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兵庫県観光のダークホース。神戸だけじゃない!今、"但馬" が面白い!
<TOP画像:湯村温泉街の中心 荒湯>
あなたは「但馬(たじま)」というエリアをご存知ですか?
兵庫県の北部にある「但馬」は播磨、丹波と接し、北に向かうと山陰に至る位置にあります。
観光という観点から見ると、城崎温泉、湯村温泉、出石(いずし)、竹田城跡などが知られています。
ただ、但馬という名前は聞いたことがあるけれど、どんなところかよく知らないという方が多いのではないでしょうか?
兵庫県というと神戸、六甲、姫路、明石と、瀬戸内海沿いの街が取り沙汰されることが多いですが、最近は但馬エリアが活発な動きを見せているようです。
今回、兵庫県観光の穴場ともいえる但馬エリアを巡ってきましたので、レポートします。
目次
但馬の魅力は体験型観光
物見遊山の旅行がもてはやされた時代は変わり、これから求められるのは、モノではなくコト消費だ、などと言われて久しいですね。
観光地を巡り、写真を撮って、各地の美味しいものを食べて温泉に泊まる。
それは今でも楽しい旅の要素に違いありませんが、それだけではなく、プラスアルファで何かを求めている層が増えてきている、と言えるでしょう。
この章では、但馬エリアで体験型観光ができるスポットをいつくかご紹介しましょう。
城崎温泉 電動TUKTUK
城崎温泉というと全国的にも有名な温泉地です。
温泉旅館が立ち並ぶ大溪川(おおたにがわ)沿いの道は風情があって、外湯も多く、湯あがりに浴衣を着てそぞろ歩きをする、というのが定番です。
しかし逆に言えば、温泉街散策以外にはこれと言った楽しみ方もなかったとも言えるでしょう。近隣にはマリンワールドがありますが、それ以外にメジャーな観光地があるわけでもありませんでした。
そんな城崎温泉に近年、新しいアクティビティが出現しました。
それが電動TUKTUK(トゥクトゥク)です。
既に4,500名以上の人が体験し、大好評のアクティビティだそうです。
TUKTUKとは、東南アジアで見られるバイク(3輪)のタクシーのようなものです。アジアでは移動手段として見られますが、TUKTUKに乗って移動すること自体が面白い、というのがこの城崎でのアクティビティの真骨頂です。
3人乗りのTUKTUKで城崎の温泉街だけでなく、田園地帯や川沿いの気持ち良い道を風を感じながら駆け抜けることができます。
実際に乗ってみたお客さんの感想として面白いのは「田んぼに癒された。。。」(温泉関係ない!笑)という声があることです。
移動手段ではなく、乗って走り回る、その空間と時間が旅の良い思い出になる、というコト消費ですね。
温泉街の周りには、インスタ映えするスポットも多数あり、自身のSNSで発信する人も多いそうです。
運転には免許証が必要です。トレーナーさんが親切に教えてくれますので、初めてでも簡単に運転できます。
TUKTUK以外に電動バイクもあります。
城崎の街を電動TUKTUKで走るとどんな感じなのか、実際に走った動画で体感してみてください。
<温泉街を走る>
<畑の中を走る。まるで東南アジアを走っているかのようです。>
<川沿いの田舎道を走る>
これまで温泉街そぞろ歩きくらいしか、行動プランがなかった城崎に新しい旅の楽しみ方が生まれました。あなたものどかな田んぼに癒されに、城崎温泉にお出かけください。
>>電動TUKTUKに興味を持った人は、ぷち旅 たびぞうサイトをご覧ください
このサイトもすごく面白いですよ~
城崎温泉 麦わら細工体験
温泉街にある「城崎麦わら細工伝承館」
ここには城崎の伝統工芸である、麦わら細工の作品が展示されています。
麦わら細工という言葉から想像するものとはずいぶん違ったのではないでしょうか? 麦わら細工というよりは寄木細工に似ているように思いました。
【城崎 麦わら細工とは】
大麦のわらを原料に、桐箱や色紙に細工を施す「城崎麦わら細工」には300年の歴史があり、兵庫県伝統的工芸品および豊岡市無形文化財に指定されています。「城崎麦わら細工」は城崎でのみ生産されています。
城崎麦わら細工伝承館には、現代の職人さんの作品(約40点)だけでなく、約200点にものぼる明治・大正・昭和初期などの作品もじっくり鑑賞することができます。
2階では、職人さんの仕事風景を映像で見ることができます。これを見ると作り方がよく理解できます。
また、旅行者も麦わら細工作りの体験をすることができます。私も一番簡単な「しおり作り」を体験しました(所要時間30分くらい)
こちらが私が作ったしおりです。
木の部分が麦わらです。麦わらって思ったより硬いんです。麦わら細工作りは細かくて意外に難しいのですが、すごく集中して心が空っぽになり、不思議な感覚でやってみて面白かったです。あなたも一度ぜひ!
