ロシアといえば、キノコの種類が豊富です。義理の父は、毎年森へキノコ狩りに行って、保存食にしています。
<義母作>
キノコのブイヨンをとり、
炒めた玉ねぎと人参、ジャガイモ、ラプシャという麺を入れます。味付けは塩、胡椒です。食べるときは、お好みでサワークリームを加えるとより一層おいしくなります。
2. ラッソーリニク рассольник
ラッソーリニクは、キュウリのピクルスのスープです。
<義母作>
ピクルスをスープに入れることに驚きましたが、ピクルスの酸味がいい感じです。我が家で作る時は、麦も入れるので、お腹が膨れます。
3. サリャンカ солянка
キュウリのピクルスとオリーブとレモンの酸味がきいたスープです。
<筆者作>
私が作った時に使った材料は、これです。
日本では、写真の左端にあるサーロ(сало:脂身)が手に入りにくいので、それを使わずに作れば、何とか作ることができます。
4. スイバのスープ щавелевый суп
ロシアでは、5月から、ダーチャ(別荘)で野菜を作る家庭がたくさんあります。そして、週末にダーチャで野菜がとれ過ぎたときに、近所におすそわけをする場合があります。
我が家には、ダーチャは、ありませんが、向かいの家のダーチャでたくさんスイバがとれたようで、ドアノブにぶら下がっていたことがありました。
<義理の妹作>
いかにも緑黄色野菜ですよといった感じの濃い緑色のスープです。そのため、『緑のシー(зелёные щи)』とよばれることもあります。
ゆで卵はお皿に盛り付けるときに入れて食べます。
5. 魚のスープ рыбный суп
魚のスープの1つにウハー(уха)があります。
レストランで、ウハーを頼むと、ウォッカと一緒に出てくることが多く、「ウォッカをスープに少し入れて食べてください」と言われます。
義母に作り方を訊いたときも材料にウォッカが出てきました。
ウハーは、湖や川でとれた魚を使ったスープなので、我が家では、正式なウハーを作ったことはありません。
サバの缶詰や
<義母作>
イワシの缶詰
<義母作>
イワシの小魚の缶詰を使って、
<義母作>
短時間で作れる魚のスープを義母がよく作ります。ちなみに、イワシは、ロシア語でもイワシ(иваси)です。日本語からロシア語になりました。
義理の妹が作っていて、おいしそうだなあと思った魚のスープもあります。
<筆者作>
これは、鮭か鱒の切り身を買ってきて、切り身を丸ごと鍋に入れ、玉ねぎと人参の皮をむき、丸ごと鍋に入れます。人参が柔らかくなるまで煮て、その後、野菜を取り出して、食べやすい大きさに切って、鍋に戻してできあがりです。これは、日本にある食材でもできるので、おすすめです。切り身でなく、魚のあらで作れば、安上がりです。
モスクワは、海まで遠い(直線距離で約700km離れている)ので、生魚は高く、節約上手な義母は絶対に作りません。近所のスーパーの魚売り場では水槽の中で魚が泳いでいて、その日の朝にさばいて店頭で売られるので、新鮮で生臭くなく、とてもおいしいです。
6. チーズのスープсырный суп
子どもたちが喜んで食べるチーズのスープです。
<義母作>
ハム入りプロセスチーズが売られていて、それを仕上げに入れます。
仕上がりのイメージは、とろみがないクリームシチューです。
7. マハン:カルムィク共和国の郷土料理махан
ロシア南部にカルムィク共和国という仏教徒が多く住んでいる地域があります。お寺と大仏もあります。ここは、もともとモンゴル人が移り住んできた土地でもあるので、羊の肉をよく食べます。
マハンというスープがあります。
<筆者作>
材料はこちらです。
骨付きの羊肉を買ってきて、塊のまま鍋に入れて、ブイヨンをとること2,3時間。その後、半分に切った玉ねぎを入れ、4等分に切ったジャガイモを入れて、野菜が柔らかくなるまで、さらに、茹でます。塩、胡椒で味を調えて、できあがりです。
ソビエト時代は羊の肉が一番安く売られていたようですが、現在は、高めです。イスラム教徒が肉を購入する専門店がありますが、そこに行くと、斧で豪快に羊肉をさばいて、塊で売ってくれます。
8. 肉団子のスープсуп с фрикадельками
肉団子入りのスープです。
<義母作>
スーパーに、すでに団子になったものが売られているので、それを買ってくれば、短時間で調理できます。もちろん、ひき肉を買ってきて、それを団子にしてから作ることもできます。さらに、自宅で肉を挽いてそれから団子を作って、スープにする場合もあります。
このスープは、日本にある材料で作ることができます。
9. アクローシュカокрошка
夏限定のスープもあります。
クワス(квас:黒パンを発酵させた飲み物)を使ったアクローシュカというスープです。
<筆者作>
私が作った時の材料は、ゆで卵、丸ごと茹でたジャガイモ、ラディッシュ、キュウリ、ハム、ネギ、ディル、クワスです。
私も日本の両親もクワスが大好きですが、多くの日本人は、クワスの好き嫌いが分かれます。そのため、クワスが好きでない方は、アクローシュカには、挑戦しない方が無難です。
しかし、クワスが好きな方は、夏の旅行時にアクローシュカがあれば、現地の味を試してみてください。
日本で、アクローシュカを作ろうとすると、クワス作りからしないとならないので大変です。もし、アクローシュカが気に入って、日本でも作りたい場合は、旅行時に、スーパーでクワスのペットボトルを買って持ち帰れば、日本のご自宅でもアクローシュカを作ることができます。
地域によっては、クワスでなく、ケフィール(кефир)という発酵乳を使う場合もあります。ケフィールの粉は日本でも売られているので、それを牛乳パックに入れて、発酵させれば、ケフィールを作ることができ、ケフィールのアクローシュカを作ることができます。
10. スヴェコーリニクсвекольник
もともとは、ポーランドやリトアニアの料理です。
<筆者作>
私は、日本の猛暑の夏に、ものすごく気に入り、毎日のように作って食べた年がありました。おいしくてよかったのですが、体重がものすごく増えました。
材料は、ビーツ、酢、キュウリ、ゆで卵、サワークリームです。
番外編 スープ皿
スープを作る時は、大鍋で作り、その後、冷蔵庫で保管します。翌日以降は、大鍋から1人分をホーローのスープ皿に移し、それをコンロで温めて、食べます。
その時に大活躍するのが、この1人分のスープ皿(ミースカ:миска)です。
温め終わったら、そのままテーブルに置いて、食べることができるので、洗い物が増えないのがいいです。
我が家にあるのは、ソビエト時代に作られたものなので、今も売られているのか調べました。0.4Lサイズのものは、現在、ケメロヴォ州の会社で作っていますが、ネット販売が中心です。旅行中に購入するのは難しいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
ロシアのスープの全てを紹介しきれていませんが、旅行中にこれらのスープに出会ったら試してみてください。また、日本でも作れそうなスープもあるので、自宅で作ってロシア旅行気分を楽しんでください。
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チェブラーシカ
- 高校3年生の時に好きになったロシア。音楽、文学、歴史、美術、バレエ、料理、ロシア人気質などに興味をもちました。でも、ロシア語を専門に学んだことはありません。ロシアが好きでいろいろ知るうちに、2016年12月にロシア人男性と結婚し、2017年4月からロシアに住むことになりました。普通のガイドブックには載っていない情報をお届けします。