【神奈川】私の真夏の鎌倉 大人な旅 名刹とグルメを求めて

仏足石

夏真っ盛りの8月上旬に鎌倉のお寺を2つ訪問しました。日中の気温が35度を超える猛暑日ではありましたが、北鎌倉にある浄智寺と浄智寺に隣接する「たからの庭・たからの窯」、そしてあじさいの咲くお寺として有名な長谷寺を巡りました。

途中、お昼ご飯と夕ご飯は少し奮発して大人な値段のお店を利用しました。

今回の旅は、「大人な旅」を目指しました。

鎌倉を訪れる時期については、もう少し涼しくなってからでもいいかなとも思ったのですが、この時期に行って正解でした。

では、「真夏の大人な鎌倉旅」にみなさまお付き合いください。

目次

蝉の鳴き声が境内の森に響く浄智寺

浄智寺

JR横須賀線の北鎌倉駅を降りて、東南方向(鎌倉方面)へ500mほど進んだところに浄智寺があります。北鎌倉駅には有名な円覚寺がすぐ近くにありますが、その参道を脇に見ながら進んでゆきます。

北鎌倉駅で電車を降りた観光客はほとんどが円覚寺へと向かいますが、今日の自分は他の人とは違うんだぞと心の中で思いつつ・・・。しばらく歩いて横須賀線の踏切の少し手前にお寺の入り口がありました。そちらの道へ曲がると正面に境内の大きな森が目に入ります。

浄智寺

寶所在近(ほうしょざいきん)の文字が掲げられた総門がまず目に入ってきて、手前には鎌倉十井に数えられる甘露の井がある橋を渡ります。甘露の井は蜜のように甘く、仏徳で授かる霊水で不老不死の功徳があると言われているそうです。(現在は飲用されてません)

鐘楼門

拝観受付を済ませると鐘楼門を潜ります。

鐘楼門は鐘つき堂を兼ねた山門で、1階は山門、2階には花頭窓という窓と梵鐘が下げられています。

鐘楼門には「山居幽勝」の額が掲げられています。ここまで来ると、別世界にやってきた感じが胸の中に広がってきます。

布袋尊

鎌倉七福神のひとつである布袋尊(ほていそん)が境内にありました。

お腹を撫でると元気がもらえると言われています。たくさんの参拝者に撫でられたのでしょうね、お腹はとてもツルツルとしていましたよ。

茅葺屋根

茶室がありました。茅葺屋根が印象的でした。

井戸

甘露の井と同じ水が出る井戸がありました。真夏なのにとても冷たくて気持ちのいい井戸水でした。この形の井戸は私が子どもだった〇十年前は日常の中にありましたけど、郷愁を誘います。

曇華殿

曇華殿と呼ばれる仏殿です。

御本尊は室町期作の木像三世仏坐像で県指定の重要文化財なんだそうです。

竹林

苔生した岩と石仏がある竹林を涼しい風が吹き抜けていました。

平日に訪れましたが、思ったほどに参拝者がいなかったのでゆっくり参拝できました。

お寺全体が背の高い木に覆われているせいかとても涼しく感じましたし、現世を離れた世界にいるように錯覚するほど非日常な気分になるお寺でした。

臨済宗円覚寺派 金寶山 浄智寺

閑静な雰囲気のたからの窯とたからの庭

茶室宝庵

浄智寺から表通りとは反対に更に奥へと進むと「茶室宝庵」と書かれた看板と純和風な門がある場所にやってきました。

たからの庭

こちらは築80年の古民家にレンガの煙突と陶芸窯のある小屋がある「たからの庭」と呼ばれるところです。

陶芸や料理教室など「鎌倉らしいライフスタイルに出会える癒しの場所」だそうで、敷地面積はあるブログ記事によると400〜500坪だそうです、アバウトですね(笑)

週末限定のカフェや、陶芸、レンタルスペースなどさまざまな活用ができるスペースになっています。

陶芸体験ができる

こちらの窯では陶芸体験ができるようです(※要予約)。

煙突

レンガの煙突がありました。使っているかどうかは不明。

茶室

宝庵と呼ばれる茶室です。

この日はプライベートな茶会が行われていましたが、通常は非公開で月に1回公開日があるそうです。

文人ジャーナリスト関口泰氏が昭和9(1934)年に建てたそうです。設計は、戦前日本におけるモダニズム建築運動リーダーの山口文象氏だそうです。

浄智寺とたからの庭、真夏の青空を木々のベールが覆うとても不思議な空間でした。都会の喧騒を忘れさせてくれる異空間、私の心にはそのように映りました。

まさに大人な空間でした。

たからの窯とたからの庭

茶室 宝庵 ※宝庵は通常非公開です

外国人に大人気!鎌倉の海を見下ろす高台にある長谷寺

長谷寺

長谷寺へは、江ノ電の愛称で親しまれている江ノ島電鉄のローカル電車に乗り、長谷駅を目指します。

長谷駅を降りると踏切を渡らずに右手へ進み長谷観音前交差点を左に曲がると正面に長谷寺の赤い提灯が見えてきます。長谷駅からの距離はおよそ400mです。ちなみに、長谷観音前交差点をそのまま直進すると鎌倉大仏で有名な高徳院があります。

