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【ベトナム】インドシナ半島最高峰のファンシーパン山!2023年2月現在の状況を確認してきた
ベトナムの北部ラオカイ省の高原にある観光都市サパは、19世紀までその存在を知られていませんでした。その理由は、ベトナムはもちろん、インドシナ半島でも最も高いファンシーパン山(標高3,143m)の影に隠れていたからです。
かつてはサパから3~4日かけたトレッキングツアーでなければ行くことができなかったファンシーパン山でしたが、2016年にケーブル(ロープウェイ)が完成してからは日帰りで楽しめるようになり、ベトナム人の国内旅行でにぎわっています。2023年2月に実際に行ってきましたので、その状況を報告します。
目次
- ファンシーパン山拠点の町、ベトナム・サパでのアクセス
- ファンシーパン山の魅力1:サパの中心から登山鉄道にのる
- ファンシーパン山の魅力2:登山鉄道の先にあるもの
- ファンシーパン山の魅力3:ケーブルカー(ロープウェイ)乗り場の行列
- ファンシーパン山の魅力4:ケーブルカー(ロープウェイ)で一気に山上駅へ
- ファンシーパン山の魅力5:山上駅の雰囲気
- ファンシーパン山の魅力6:山頂までのケーブルカー
- ファンシーパン山の魅力7:最高峰の様子
- ファンシーパン山の魅力8:最高峰のカフェ
- ファンシーパン山の魅力9:最高峰から山上駅への下り
- ファンシーパン山の魅力10:ケーブルカー(ロープウェイ)で下ったところに土産物
- ファンシーパン山に向かう前に最適な宿:Fansipan Terrace Cafe and Homestay
- ファンシーパン山はぜひ行っておくべき山
ファンシーパン山拠点の町、ベトナム・サパでのアクセス
ファンシーパン山の拠点となるサパへの行き方を紹介しましょう。サパまではハノイからバスに乗るのが現在の一般的な移動方法です。所要時間は5時間30分で、かつハノイのノイバイ空港を経由するバスがあるので、空港から直接サパに行くのにも大変便利です。
また、少し変わった方法では鉄道を使うこともできます。ハノイ駅から中国との国境の町ラオカイまで鉄道を使う方法です。ハノイからラオカイまでは寝台列車があり、夜にハノイを出発すると翌朝ラオカイに到着します。
ラオカイからサパまでは、30分~1時間おきにローカルバスが出ていて格安でサパまでいけます。
ファンシーパン山の魅力1:サパの中心から登山鉄道にのる
登山鉄道のサパ駅は町の中心にあり、M Gallery Resortホテルと一体化していて、町の中でもひときわ目立っています。フランス統治時代をほうふつとさせるような建物の中にあり、おしゃれなデザインのビルの中にチケット売り場があります。
サパ駅から登山列車にのってケーブルカー(ロープウェイ)乗り場まで移動します。年々料金が上がっているようで、2023年2月の時点では登山鉄道が往復15万ドン(約750円)、そのあとのメインであるケーブルカー(ロープウェイ)が往復80万ドン(約4,000円)です。
単線の登山鉄道はおよそ15分に1本のペースで運行しており、単線ですが真ん中で対向車と入れ違うポイントがあります。車窓からの眺めは素晴らしく、サパの町から谷に向かった棚田などの風景が楽しめます。10分くらいでMuong Hoa駅に到着します。
ファンシーパン山の魅力2:登山鉄道の先にあるもの
Muong Hoa駅の周りはお花畑になっています。そこからケーブルカー(ロープウェイ)乗り場まで歩く必要があります。2023年2月時点ではベトナム人が多く観光に来ており、お花畑で記念撮影をしている人たちの姿を多く見かけました。
歩いていると、途中から土産物が並ぶエリアがあります。ここでサパとその周辺に住む山岳少数民族の人が販売しているお土産が買えます。
なお、Muong Hoa駅までは車で行くことができ、車や観光バスで直接ここまで来る人が多かったです。この後いよいよメインのケーブルカー(ロープウェイ)乗り場に向かいます。また乗り場の建物の前にはステージがあり、そこで演奏会やダンスが行われていました。
ファンシーパン山の魅力3:ケーブルカー(ロープウェイ)乗り場の行列
ファンシーパンへのメインの乗り物はケーブルカー(ロープウェイ)です。見た目はロープウェイのゴンドラですが、現地ではケーブルカーと認識されているようです。
当初、建物は登山鉄道とケーブルカー(ロープウェイ)乗り場が一体化していたので直接乗れるように設計されたようですが、実際にはいったん外に出なければなりません。その理由は本当に多くの人がファンシーパン山を目指しているからです。
