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群馬県で生まれたいちご「やよいひめ」はすごかった!
こんにちは!
たびこふれ編集部のシンジーノです。
あなたはいちごは好きですか?
日本のいちご生産量第一位は栃木県で、以下福岡県、熊本県、佐賀県と続きます。
今回、群馬県生まれの「やよいひめ」という品種のいちごを知りました。
全国的知名度はそれほどでもないかもしれませんが、粒の大きさ、甘みと酸味のバランスの良さ、形の美しさ、旬の長さ(12~5月)などとても質の高いいちごであることを知りました。
「やよいひめ」をもっと知ってもらいたいと企画されたモニターツアーに参加し、やよいひめのすごさを実感してきましたので、ご紹介します。
目次
やよいひめとは
「やよいひめ」は群馬県生まれのいちごで2005年に品種登録されました。
<粒が大きいのが特徴のやよいひめ>
「とねほっぺ」に「とちおとめ」を交配したものを育成し、それにさらに「とねほっぺ」を掛け合わせて誕生しました。
やよいひめの特徴としては、
- 大粒
- 濃い甘みとまろやかな酸味のバランスが良い
- きれいな円錐形をしている
- オレンジがかった明るい赤色
- 果肉はかたく、輸送しても傷みにくくスイーツ作りにも適している
- 普通いちごは3月以降暖かくなると品質が落ちる傾向があるが、やよいひめは5月頃まで旬の時期が続く→これが名前の由来にもなっている
群馬県内各地で栽培されていますが、藤岡市の生産量が一番多い。
いちご摘み体験
藤岡市にあるいちご農園「Frutti Rossi(フルッティ ロッシ)」でいちご摘み体験をしました。
フルッティ ロッシのやよいひめは「食べチョク いちご博2024」で見事金賞(酸味と甘みのバランス部)に輝きました。
>>食べチョク いちご博2024の受賞商品発表の記事はこちら
フルッティ ロッシは元々いちご農家ではなく、家業はLPガスの卸業をされています。
農園主の柴山さんは、ウエディングプランナーとして働いていましたが、藤岡市の農家の方々の高齢化、農業担い手不足などの実情を知り、地域農業の活性化のために自分にもなにかできないかといちご作りを決断されたそうです。
農園名「Frutti Rossi(フルッティ ロッシ)」はイタリア語で赤い果実という意味だそうです。
フルッティ ロッシのめざすものは「人と地球に優しい農産物の生産」です。
- 高設栽培に使用する土はいちご育成に最適になるようにブレンドしたものを使用
- ハウス内に最新のIOT技術を導入し、光合成を最大限促進するよう自動環境制御
- 農薬だけに頼らず、害虫を駆除する天敵農法を導入
- 植物性酵素肥料で健康で病害虫に強いいちご作り
- クリーンエネルギー(LPガス)使用により、重油や灯油に比べ約15%の温室効果ガス排出削減
科学とITを活用し、これからの農業の羅針盤となる経営を目指しておられます。
認定農業者「ぐんまエコファーマー」に令和5年度に認定されています。
高設栽培の為、しゃがんで低い姿勢で栽培しなくて良いのが最大のメリットです。
実際、摘み取り体験もとても楽でした。
ではハウス内の様子を動画でご覧ください。
粒が大きく、形が良い、やよいひめの一番の特徴です。
摘み取りの時は、色で判断するのがコツだそうです。ヘタ付近まで鮮やかな赤になっているものが摘み頃なのだとか。
やよいひめの断面。形の美しさがよくわかります。身がしっかりしているので切りやすく、ケーキなどスイーツ作りに適しています。
ビニールのパックに収まりきらないほどの大きさです。果皮もつやつやで見るからに美味しそう。
藤岡市のふるさと納税の返礼品としてもフルッティ ロッシのやよいひめが採用されています。宝石箱のようですね。
粒が大きいのがやよいひめの特徴ですが、右のように粒が大きくないものでも甘みと酸味のバランスがとても良いそうです。