見晴台
<見晴らし台からの眺め>

長谷寺は標高100mほどの鎌倉山といわれる丘陵の東側の際に建っています。

私が訪れた時間は夕方近かったので境内の木々と丘陵の崖の陰になっていて比較的過ごしやすいコンディションでした。また、海から吹き上げてくる風がとても心地よかったです。

長谷寺は、四季を通じて花が絶えることのない「鎌倉の西方極楽浄土」と呼ばれ、眺望散策路に上がると遠く相模湾の眺望と共に40種類2,500株の紫陽花が梅雨の季節には咲き誇り、鎌倉でも有数の景勝地といわれています。

本堂
<本堂(観音堂)>

十一面観音菩薩が収められています。

鐘楼
<鐘楼>

こちらの梵鐘は昭和59(1984)年に新鋳されたものですが、宝物館には文永元(1264)年鋳造で国重要文化財に指定されている鐘が収められています。

梵鐘と鳥居のコントラストが見事で、大勢の外国人が写真を撮っていました。

かきがら稲荷
<かきがら稲荷>

鐘楼の近くにたくさんの牡蠣の貝殻が絵馬のように並んでいました。

それぞれの貝殻に思い思いの願い事が書かれていました。なぜ牡蠣なんだろうと帰宅後に調べましたところ、海に流されたご本尊に牡蠣が付着し岸へとお導きしたという話が伝えられていて、その牡蠣殻をお祀りしているそうです。なるほど、海がある鎌倉ならではの話ですね。

地蔵堂

地蔵堂
<地蔵堂>

子安・繁栄のご利益をお授けする「福寿地蔵」が安置され、周囲には千体地蔵が並べられていました。

卍池
<卍(まんじ)池>

卍とは、仏教やヒンドゥー教において、幸運や吉兆を象徴する意味で用いられる表現だそうです。

書院と枯山水庭園

書院と枯山水庭園

書院と枯山水庭園
<書院と枯山水庭園>

こちらは比較的新しい平成25(2013)年に写経場として竣工された書院に枯山水庭園です。

写経は予約が必要ですが、庭園は自由に見学することができました。

ここは境内の広さからするとそれほど大きくはないのですが、とても大きな世界観が詰まっているように感じました。

なごみ地蔵
<なごみ地蔵>

SNSなどでよく見かけますね。意外とその大きさに驚きました。

ぜひ、実物をご覧いただきたいと思います。

民宿
<門前のレトロな建物の民宿>

参拝を終えて周囲に目を向けるとレトロな雰囲気の民宿がありました。しかも営業していました。

お寺があって、周囲の風景があって、町全体がひとつの風景となっていました。

私は東京に住んでいながら、鎌倉のお寺へは20年ぶりくらいの参拝でした。昔は1日にいくつもの寺社を巡ったりしましたが、今回は2社に絞り込んでじっくりと参拝できたので、いずれのお寺もとても印象に残りました。

今年(2023年)は新型コロナウイルス自粛からも解放され、鎌倉もたくさんの観光客で賑わっていました。外国人もたくさんやってきていました。すでに観光客の数は過剰感がありましたが、これからも賑わってゆくことでしょう。新たな観光マナーが求められているなと感じました。

長谷寺

  • 住所:神奈川県鎌倉市長谷 3-11-2
  • TEL:0467-22-6300
  • 拝観時間:通常期 8:00~17:00(16:30受付終了)/延長期間 4月~6月 8:00~17:30(17:00受付終了)
  • 拝観料:大人 400円/小学生 200円
  • 公式サイト:長谷寺
  • 公式SNS:Instagram

では続いて、大人と感じた食事についてレポートします。

和食・懐石料理 鉢の木 新館でいただくランチ

和食・懐石料理 鉢の木 新館

和食・懐石料理 鉢の木 新館 は浄智寺から北鎌倉駅方向へ少し戻った表通り沿いにあります。

2022年7月までは精進料理を提供する北鎌倉店が営業していましたが、現在は新館のみの営業となっています。懐石料理を中心にランチタイム、ディナータイムの営業を行っています。

いつもの私は美味しいものをリーズナブルにたくさん食べるのがポリシーなのですが、せっかく鎌倉にやってきて大人の世界を体験したかったのでこちらのお店を利用することにしました。

和食・懐石料理 鉢の木 新館

純和風な外観と外国人観光客を意識したメニューの写真。

客席

大きな窓が特徴の客席。

テーブル

客席はテーブル席でした。

こちらお店ですが、2階には畳敷の個室や洋個室があって、慶事などでも利用できるようです。

季節膳

今回私がいただいた季節膳です。

お店の公式サイトに記載されていた献立は次の通り

  • 丸重:鰆の幽庵焼、新生姜甘酢漬、白身魚南蛮漬、なす田楽味噌、姫さざえ旨煮、えび艶煮、小松菜お浸、牛八幡巻、枝豆、厚焼玉子、さつまいもレモン煮
  • 煮物:冬瓜含煮、里芋、隠元、精進団子、しめじ
  • 季節の一品:滝川豆腐 等
  • 食事:白ごはん、海老真薯お吸物、香の物