最初の行列からある程度の人数ごとに制限しながら前に進みます。建物内に入るまで20分近くかかりましたが、そこからも30分以上は待たされます。本当に多くの人がいるので驚きました。
おそらく1時間くらいは待たされたと思います。ほとんどがベトナム国内の人のようで、それだけ人気のスポットというのがうなずけます。辛抱して待ち、どうにか順番が回ってきました。
ファンシーパン山の魅力4:ケーブルカー(ロープウェイ)で一気に山上駅へ
ケーブルカー(ロープウェイ)は、大きなゴンドラで1度に20人くらいは乗れます。自由席になっていますが、ゴンドラに乗り込んだ人の分はあるようで座ることができました。
ゴンドラのドアが閉まり、いよいよ駅から大空に向かって出発した瞬間に、同乗者から一斉に出た歓声が印象的でした。日本で聞くのと全く同じで、歓声には国境や民族の差がないものだと改めて思いました。
ケーブルカー(ロープウェイ)は、最初に谷を越えていきます。それほど一気には上昇せず、眼下から棚田や谷間にある村の様子が一望できます。最初の支柱を超えてからいよいよ本格的な上昇を開始していきました。
ケーブルカー(ロープウェイ)は、30分近くかけてファンシーパンの山上駅に向かいます。最後の支柱を超えていくと、うっすらと見えていた建物がはっきりと見えてきました。こうして山頂に到着します。
ファンシーパン山の魅力5:山上駅の雰囲気
山上駅に到着した瞬間、それまでとは温度が全く違うことを認識しました。山上駅にはレストランもあり、多少割高ですが、食事を楽しむことができます。
また、風景写真がパネル展示されているエリアがあります。訪問時は運よく快晴で山頂からの絶景が楽しめましたが、高山のため天候が不安定で、視界が悪い時も多いそうです。そのようなときのためにパネルがあるのかなと思いました。
山上駅の建物の上から山頂に続く道がありますが、外に出た瞬間、晴天なのに寒さに加えて風が本当に強いです。帽子などは吹き飛ばされるほど風が強いので、脱いでおいたほうが安心です。
ファンシーパン山の山頂には阿弥陀如来の大仏や観音像、寺院に関する建物が多くあります。Kim Sơn Bảo Thắng Tựと呼ばれる寺院群です。もともとは無かったようですが、ケーブルカー(ロープウェイ)の建築と同時に建設されたようです。
建物の屋根の繊細な装飾は、ハノイにあるタンロン城塞の遺物をモチーフに再現され、新しい聖地として山頂を目指す多くのベトナム人が平和の祈りを捧げていましたた。
ファンシーパン山の魅力6:山頂までのケーブルカー
山上駅から山頂までは600段の石段があり、その途中に仏教建築物があります。また山頂まで直接上がれるケーブルカーがあり、往復15万ドン(約750円)で乗れます。片道は半額料金だったので、登りはこのケーブルカーを利用して一気に山頂を目指すことにしました。
歩いて登る人も一定数いますが、やはり多くの人はケーブルカーを使うため、こちらも行列ができていました。それでもロープウエイほどの行列はなく、20分ほどでケーブルカーに乗れました。
ケーブルカーは一気に山頂を目指します。ケーブルカーからは歩いて山頂を目指す人たちの姿が見渡せました。山頂を目指す通路は少しずつ登れるようになっており、万里の長城のような作りになっていました。
ファンシーパン山の魅力7:最高峰の様子
山上ケーブルカーで10分弱で山頂駅に到着します。ここからはわずかな階段の登りで山頂に行けます。多くの観光客に囲まれながら一歩ずつ登っていくとやがて目の前に大きな塔があり、ファンシーパン山の山頂に到着したことを示してくれました。
雲一つない快晴でしたが、風は非常に強く、塔の上に靡くベトナム国旗はずっとはためいていました。
塔の周りは展望台になっていて、観光客の人たちが思い思いに、記念撮影をしています。天気は良いですが風も強いので、注意しながら絶景を楽しみましょう。
山頂部分は真っ青ですが、下界は靄のような雲がかかっているのが対照的でした。
塔のほかにもうひとつ山頂を示しているところがありました。ここにはベトナム国旗が置いてあり、交代で国旗を手に記念撮影をしている観光客の姿が印象的です。
ファンシーパン山の魅力8:最高峰のカフェ
山上駅にもレストランがありますが、山頂のすぐ下にもカフェがあります。ここはベトナムやインドシナ半島の最高峰に位置する飲食店ということなので入ってみました。
外は風が強いですが、建物内に入るとぴたりと風がなくなります。
