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インドのクリスマスシーズン!ヒンドゥー教徒はどう過ごす?
ヒンドゥー教徒が圧倒的大多数を占めるインド。
インド全土で大々的に祝われる一大イベント「ディワリ」の後にやってくるクリスマスはどんな様子なのでしょうか?街の様子をレポートします!
目次
今年のクリスマスは例年にない盛り上がり!
実はインドでもクリスマスを祝っており、2022年は例年にない盛り上がりを見せています。クリスマスを欧米スタイルで祝うことを根付かせようとしているのでしょうか。過去4年でクリスマスツリーの路上販売を見たことがなかったのですが、今年は大々的に販売しています。
ディワリのように宗教と密接に結びついたイベントというよりも、お店がデコレーションをしたりセールをしたりなど商業的な意味合いが大きいように思えます。
といってもディワリの出店などと比べても小規模で、買い物客も少なく落ち着いており、日本のような規模のイベントになるにはまだ時間がかかるかもしれません。
おそらく地域差も大きく、昨年の南インドのヒンドゥー教徒が多い地域ではほぼクリスマスの飾り付けを見ることはありませんでした。一方、私が今住んでいるムンバイは欧米のライフスタイルに寄せることを好む人が多く、そのため日本で見られるようなクリスマスの飾り付けを多くみることができます。
ですが、飾りつけにどこかインド風味が感じられますね...。バナナの木の横にツリーがあったり。それがおもしろいところでもあるのですが!
大々的にクリスマスを感じるなら、キリスト教徒が多い地域を訪問するのがよいかもしれません。ムンバイにもバンドラという地域にはローマ・カトリック系の教会があり、その地域の人々は宗教にかかわらずクリスマスを祝うそうです。
そもそもインドのキリスト教徒の割合は?
インドにおいてキリスト教徒は、ヒンドゥー教、イスラム教に次いで3番目に信者が多い宗教です。
外務省のインド基礎データによると、2011年時点で約2800万人でインド全人口における2.3%の割合を占めています。3番目に信者が多いキリスト教でもたった2.3%とは意外ですね。
南インドのゴアやケララはキリスト教徒が多い地域です。ゴアはポルトガルの植民地であったことからヨーロッパ風の建築が残っており、教科書に出てきた聖フランシスコザビエルのミイラが展示されている教会もあります。ポルトガルの影響でしょうか、個人的には洗練された西洋風の魚料理を食べるにはゴアが一番だと感じます。
また、キリスト教徒はヒンドゥー教徒とは異なって牛肉を食べるため、たびたび争いが起こったりもしています。ヒンドゥー教徒にとって牛は神様であるため、ヒンドゥー至上主義を掲げる人たちには受け入れ難いのだそうです。
そして少し意外かもしれませんが、マニプールやナガランドなどの北東地域でもキリスト教が信じられています。マニプールやナガランドの人たちは私たちと同じ見た目で、大都市で会うとインド人なのか東アジア人なのか見分けがつきません。ミャンマーと隣接しているので仏教徒となのかと思いきや、キリスト教徒が大半と聞いて驚きました。
余談ですが、インドではあまり豚肉が積極的に食べられることはありません。豚はなんでも食べるので汚いというイメージだそうです。一方、マニプールやナガランドでは豚肉料理が多いので、親近感を感じてしまいます!
豆知識ですが、「ステファニー」「デイビッド」「ケビン」「アントニー」など欧米風の名前を名乗るインド人に出会うことがあります。私の経験では、欧米風の名前の人たちは大抵キリスト教徒です。
インド人が「人の名前でカーストや宗教がわかる」とよく言っていますが、確かに宗教によって名前の傾向があるので、知っているとおもしろいかもしれません。
宗教がわかると食べてはいけないものがわかるため、ご飯に行く時にお店を選びやすくなります!といってもインド人の食の好みは宗教だけでは区別できないほど細かくわかれているので、ベジタリアンなのかどうかは聞いておきましょう。また、中には肉が料理されているキッチンで作られた料理は一切食べられないという人もいます。
ムンバイのクリスマスムードをレポート!
せっかくなので南インドのゴアや北東のナガランドなどに行ってみたかったのですが、予定が合わずかわりにムンバイのクリスマスムードをお伝えします!
まずは地元の商店街を歩いてみました。商店街もクリスマスムードで楽しい雰囲気です。インド人はイラストが大好き!味のある手書きイラストが色々なところで見られます。
飾り付けもたくさん売っています。クリスマスの飾りにディワリの名残が感じられます。ベルのデザインにもインド風味が出ていますね。
なぜかどの店にも置いてあるサンタのマスク。サイズの小ささから子供サイズだと思われますが、これは子供が怖がるのでは...。
ムンバイの中でもローマカトリック教会が複数あると有名なバンドラという地域も見てみました。バンドラはとても洗練された飾り付けが多く、日本のクリスマスの祝い方に近いように感じます。
ショッピングモールではクリスマスマーケットを開催していました。
なんと入場料が1,000ルピー(約1400円)...!街の食堂ではカレー定食が100ルピー(約140円)以下で食べられ、チャイは10ルピー(約14円)程度です。スターバックスのフラペチーノが400ルピー(約560円)くらいなので、この入場料が信じられないくらい高いことがわかっていただけるのではないのでしょうか。
現地の物価に慣れている私はちょっと入れませんでしたが、入口には大行列ができていました。
ショッピングモールの中にも外にも、たくさんの写真スポットが設置されていました。写真が大好きな国民性なので、長蛇の列ができています。
子どもたちのために全長20〜30mもある汽車まで設置されていました。これは嬉しいですね!中にはサンタさんがいて、子供たちと写真を撮っていました。
まとめ:インドのクリスマスのこれからに期待!
今回はインドのクリスマスをレポートしました。教会やキリスト教徒が多い街はもっと雰囲気が異なり、宗教色が強くなるのかもしれません。私が訪れた地域はヒンドゥー教徒が多いところなので、商業的なクリスマスを楽しく感じられました。
昨年は目にすることがなかったクリスマスツリーが色んなところで売られたりと、本格的なクリスマスがどんどんインドに根付き始めていることがわかりました。今後のインドのクリスマス、どう進化していくのか要注目です!
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やまもと
- インドのバンガロール・ムンバイの2拠点で活動している翻訳者・ライターです。インドの野良犬とヨガが大好きです!