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【群馬県】藤岡市鬼石(おにし)地域の森林体験で川上から川下へのメッセージを受けた
群馬県鬼石(おにし)地域の県立桜山公園は国の名勝及び天然記念物に指定されている冬桜の名所です。
春と秋から冬の年2回、桜のお花見が楽しめます。
今回、冬桜以外のこの地域の魅力である、森林空間を体験するイベントに参加してきました。
このイベントの主旨について主催者から次のようにに伺いました。
「山(過疎地域)を守るために、外から人が来てもらえるかを考えています。昨今、地方では移住者を増やすことに懸命になっているが、その前に先ずはこの地に足を運んでもらい、何かを感じてもらいたい、。そのために様々な体験コンテンツの開発や磨き上げに挑戦しています。」と。
地元の人たちの、山への深い愛情や問題意識を熱く感じましたのでご紹介します。
目次
- 群馬県藤岡市 鬼石地区とは?
- 森林体験その1 森林の中を歩く
- 森林体験その2 森の教室とコーヒーブレーク
- 森林体験その3 伐採見学と丸太倒し体験
- 森林体験その4 間伐材活用体験~マイ箸作り
- 森林体験その5 冬桜植樹体験
- 鬼石地域の魅力 その他(北限みかん、桜山公園で出会った人)
- 鬼石地域の森林体験で感じたこと
群馬県藤岡市 鬼石地区とは?
元は群馬県多野郡鬼石町でしたが、2006年1月1日に藤岡市に編入されました。人口は約5,500人。関越自動車道本庄児玉ICから車で約30分、上信越自動車道藤岡ICから車で約30分。神流町や秩父市などに隣接している群馬県の南部に位置しています。
そんな鬼石地域の森の中を歩きながら、今回はインストラクターさんについていただき、間伐、植樹、箸作りを体験しました。
「知らなかった~」ということがたくさんあって、とても貴重な経験となりました。
森林体験その1 森林の中を歩く
森の中に入り、間伐の現場までずんずん歩いていきます。
歩きながら木々の解説や、手入れされた森と手入れされていない森の違いなどを学びます。
植林された人工林は100メートル四方に約3,000本の間隔で真っすぐに育ちます。
手を入れていない(間材をしていない)森は陽がほとんど当たらず、枯れた木も目立って、まるで森が死んでいるように見えました。
インストラクターさんから、森の歩き方を教えてもらいました。
- 小股で真下に足を置きながら歩く
- 急な斜面は前かがみにならないようにできるだけ身体を真っすぐに起こして歩く
- のがコツだそうです。
毎日、森の中を歩いているプロの方のアドバイスは「さすが!」でした。
森林体験その2 森の教室とコーヒーブレイク
森の中で、日本の森の現状や未来に向けてのこの土地の取り組みなどを学びます。
机上ではなく、実際に森の中で話を聞きましたので説得力がありました。
とても印象に残った言葉があります。
今の取り組みは50年後の先を見据えていること。
そして、今は50年前の取り組みの成果をいただいていること。
この森を50年先も守り続ける今やらなければならないこと、それは、まもり、つくり、つなぐことだそうです。
そのために「伐採・加工・販売・植樹」など、暮らしの中で木を使い、木と過ごすことで未来を創ることができる、と仰っていました。
目先の利益だけではなく、次世代のことを考えながら営んでいる林業組合の人たちの働きぶりに大変感銘を受けました。
前橋工科大学が開発した移動式カウンターでコーヒーをいただきました。
こんな森の奥まで運べる手軽さと見た目の頑丈さは驚きました。
森の中で飲む、入れたてのコーヒーのなんと美味しかったことか!
森林体験その3 伐採見学と丸太倒し体験
チェーンソーで伐採されるシーンを真近で見ました。
生まれて初めての体験でした!大迫力です。
また林業に携わる方の服装、とてもカラフルでかっこよかったです。
そして伐採した木を倒す時も、山や人を傷つけないようにとても慎重な作業だったことに驚きました。
倒す方向、場所への安全確認など実に様々な手順がありました。
森を守るというのは、こういうことなんだなと改めて感じました。
森林体験その4 間伐材活用体験~マイ箸作り
間伐した木も有効活用されています。
その一つが箸作りです。
先ほどの木の伐採の様子を思い浮かべながら、マイ箸つくりに挑戦しました。
道具はデザインカッターとサンドペーパーだけでただひたすら黙々と作業していきます。
思わず無言で集中してしまい、黙々と削っていき、あっという間に時間が過ぎました。
どうでしょうか。味のある手作り箸ができたと思います(自画自賛笑)
忘れかけていた童心に戻ったようで楽しいひと時でした。
森林体験その5 冬桜植樹体験
桜の植樹も体験させてもらいました。
現在、桜山には約7,000本の冬桜があり、地元でも冬桜を10,000本にしたい、と目指しているそうです。
今回、私は英国の冬桜「アコーレット」のいう品種を植えました。
名前入りの木札をつけさせてもらいましたので「マイ冬桜」として、定期的に見に来ようと思っています。
鬼石地域の魅力その他(みかん、桜山公園)
森林体験以外に鬼石地域のことを2つご紹介します。
みかんの北限を目指して
みかんというと和歌山県とか愛媛県が浮かぶかもしれませんが、みかんが育つ北限が群馬県なのだそうです。
鬼石地域の桜山の中腹にはたくさんのみかん農園が点在しています。
群馬県でもこの桜山エリアは、日当たりが良い斜面で色濃く熟したみかんが育つのだそうです。
燦燦と降り注ぐ太陽の光を浴びたみかんは、甘くジューシーでとても美味しかったです。
そのみかんを使った加工品も商品化されているそうです。
そのひとつがこちら。
地元で有名なシフォンケーキに、生クリームと桜山みかんを挟んだスイーツは超絶の美味しさでした!
桜山公園での出会い
桜山公園は、鬼石地域一番の観光名所です。
桜と紅葉が一度に見られる、一粒で二度美味しい公園です。
展望台や山頂からは絶景をぐるり見渡すことができます。
桜山公園の駐車場にある「ふるさと亭」の飯塚さんです。
桜山の一角を所有されており、原木しいたけを栽培され、このふるさと亭でも販売されています。
とても明るく元気なお人柄で、おもわずサービスしてくれそうな雰囲気でした(笑)。
飯塚さんは、今後新たな事業も構想されておられるそうです。
例えば、しいたけの菌を植える体験、自分が植えたしいたけが収穫されたら、自宅に送られるという体験プログラムや、
「桜山にセルフキャンプ場を作る」といった構想です。
※セルフキャンプとは制約
これから桜山はまだまだ発展していきそうな予感がしました。
鬼石地域の森林体験で感じたこと
体験の最後に、美味しい汁(とっちゃなげ汁)をいただきました。
外で食べた体が温まる汁は何よりのごちそうでした。ありがとうございます。
日本は国土の2/3が森林と言われています。
そんな緑豊かな国に生まれ育った者として、今回の体験は人生観を変えるほどの貴重な機会でした。
またこれからの日本の森林に大きな可能性も感じました。
主催者の方が仰っていた森林への取り組みのコンセプト「川上から川下へのメッセージ」を確かに受け取りました。
この記事を読んでご興味を持たれた方は以下までお問合せください。
【今回の森林体験プログラムに関する問い合わせ先】
藤岡三波川森林空間サービス協議会
- 住所:〒370-1406 群馬県藤岡市浄法寺105(八塩温泉・鬼石観光ホテル内)
- 電話:0274-52-4143
- 担当:堀口・新井
- Email:yashio.spa.onishi@nifty.com
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