城崎麦わら細工伝承館では、お土産を買うこともできますので、城崎温泉に訪れた時にはぜひお立ち寄りください。
湯村温泉街ウオーキング
「湯村温泉」は、兵庫県北西部、日本海側の山陰地方に位置し、鳥取県に接している豊かな自然環境に囲まれた静かな温泉郷です。
春来川のほとりに湧く日本屈指の高熱温泉である「湯村温泉」。NHKドラマ「夢千代日記」で有名になった温泉地でもあります。
今からおよそ1200年前に慈覚大師によって発見されたと伝えられている古湯であり、元湯は「荒湯」と呼ばれ98度の高温泉が毎分470lも湧出しています。 「荒湯」で温泉たまごを茹でる観光客の姿は、湯村温泉独特の風景を創り出しています。
湧出量の豊富な温泉のため、旅館だけでなく各家庭にも配湯され、湯村の人々の生活に欠かせないものになっています。
湯村温泉の泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(低張性・中性・高温泉)。
無色透明で、神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・疾病・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進・きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱体質・慢性婦人病・動脈硬化症などに効くと言われています。
ニオイも味もほとんどありませんが、口に含むと、少しトロっとしています。これはお湯に重曹が含まれているためだそうです。
「湯村温泉は、いわゆる観光の温泉地ではなく生活の温泉地なのです。」と旅館 朝野家の朝野社長の弁。
朝野家の朝野社長(左)はジオガイドの資格をお持ちで、自らお客さんを案内して歩きながら湯村温泉の魅力を伝えています。
温泉街にある隠れたハートマークを探すゲーム感覚の遊びもあります。5個以上見つけられたら観光温泉からプレゼントをゲットできます。
温泉街には至るところにハートマークを見つけられます。仕込んであるものだけでなく、ハートに見えるものを発見して申請したら新たなものとして認定されることもあるそうです。
昔懐かしいホーローの看板が朝野家の敷地内に展示してあります。朝野社長のご趣味だそう。
温泉街のほぼ真ん中にある湯畑で卵を茹でて食べました(15分くらいでできあがり)。ホクホクジュワ~ッとしたゆで卵は美味しかったです。
湯村温泉は、山陰海岸ジオパークの一角を成しています。
出石(いずし) 和菓子作り & 着物を着て古い街なみを散策
但馬の小京都と呼ばれる出石。
「古事記」「日本書紀」にも名前を見ることができる歴史の古い城下町で、風情のある町並み(重要伝統的建築群保存地区)を着ものを着て散策したり、名物の皿そばなどで旅行者から人気があります。
<出石のシンボル 辰鼓楼(しんころう)は明治時代初期の時計台>
初めてなのに、どこか懐かしい通り。歩くだけで楽しいです。
出石では「和菓子作り体験」をしました。
これが私が作った和菓子です。けっこうよくできていると思いませんか(自画自賛!笑)
作っていると楽しくなってハマってしまいそうです。これも集中することで快楽ホルモンが得られるのではないかと思います。
そしてランチは「花水木」で名物出石の皿そばをいただきました。
皿そばは小皿にもりそばが乗って供されます。つゆに薬味やとろろを入れていただきます。
お皿もいろいろなものがあり、楽しいです。ひとり10皿食べましたが、するすると食べられました。
皿そば以外にも御膳(刺身、炊き合わせ、佃煮、ちらし寿司)がついたセットで、お腹一杯になりました。
但馬といえば但馬牛
但馬牛とは?
但馬牛は、兵庫県産の黒毛和種の和牛のこと。このうち、神戸肉流通推進協議会による基準を満たして生産され、同協議会が定める格付け基準を満たした牛肉を、但馬牛といいます。ひとことで言うと兵庫県内純潔の和牛とも言えます。但馬牛は、骨が細く、皮下脂肪が少なく、良質な筋繊維を持ち、「赤身と脂の旨さ」の絶妙なバランスが特徴と言われています。
兵庫県内で生まれた但馬牛(たじまうし)を兵庫県内で育て肉にしたものを但馬牛(たじまぎゅう)と呼ぶのだとか。
さらに但馬牛の中で一定の基準に合格したものだけを神戸ビーフと呼ぶことができるそうです。
兵庫県立但馬牧場公園では、但馬牛について学ぶことができる展示物があり、コースに沿って見学することができます。
但馬牧場公園内にある「レストランふるさと」で但馬牛のランチをいただきました。
おお~っ!堂々の但馬牛のお出ましです。
赤身と脂のバランスが絶妙というのがよくわかります。口に含むと、じゅわ~とろっむぎゅ~っと食感の余韻を残しつつ溶けていきます。う~赤ワイン欲しい!
まさに芸術品です。
牛肉重もいただきました。甘辛のタレが沁み込んで適度に脂も乗って、ご飯との相性はこのコンビ以上のものはありません。
但馬の温泉 湯村温泉
湯村温泉 朝野家
湯村温泉街の中心にある朝野家に泊まりました。
<先付け>
和紙の蓋を取ると・・・
朝野家は夕食もたっぷりいただきましたが、朝食も豪華でした。
朝野家は部屋数も66と旅館としては大きい方です。概して大きい旅館は、食事も外から調達することも多いそうですが、朝野家では、自分たちの手作りにこだわっており、朝4時から出汁をとり始めるそうです。朝、旅館内には温かい出汁の香りが立ちます。
朝からたっぷりのごちそうです。
左上に見えるハタハタ、淡泊な白身で美味しかったですね~。ハタハタといえば、秋田県で穫れる魚というイメージがあるかもしれませんが、意外に兵庫県の香美町は秋田県よりもハタハタの漁獲量は多いそうです。
但馬の魅力 まとめ
いかがだったでしょうか?兵庫県但馬エリアの魅力が伝わりましたでしょうか?但馬はひとつひとつにフォーカスしてみると、魅力に溢れたスポットがたくさんありました。
地元の方も仰っていましたが、但馬の人たちは奥ゆかしいというか、あまり「自分が自分が」と前に出てアピールすることは苦手らしいです。
逆に言えば必要以上に開発され過ぎていない、だからこそ本来その土地が持つ良さが、今も残っている貴重な土地と言えるかもしれません。食べ物も豊かで美味しかったです。山間部で朝晩と日中の寒暖差が大きいことで甘みのある作物が採れ、水が良いとくれば当然ですね。他の観光地に比べてそこまで混雑していないので、ゆっくりと旅を楽しむことができるでしょう。
兵庫県観光のダークホース「但馬エリア」に、あなたも一度訪れてみませんか?
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。