【タイ】ワット・トライミットにある世界最大の黄金仏とは

ワット・トライミット 黄金仏

<トップ画像:全てがほぼ純金・世界最大の黄金仏>

タイの首都バンコク。ヤワラートと呼ばれるチャイナタウンに、タイ全土はもとより、世界中の観光客が訪れるワット・トライミット(黄金仏寺院)というお寺があります。

本堂の仏像は高さ3m、全重量は5.5t、そして何と全てがほぼ純金で作られるいるのです。これは世界最大の黄金仏としてギネスブックにも認定され、時価総額は120~150億円とも推定されています。この世界随一の黄金仏を偶然発見された映画のような奇跡のストーリーと共にご紹介いたします。

目次

活気で賑わうバンコクのチャイナタウン

タイの首都バンコクには1800年代後半から築かれていったヤワラートというチャイナタウンがあります。

中央のヤワラー通りの端にそびえ立つ中華街門はこのエリアのシンボル。中華系の寺院や中華料理店が軒を連ね、そして金行という主に24金のアクセサリーを扱う店が130店もあることでも知られています。お線香の香りと中華料理の匂い、人々の活気であふれる賑やかな街がこのヤワラートです。

中華街門
<ヤワラートのシンボル「中華街門」>

この活気にあふれる街でさらに賑わっているのが、13世紀の中頃に建立されたお寺「ワット・トライミット」です。最寄駅は地下鉄MRTのフアランポーン駅、1番出口から徒歩10分程の場所にあります。

外観は白を基調にしており、金色を前面に出した多くのタイの寺院とは異なる雰囲気。複数の金の屋根があり、その中央の尖塔は天高く、まるでヨーロッパのお城のようです。

タイのお寺としてはそれほど広くはありませんが、本堂の2階と3階は資料館になっていて、中華街の歴史や仏像の構造や作り方を学ぶこともできます。

ワット・トライミット
<ヨーロッパのお城のような外観>

釣鐘
<デザインの美しい釣鐘>

昔は近所の華僑が来るだけの普通の寺院

このお寺、今では改装されてこんな美しいお寺になりましたが、その昔は特に目立つこともなく、近所の華僑の方々がお参りに来る程度の普通のお寺だったのです。ところが現在はタイ全土はもとより、世界中の観光客が訪れる有名寺院になっているのです。普通のお寺から世界的な寺院へ、その経緯が映画のような奇跡のストーリーなのです。

ポーランドから観光にきたお二人
<ポーランドから観光にきたお2人>

ここには約700~800年前のスコータイ時代に造られた仏像が祀られています。そしてこの仏像、昔は今の場所からほど近いヤーンナーワー区のチョータナーラーム寺院という、僧侶もいない廃墟のようなお寺に粗末に置かれていたのです。その当時、この仏像には黒い漆喰(しっくい)が塗られていてどこにでもある仏像でした。

黒い仏像
<昔はこのような黒い仏像でした>

偶然発見された世界最大の黄金仏

そして1953年、その廃寺を工事することになった時、その黒い仏像を現在の場所にクレーンで移動しようとしました。ところがクレーンで持ち上げた仏像は見た目以上に重く、その日は仏像を外に放置したまま工事を中断しました。

その夜は大嵐。仏像は強い雨と風にさらされ、塗られていた黒の漆喰がはがれ、そこから現れたのが世界最大の黄金の仏像だったのです。

金が塗られている仏像は数多くありますが、この仏像は全てがトーンノパクンというほぼ純金。高さは3m、全重量は5.5t、時価総額では120~150億円とも推定される世界で随一の黄金仏だったのです。

これは世紀の発見とされ、タイ全土がお祭り騒ぎに。1991年にはギネスブックにも認定されました。

黄金仏
<偶然発見された黄金仏>

煌びやかな天蓋
<黄金仏の上の煌びやかな天蓋>

なぜこれほどの黄金仏がそんな扱いだったかというと、当時はビルマ軍からの略奪から守るために、黄金仏はカモフラージュされ、黒の漆喰が塗られていたのです。

もしもクレーンでスムーズに本堂に移動することができたなら、漆喰は剥がれることもなかったでしょう。あまりの重さに外に置いて工事を中断したこと、その夜が嵐だったこと、これらの偶然の重なりが世界最大の黄金仏をよみがえらせたのです。

金箔や彩色仕上げの仏像との比較

今ではバンコクの三大寺院、エメラルド仏・ワットプラケオ、巨大な涅槃仏・ワットポー、暁の寺・ワットアルンとも並ぶ世界的な人気を誇る寺院になりました。

ワット・トライミット
<今や世界的な知名度の寺院>

ここには黄金物の他にも一般的な金色の仏像や黒い仏像もあります。どの仏様も美しいのですが、あたためて仏像の色を比べるのも興味深いものです。木の素材を生かした木地仕上げは年輪が美しく木の香りも楽しめます。金箔仕上げが色あせてくると歴史を感じることができ、黒の彩色仕上げの仏像には仏教の奥深さを感じることができます。

金箔の仏像
<歴史を感じさせる金箔の仏像>

黒い仏像
<仏教の奥深さを感じさせる黒い仏像>

そしてここのほぼ全てが金という世界最大の黄金仏。体の隅々の曲線が照り返す光と艶、他の仏像とは異なる中までが金という重厚さは圧巻でした。

黄金仏
<光と艶、重厚さに圧巻される黄金仏>

Wat Traimit(ワット・トライミット)

  • 住所:Thanon Mittaphap Thai-China, Talat Noi, Samphanthawong, Bangkok 10100
  • 拝観時間:8:00~17:00
  • 公式SNS:Facebook

まとめ

タイの首都バンコク。ヤワラートと呼ばれるチャイナタウンには、世界中の観光客が訪れるワット・トライミットが。本堂の仏像は全てがほぼ純金で作られるいる世界最大の黄金仏。昔は廃寺に置かれていた普通の黒い仏像から黄金仏が発見された奇跡のストーリー。ギネスブックにも認定され、時価総額は120~150億円とも推定される世界随一の黄金仏をお参りしにぜひお出かけください。

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KOJI SAITO

東南アジアの子ども達を支援しているNGO代表。活動の合間に聖地を巡り、現地の人々との触れ合いから直接聞いた情報をお伝えしています。国内では会社を経営し、出張で47都道府県を制覇。

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