1品、1品の味付けや食感など全てが違うのですが、うまく纏まっているのですよ。

上品な味わいです。周囲のテーブルのお客さんが交わす会話も上品でした。

滝川豆腐

滝川豆腐です。

豆腐を滝川に見立てた涼を呼ぶ夏の1品だそうで、オクラとじゅんさいの喉ごしが◎(good)でした。

和食は目で愛でるものといいますが、まさに目で楽しみ舌で味わうを実感しました。

丸重

丸重のアップ。

和食ならではの繊細さを感じました。

菜食膳

同行のU先輩がチョイスした菜食膳です。

精進料理をベースに、出汁のみに鰹出汁を使用し仕立てられたとのこと。

このメニューは、普段から要望の多い精進料理を7月15日~9月14日の夏季限定メニューとして提供しているとのことです。ちなみに、出汁以外にはお肉、魚介類、卵、乳製品を不使用だそうで、先輩としてはちょっと物足りなかったようです。

お店の公式サイトに記載されていた献立は次の通り

  • 天ぷら:夏野菜の天ぷら
  • 炊合せ:冬瓜含め煮、里芋、精進饅頭、しめじ、隠元
  • 小鉢:自家製胡麻豆腐
  • 一品:丸茄子味噌田楽
  • 食事:白ご飯、湯葉巻のお吸い物、香の物

鉢の木は料理のクオリティはさることながら、接客、お店の雰囲気、来店客のいずれもが 大人なお店でした。いつもの自分の中での予算を超えていてもこういう経験はとても大切だと思いました。

和食・懐石料理 鉢の木 新館

  • 住所:神奈川県鎌倉市山ノ内350
  • TEL: 0467-23-3723
  • 営業時間:11:30~13:30/17:00~21:30(19:00ラストオーダー)
  • 定休日:木曜日(祝日の場合は振替あり)
  • 公式サイト:鉢の木
  • 公式SNS:Instagram,X(旧Twitter),Facebook

鎌倉駅前の老舗日本料理の店 鯉之助 でいただく和食

鎌倉寺巡りの1日の〆は、JR鎌倉駅前にあります日本料理鯉之助です。

こちらのお店は創業者である御代川鯉之助が店名の由来となっています。御代川鯉之助は戦前、関東有数の料理店で料理長を務め「煮物の神様」と呼ばれた名料理人でした。その料理人が赤坂で開業、そして鎌倉に移転をして今日まで営業を続けている名店です。

鎌倉生ビール

まずは、鎌倉生ビールで乾杯♪

鎌倉市唯一のビール醸造所のクラフトビールです。きめ細やかな喉ごしに癒されました。

胡麻豆腐
<胡麻豆腐>

器も涼しげですが豪華トッピングのウニと絶妙の組合せです。

ビールが進みます(笑)

白身魚のお造り
<白身魚のお造り>

今回はアラカルトでいただきました、旨い。

天ぷら盛り合わせ
<天ぷら盛り合わせ>

野菜も魚介もいい具合に仕上がっています。

特に海老の頭の味噌が濃厚でお酒が進みました。

サラダ
<トマトとじゃこのサラダ>

こんなに味が濃くてフルーツのようなトマトを食べたのは初めてでした。

サラダを食べても酒が進みます。

しらすの蒸籠蒸し
<しらすの蒸籠蒸し>

湘南といえばしらすですね。せいろ下からは湯気が立ち上ってきて、最後まで温かくいただけました。

こちらのお店も1品1品、丁寧に料理されてました。

本当にいいお仕事をされているなあ、と少し酔ってましたが感動しました。

スタッフの方の対応も一流です。味よし、雰囲気よし、スタッフの対応もよし、大満足な夜でした。

鯉之助

  • 住所:神奈川県鎌倉市小町1-4-1 御代川ビル1F
  • TEL:0467-25-3740
  • 営業時間:11:00~20:30(ラストオーダー20:00)
  • 休業日:元日
  • 公式サイト:鯉之助
  • 公式SNS:Instagram,X(旧Twitter),Facebook

さいごに

いかがでしたでしょうか、私にとって大人を意識した鎌倉小旅行でした。

普段は絶景を見てご当地のおいしいものを食べてという断片的な旅でしたが、「大人」というキーワードで旅をしてみると、いつもと違う風景が見えた気がしました。

旅は心を豊かにするといいますが、今回の旅は自分でも自覚するくらい心が豊かになった気分で帰途につくことができました。

今回、私が訪れたお寺は秋の紅葉も素晴らしいでしょうし、冬の凛とした佇まいも容易に想像できます、春の花の時期ももちろん見事でしょう。四季折々の風景が鎌倉で皆さんを待っています。ぜひ、一味違った鎌倉を探しに出かけてみてはいかがでしょうか。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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