コーヒーの値段は場所柄割高でしたが、仕方がありません。店内は山岳少数民族の織物を使った装飾品があり、おしゃれな造りになっていました。また隣にトイレがあり、こちらも最高峰のトイレです。新しくてとても清潔でした。
ファンシーパン山の魅力9:最高峰から山上駅への下り
最高峰から、山上のケーブルカーで降りることもできますが、せっかくなので600段の階段を下って降りることにしました。特に最初のうちは急な階段が多いのですが、やはり風が強く、風の方向に顔を向けると呼吸ができなくなるほどです。
体を横にしながら降りていきましたが、眼下の絶景は非常に見ごたえあります。
途中には観音立像など気になるスポットがありましたが、メインのルートから離れているためほとんどだれも立ち寄っていませんでした。ただ途中には大きな阿弥陀像の大仏があります。
下山途中それほど高低差のない地点がありますが、そこから阿弥陀像の大仏と、そこから一気に山上駅まで下る階段。さらにその間をケーブルカーが走っていく様子を撮ることができました。
阿弥陀像は21mもの大きさがあり、ファンシーパンの山上の中でもひときわ目立った存在です。仏像の下側には中に入ることができ、そこには番をしている人がいました。なお内部は撮影禁止です。
阿弥陀像大仏の前から一気に階段を下りていくと山上駅に戻れます。
帰りは行きと違い、ほとんど並ぶことなくケーブルカー(ロープウェイ)に乗ることができました。上に登るときと下に降りるときは同じ風景のはずですが、下りのためか感じ方が微妙に違います。
ファンシーパン山の魅力10:ケーブルカー(ロープウェイ)で下ったところに土産物
ケーブルカー(ロープウェイ)で下まで降りると土産物売り場になっています。降りた時点でも山上に向かうために多くの人が待っている状況でしたが、土産物屋さんは対照的に静かでゆったりと買い物が楽しめます。
建物の外に出ました。ここからは登山電車に乗ればサパの中心部に戻れます。120年を記念するものですが、詳しいことはわかりません。情報によれば、1880年代にベトナム(トンキン)の山岳地帯の様子が地図で紹介されたとあるので、それと関係があるのかもしれません。
ファンシーパン山に向かう前に最適な宿:Fansipan Terrace Cafe and Home Stay
ファンシーパン山には日帰りで行けるようになったとはいえ、実際に行こうと思えばサパで宿泊する必要があります。サパには数多く宿泊施設がありますが、その中でファンシーパン山を見ることができるFansipan Terrace Cafe and Home Stayはおすすめです。
谷の村落に向かう坂の途中にあり、サパ駅から徒歩圏内にあるのも大変良いです。
部屋は簡素な造りですが、非常に清潔でシャワールームがあります。それ以上に部屋の窓からファンシーパンが見られるのが最高で、山に登る前日に宿泊し、明日上る山の様子を見ながら当日を迎えるのがとても楽しみでした。
また入口のカフェからもファンシーパン山の様子が一望できます。欧米人の利用者が多く、すべてクレジットカード決済ができます。また手作りケーキも絶品で2回食べました。
宿泊しなくても、カフェ利用で十分満足できる宿です。
Fansipan Terrace Cafe and Home Stay
- 住所:067 Fansipan, TT. Sa Pa, Sa Pa, Lào Cai, ベトナム
- TEL:+84912205154
- Facebookページ:Fansipan Terrace Cafe and Home Stay
ファンシーパン山はぜひ行っておくべき山
ファンシーパン山はケーブルカー(ロープウェイ)が開通してから本当に気軽に行ける山になりました。ベトナム人観光客が多く、結構待たないと山上は目指せませんが、それでもぜひ行っておくべき山といえます。
心配していた高山病の影響はほとんどありませんでした。前日に標高1,600m付近にあるサパに宿泊したことが良かったのかもしれません。なお、山頂付近は天気が良くても風が強いのと、高山のため非常に寒いので防寒の用意だけは忘れないようにしましょう。
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万代正平
- 旅行が好きな旅人。日本国内は、北海道の網走、道東周辺から沖縄の八重山諸島・与那国島まで47都道府県すべて行ったことがあります。2020年2月までは毎年東南アジアに渡航しており、東南アジア10か国すべて訪問しました。海外では他にヨーロッパ(英国、ベルギー、アイルランド)アメリカ、中国、香港、マカオ、台湾、韓国への渡航経験があります。2020年春以降は、主に国内の旅行を中心に活動しています。