現在は規模も小さく一般客向けの「いちご摘み取り体験」は始めておられないのですが、藤岡インターそばの藤岡市農園団地に大きい新ハウスを建設中で(2024年の12月にはオープン予定)来シーズンには摘み取り体験ができるようになる計画です。
フルッティ ロッシはいちご栽培の他にキッチンカーもやられています。そこで作っているのがこちら。
いちごスムージー(650円)です。使っている食材と材料はこちら。
添加物不使用、いちごの素材を最大限に活かした自然の甘さで、飲んでみた印象は思ったよりすっきりさっぱり。
体に優しい沁みとおるようなフレッシュな美味しさでした。
ふじおか やよいひめ 苺フェス2024の様子
2024年2月4日に藤岡市にある道の駅「ららん藤岡」に於いて「ふじおか やよいひめ 苺フェス」が開催されました。
昨年に続いて2回目の開催です。
昨年はあまりの人気で開始1時間で売り切れてしまったほどの盛況だったそうです。
ららん藤岡とは
群馬県南西部に位置する道の駅。
上信越自動車道藤岡ICに隣接し、「藤岡パーキングエリア」からも、一般道路からもアクセスが可能なショッピング施設です
子どもたちの遊び場「噴水広場」を中心に農産物直売所、お土産・飲食店や、当施設のシンボル観覧車のあるミニ遊園地など18店舗の専門店が並びます。
ららん藤岡のネーミングの由来は藤岡市の特産「ラン」とららら~♪と楽しく過ごせる場所という意味から来ているそうです。
<ららん藤岡内の農産物直売所とレストラン>
<ららん藤岡のミニ遊園地>
苺フェス前日のららん藤岡の風景。この広場を囲むように17の店舗が並びます。
苺フェスは2月4日(日)10時~14時に開催されました。当日のオープン30分前にはすでに各店舗に行列ができていました。
続々と人が集まってきています。
オープン後30分にはこの賑わいでした。
私も10個のスイーツをいただきましたのでご紹介します(価格はすべて税込み)。
手作りパン工房 CoConoaの「いちごのきもち」350円。
ふわふわのパンの中はイチゴジャムと生クリームとやよいひめ。ぎゅうひで覆われており、サイズも大きくて食べ応え充分でしたが、甘すぎずぎゅうひの食感ももちふわでぺろっといけました。
パティスリーアン(右側)のマカロンフレーズ(500円)
写真映えする姿です。
皮(コック)がしっとりねっとりとマカロンらしいコクのある味わいで、これぞ「スイーツ!」という存在感をだしています。
酸味もしっかり効いていて、いちごとマカロンの相性の良さを感じました。
景気屋笑売ウエイブの「苺のお城ショートケーキ」(680円)
ショートケーキといえばいちごですよね。私が生まれてこれまで食べてきたいちごのショートケーキの中で一番美味しかったです。
ふんだんないちごの量、酸味とのバランス、生クリームのきめの細かさ、コク、旨み、スポンジケーキのふわふわ感、軽さ。。。
すべての面において秀逸なケーキでした。
パティスリーFの「苺純生ロール」(1カット430円)。
ボリュームはありますが軽くてふわふわ。甘さもあっさりしていて食べやすかったです。
Serendipの群馬ファーマーズプリン「やよい姫」(500円)。
ゼリーとプリンがドッキングしており、この組み合わせは初めてでしたが、食感も見た目も100点です。
甘みの強いやよいひめと甘さ控えめのプリンとゼリーのコンビネーションも絶妙です。
ここからはスイーツ写真のみですが、ご紹介します。
まずは虎屋本店の「やよいひめクリームどら焼き」(380円)。
生地がふわふわしていて軽め。どら焼きというとどっしり重い印象がありますが、甘すぎず、いちごの酸味もあって食べやすくあっさりしていました。
続いてOHANA Cake'sの「いちごティラミス」(600円)。
チーズケーキみたいな濃厚さを醸しつつ、甘さ控えめで酸味とのバランスもよく、良い意味で重くないティラミスでした。
次は、なんもく村のちょっとしたcafeの「ショートケーキ」(500円)。
いちごももちろん美味しかったのですが、このショートケーキの特徴は茶色いスポンジケーキではないでしょうか。
