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フランスで一番古い、ストラスブールのクリスマスマーケット
毎年11月下旬からクリスマス頃まで、欧州各地でひらかれるクリスマスマーケット。
地元民のみならず、世界中から訪れる観光客をも魅了するクリスマス市ですが、過去2年間はコロナ禍の影響もあり、開催を断念せざるをえなかったり、厳しい制限措置の中かろうじて開いていたマーケットがほとんどであったように思います。
しかし2022年は、コロナ禍前と同じか近いレベルでのクリスマスマーケットを開催するところが多いので、とても楽しみです。
今回は、コロナ禍直前の2019年冬に訪れたフランスの町ストラスブール(Strasbourg)でのクリスマスマーケットについて書きつづってみました。
目次
ストラスブールってどんな街?
<ストラスブールの街並み(初夏に撮影)>
ストラスブールはフランス・アルザス地方の主要都市で、2000年以上の歴史がある古都でもあります。
街全体がユネスコ世界遺産に登録されているだけあり、その中世風の古い街並みは、まるで童話の絵本の中に入り込んだかのような美しさ。
ライン川をはさんでドイツと国境を接しているため、フランスにいながら、ドイツでおなじみの伝統的木組みの建物もよく見かけます。
建物だけではなく、文化や言葉もドイツらしいところが散見され、これは地理的、そしてもともとドイツ系の人々が長くこの地に暮らし、アルザス方言ドイツ語を話してきたことなどが理由にあります。そしてそれがストラスブールの街をさらにユニークなものにしています。
もちろん良いことばかりではなく、過去に何度もフランスとドイツの間で取り合いになり、住民たちが長く苦難を強いられてきた地でもありました。
1570年から続く、ストラスブールのクリスマスマーケット
<ストラスブールのクリスマス会場の1つ。多くの人でにぎわう>
そんなストラスブールの街のクリスマスマーケット、なんと1570年から続いているのだとか。フランスで最も古く、ドイツやスイスなど他の欧州の国々のクリスマスマーケットとは若干異なるおもむきもあることから、世界各地から訪れる人々を魅了しています。
ストラスブールのクリスマスマーケット会場は、数か所に分かれて点在しているのですが、2019年に私たちが滞在していたホテルは、そのうちの一つの会場からとても近かったので便利でした。
夕方、そのクリスマスマーケットマーケット入り口近くの橋の方へ歩いていくと、多くのパトカーや警察がいました。どうやらここですべての人たちの荷物チェックをしているよう。
それにしても、人気があり有名なクリスマスマーケットなだけあり、結構な人出でした。
それに比例してか、クリスマスのスタンドもたくさん。なんでも 300 以上のスタンドが出ているのだそうです。
クリスマスマーケットの屋台なんて、どの国も似たり寄ったりだろうと考えていましたが、他の国であまり見ないようなスタンドもあり、美味しそうなものと面白そうなものでいっぱいでした。
あれもこれも欲しい!食べたい!と、暴走しがちな自分を抑えるのに苦労しました(笑)
ストラスブールのクリスマスマーケット(Les Marchés de Noël à Strasbourg)(2022年11月現在)
- 住所:17 place de la Cathédrale 67082 STRASBOURG CEDEX (ストラスブール観光案内所)
*会場は数か所あるため、ホームページか観光案内所にある地図でご確認ください - 電話:+33 (0)3 88 52 28 28 (ストラスブール観光案内所)
- 期間:2022年11月25日(金)~12月24日(土) 午前11時から午後8時
*初日は午後2時より、最終日は午後6時まで営業
**ルイーズ・ワイス公園(Square Louise-Weiss)内の『アフタークリスマス村(le Village de l'Apres/ル・ヴィラージュ・ドゥ・ラプレ)』は2023年1月1日まで営業 - 公式サイト:ストラスブールのクリスマスマーケット(英語)
<ストラスブール観光案内所>
<ストラスブールのシンボル、コウノトリ関連商品やクリスマスデコレーションが並ぶ>
<お菓子の家やジンジャーブレッドなどのクリスマス飾りは、ばらまきお土産にもぴったり!>
クリスマスマーケットの、美味しいものいろいろ