これまで食べたことのない深み、旨みというか、まろみというか。。。
Facebookで拝見したら「沖縄の伊江島黒糖を使った優しい甘さで、生地にはこの地域の平飼い卵を使い、生クリームは北海道産純生クリームを使用」と書いてありました。
>>なんもく村のちょっとしたcafeの公式Facebookはこちら
他にはない忘れられない味という不思議なショートケーキでした。
どんどん参りましょう、カフェ ラスパイユの「いちごぜんざい」(600円)。
いちご、白玉、生クリーム、あんこ、そして1番下にコーヒーゼリーが入っていました。
コーヒーゼリーのほろ苦さがあんこ、生クリーム、いちごの甘さと調和し和洋両方の味を楽しめるユニークなスイーツでした。
今回食べたスイーツの最後は、パティスリーブランシールさんの「やよいひめコルネ」(300円)。
私が見た限り、パティスリーブランシールさんに一番長い行列ができていたように思いました。
いちごの酸味を効かせたさっぱりめのクリームとサクサクのパイ生地がベストマッチング。
いや~いちごってそのまま食べてももちろん美味しいですが、いちご独特の酸味と甘みがスイーツとの相性ばっちりだということを改めて感じました。
いちご大福つつみ体験イベント
フェスでは「いちご大福つつみ体験」(体験無料。整理券制)のイベントが行われていましたのでやってみました。
材料はいちごとお餅とあんこと生クリーム。
いちごのヘタを取り、お餅にあんこを乗せてその上にいちごを刺し、真ん中に軽く生クリームを絞ります。
あとはお餅の両側を持ち上げて包んで出来上がり!
こちらが完成形です。無料なので正直あまり期待していませんでしたが、お餅がぷにぷに、いちごも甘く、とてもおいしいいちご大福でした。
フェス開催時間内にアンケートに答えた方先着100名にやよいひめ苺グミがプレゼントされていました。
いちごスイーツ作り体験
今回のモニターツアーは、1泊2日で宿泊は藤岡市鬼石(おにし)地区の鬼石観光ホテルにお世話になりました。
ホテルの広間で、いちごスイーツ作り体験と間伐材を使ったフォーク作り体験をしました。
いちごスイーツ作り体験
スイーツ作りといってもシフォンケーキを切って中に生クリームといちごを入れるだけという超簡単な体験でした笑。
これが出来上がりの姿です。
生クリーム好きの私はさらに追いクリーム笑。
食べてみた感想は「おいしい!」のひとこと。
特にシフォンケーキが軽くてふわふわ絹のような食感で、すごく美味しかったです。
このシフォンケーキ、地元で有名な「ばあばのシフォン」のものです。
ひとつひとつ手作りで愛情たっぷりのシフォンケーキはいちごとの相性もばっちりでした。
間伐材を使ったフォーク作り
鬼石地区には紅葉と冬桜が楽しめる桜山公園という花の名所があるのですが、そこで間伐された木材を使ってフォークを作りました。
材料はヒノキの間伐材、カッターナイフ、粗さの違う紙やすり。体験ではフォークの柄の部分を削って作ります。
カッターでえんぴつを削るように、削っていきます。フォークの柄のお尻の丸い部分を形よく作っていきます。
集中して口数が少なくなっていきます笑。
30分くらいでできあがりました。フォークの金属部分を埋め込んで紙やすりで磨きあげます。
どうですか、柄の丸い部分がなかなかいい感じじゃないでしょうか。
ヒノキは木材の中では柔らかいので削りやすいのですが、それでもしっかり力を入れて削り込んでいくとかなりの達成感がありました。
仕上げはエゴマ油を柄に染み込ませて完成です。
自分が作ったと思うと愛着が湧きます。先ほど作ったいちごのシフォンケーキもこのフォークで食べました。
鬼石観光ホテル
今回宿泊したのが鬼石観光ホテルです。
建物自体は正直年季が入っていて昭和レトロムード満点のホテルでしたが、山間部なので周りは静かで館内はゆったり。
ソフト面(おもてなし、食事、お風呂)が優しく温かく、好感が持てるくつろぎのお宿でした。
こちらが夕食膳です。
さらに鬼石地区の郷土料理である「とっちゃ投げ汁」を振舞っていただきました。
とっちゃ投げ汁とは?
このユニークなネーミングの由来は2つあるそうです。
ひとつは小麦に水を入れて練って作ったすいとんの生地を「取っては投げる(入れる)」が訛ったという説。
もうひとつは「父ちゃんが鍋をかき混ぜながら料理をする」という意味の「とっちゃんなべ」から派生したという説です。
<とっちゃ投げ汁>
ひとことでいうとすいとん汁ですが、すいとん自体がとても美味しい。さすが小麦粉王国群馬!素朴で温まるこの地域ならではの郷土料理です。
また夕食膳で感動したのがこちら。
なんだかわかりますか?これはふきのとうご飯です。
ふきのとうというと春先3月くらいでは?と思いましたが、この辺りでは既に採れるそうです。
ふきのとう独特の山菜の香り。単にふきのとうを入れて炊きこんだだけではなく、バターと塩コショウが効いていて、最高のごちそうでした。
こういう旬の食材を使った料理、嬉しいですね。
こちらは朝食膳。
おひつでご飯が供され、自分で好きなだけよそって食べるのですが、おひつを開けた時の炊きたてのごはんの美味しい香り。
朝から3膳もお代わりしてしまいました。
昨夜のふきのとうご飯しかり、炊き立ての白米しかり。
単に料理の品数を多くする、ということではなく、宿から泊まり客への心からのおもてなしの気持ちが伝わってきました。
群馬県で生まれたいちご「やよいひめ」の魅力まとめ
いかがだったでしょうか。
正直、今回のお話を聞いた時、「はぁ、群馬県でいちごですか。。。」と思いました。
群馬県のいちご収穫量は全国で13位。微妙です。
群馬生まれの「やよいひめ」と聞いても。。。と半信半疑で向かいましたが、やよいひめの質の高さに驚きました。
やよいひめは群馬で生まれ、今では全国で作られているそうです。
群馬県内では南部に位置する藤岡市が一番収穫量が多い。
藤岡は晴天率が高く、日照量が多いということもいちご栽培の好条件なのだとか。
ららん藤岡での「ふじおか やよいひめ 苺フェス2024」での賑わい、フルッティロッソの柴山さんのようにもともと農家ではない人たちが地域を活性化させるために立ち上がり、頑張っておられる姿に感銘を受けました。
「ふじおか やよいひめ 苺フェス2024」の来場者の多くは群馬県及び近郊の人たちが90%で、まだまだ全国的にはメジャーではありません。
藤岡は群馬県でも南部に位置し、首都圏からも近いので、もっと知られるようになると良いなと感じました。
しかし今回改めて感じましたが、日本のいちごは美味しいですね。
モニターツアーには台湾から若い女性が来ていましたが、日本のいちごはすごく美味しいと言っていました。
世界的に見るといちご生産量の1位は中国、アメリカ、トルコと続いて日本は11位。
しかし、美味しさでは日本のいちごは世界一ではないかと思います。
がんばれ、日本のいちご! がんばれ群馬のやよいひめ!
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。