ドイツとフランスの文化が融合するストラスブールのクリスマスマーケット。食べ物の屋台でもその特徴がよく出ています。
クレープやワッフルの屋台があったり、とろっとしたヤギのチーズのスライスやジャンボン(ハム)、ラードン(細切りベーコン)がのったバゲットのスタンドがあるのはフランスっぽいですが、プレッツエルやザワークラウトが食べられるところもあって、このあたりはドイツっぽい。
<さまざまな具がのったバゲット&プレッツエルの屋台。全部食べたい>
『ザワークラウト』は、フランスアルザス地方では『シュークルート(La choucroute)』と呼ばれ、塩漬けした発酵キャベツを、肉厚のハムやソーセージなどと一緒に煮込んだ料理です。アルザスの典型的な郷土料理の一つなのですが、他にも『タルト・フランベ(La tarte flambee/独語でFlammekuchen フラムクーヘン)』と呼ばれる、ベーコンやクリームがのった超薄焼きのピザのような郷土料理も人気です。
食べ歩き(!)しながら、ストラスブールのシンボルである大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Strasbourg/Straßburger Münster)近くまで来たとき、お菓子の店 『ラ・キュール・グルマンド(La Cure Gourmande)』を見つけました。
ラ・キュール・グルマンドはフランスに全国展開されている店で、クッキーやキャンディ、チョコレート、ヌガーなど色とりどりのお菓子が販売されています。ノスタルジックな缶などの容器が可愛らしくてファンになりました。
ストラスブール店では、アルザス仕様の缶も買うことができるので、お土産にしたら喜ばれるかもしれませんね。
<宝箱をひっくり返したような、ラ・キュール・グルマンドの店内>
ラ・キュール・グルマンド (La Cure Gourmande)(2022年11月現在)
- 住所:5 Rue Merciere, 67000 Strasbourg, France
- 電話:+33 3 88 32 97 49
- 営業時間:月曜日~木曜日 10:00~20:00/金曜日・土曜日 10:00~21:00/日曜日 10:00~12:45 or 15:00~17:45
- 公式サイト:La Cure Gourmande(仏語)
キラキラのイルミネーションの中を歩けば
<老舗百貨店ギャラリー・ラファイエットも、イルミネーションでキラキラでした>
通りやクリスマスツリーだけではなく、街の建物のクリスマスデコレーションも見どころ。いわゆるインスタ映えしそうなスポットもたくさんあったので、私も含めみんな写真を撮りまくっていました(笑)。
<派手にクリスマスデコレーションされた建物>
先述したように、ストラスブールはドイツ国境から近く、歴史的な背景からドイツ語表記(アルザス方言)も多いので、ドイツ語を話す人も少なくありません。同行した私の夫はドイツ人で、フランス語を解さないため、終始ドイツ語でお店の人とコミュニケーションをとっていました。
世界各国から人々が訪れる人気観光地なので、英語もよく通じるのではないかと思います。実際フランス語やドイツ語の他、英語、日本語、スペイン語など本当にたくさんの言葉が飛び交っていました。
<大聖堂と木組みの家を見ていると、ドイツにいるよう?>
ストラスブールのクリスマスマーケットで、アルザス文化を五感でたっぷり感じることができ、とても楽しい体験でした。数あるクリスマスマーケットの中でも、お気に入りのマーケットの一つとなりました。
まとめ
今年の冬は光熱費が大幅アップし、エネルギーの節約が必須となっています。ストラスブールでもクリスマスツリーのイルミネーションを減らす、などの対策を行うようですが、それでもこの街の夢幻的な"ノエル(クリスマス)"は変わらないことでしょう。
<夜が更けるにつれ、イルミネーションがますます華やかに>
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小島瑞生
- 1998年~2009年まで暮らしたアイルランドから、2009年スイスへ移住。面白そうなコト・モノを求め、スイス国内や欧州の国々をウロウロしながら、雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアに様々な情報を発信中。趣味は旅行とハープ&ピアノ演奏。