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海外旅行と、トラブルと、海外旅行保険と(1) 〜海外旅行保険の加入方法&実際に多いトラブルとは〜
<トップの画像:海外旅行保険イメージ/photo from pixabay>
目次
- いつも入りますが、幸い使ったことありません!海外旅行保険
- 海外旅行保険に入る方法は大きく分けて3つ
- 現場ではどんなことが起こる?何が補償される?補償されない場合とは?
- 保険の入り方によって、何か違いが出てくるのか?
- 私ならここをチェック!海外旅行保険のポイント
- 上手に選ぼう!海外旅行保険
いつも入りますが、幸い使ったことありません!海外旅行保険
こんにちは!126カ国を旅してきた海外添乗員のNatsukiです!
皆さんは、海外旅行へ出かける際、『海外旅行保険』には加入されていますか?
日本での生活では健康保険に始まり、生命保険、自動車保険等々ありとあらゆるものに『保険』をかけておられるかと思いますが、海外旅行となると『海外旅行保険』でないと補償はされないことがとても多いですね。
そんなの知ってますとも!(笑)
だからこそ皆さん海外旅行保険に入るのですよね^^
保険と言っても、値段も、入り方も、色々と異なります。
「幸いにも経験したことがないので、結局どこが(加入するにあたり)大事なのかよくわからない!」という方も多いと思います。
お任せください!!
200回以上、延べ5,000人のお客様の海外旅行を目の当たり(同行)してきた私が、海外旅行と、トラブルと、海外旅行保険の『実際のところ』をお話しさせていただきます。
海外旅行保険と一口に言っても、知っておくべき内容は結構多い!(泣)
今回は、
- 加入方法3選の違い&注意点
- 海外旅行で実際に多いトラブル例
- 使ってみたからこそわかる!保険を選ぶポイント
についてご紹介します。
※ここでご紹介させていただいているのは一般例です。実際に補償されるどうかはケースバイケースで異なり、関係各社の判断によります
※文中での「海外旅行」とは一般的な10日前後の団体ツアーを想定してお話ししております。(海外出張、ホームステイ、個人旅行は内容・観点が異なる部分がございます)
海外旅行保険に入る方法は大きく分けて3つ
まずは海外旅行保険に入る方法ですが、大きく分けて3つあります。
- (1) 旅行を申し込んだ旅行会社を通じて加入する
- (2) 自分で保険会社に申し込んで加入する(ネットや空港に設置されている窓口など)
- (3) クレジットカード付帯のものを利用する
では、それぞれ特徴をお話ししていきます^^
(1) 旅行を申し込んだ旅行会社を通じて加入する
こちらは最も手軽な方法ですね♪
海外旅行をお申し込みの際、旅行会社の予約窓口からの「海外旅行保険はどうしますか?」の一声に、「おすすめなやつをつけておいて下さい!」で手配完了、あとは旅行代金と一緒に保険代金も引き落とされ、旅行当日、お家を出た瞬間から保険の適応が始まるというものです。
メリットとしては、
「どのプランがいいのだろう?」なんて悩んだ時にも適当なプランを手配して下さいますし、とても手軽で簡単です^^
「掛け忘れた!」「証書を持ってき忘れた!」なんてこともなく(証書は通常出発空港で添乗員がお渡しします)、安心です。
「こんなに手軽で便利なら、みんなこれで加入しているの?」
そう思いますよね。
実際のところ、旅行経験がそう多くないお客様が内包されがちな「イタリア」や「オーストラリア」などのツアーでは、この手法で加入される方が圧倒的多数です。
(つまりは、旅慣れた方ほど、他の方法での加入に移行されるケースが多いです・・)
デメリットとしては、
他と比べて少し高めだということ。自分でネットで手配するなど、他の手法を使えばもっと安く抑えることもできます。
ただし、この方法での加入は何かトラブルがあった際、旅行会社も対応に加担する*ケースが多いため、とてもスムーズです。
これについては詳しく後述していきますね。
※全てのケースで旅行会社の対応が加わるとは限りません(保険会社のみで対応が完結する場合など)
(2) 自分で保険会社に申し込んで加入する(ネットや空港に設置されている窓口など)
次の方法は、ご自身で加入する方法です。自動車保険なんかも同じですが、近年はネット保険が(主にお安く入れる利点を活かし)利用する方が増えていますね。それと同様、海外保険もネットで、という方も増えてきている様に思います。
こちらを使う際のポイントになるのは「どの項目を手厚くかけておく必要があるかが(ご自身で)わかっている」という点です。
補償を手厚くしておいた方がいい項目、あまり使うことが少ないだろうから補償は最低限でいい項目、それらを把握しているからこそ適切な保険が選べますね。(自動車保険と全く同じイメージです)
海外旅行も同じです。
実際にそれなりに回数を行ってみると、よく使う補償、ほとんど使わない補償が炙り出されてきます。
(そうは言っても、いつ未曾有の大トラブルに巻き込まれんとも分からない・・と思えば、どれも手厚く掛けておきたくなるのですが^^;)
その辺りを賢く選択して加入できる様であれば、ある程度旅行慣れした方にはおすすめできる方法だと思います。
そしてもう一つ、空港に設置されている窓口などでご自分で加入するという方法もありますね。
あれは『駆け込み寺』とお考えいただくのがいいと思います^^;
なぜならば、そんなにお安くもないですし、同じ様な金額で入れる「旅行会社を通じての加入」によるメリット(前述)が受けられないからです。
「加入すっかり忘れてた!でも飛行機が飛び立つ前にはなんとかして加入したい!」
そう思ったら、駆け込み寺です!所要時間5〜10分程度でささっと手続きしていただけます。
(3) クレジットカード付帯のものを利用する
クレジットカードの特に上級クラス(ゴールドやプラチナ)には海外旅行保険のサービスが付いていることがあります。
海外添乗員も多く利用しているのが、クレジットカード付帯の海外旅行保険です。
また、「1~2月に1度は海外旅行に行く」というヘビーリピーターの方なども、こちらの海外旅行保険を利用されている方が圧倒的でした。
クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用するメリットは、以下のような点があります
- クレジットカードの年会費だけでいい(海外旅行保険料を別途支払う必要がない)
- 渡航に際し自動付帯される(※されないケースも稀にある)ので、出かける度に申し込む手間がかからない
ただしデメリットもあり、補償額が一般的な海外旅行保険よりも低い場合が多いです。
しかしそうは言っても、前述の通り『よく起きるトラブル』と『滅多に会わないトラブル』が存在するということを、回数を重ねていけば自然と気づくわけです。
「毎度毎度保険なんて手間だし!お金もかかるし!」となり、旅慣れていけば行くほど「クレジッドカード(の保険)があるからいいわ!」となっていくわけですね。
現場ではどんなことが起こる?何が補償される?補償されない場合とは?
みなさんが知りたいことは結局、「何かあった時にどうなるのか?」ですよね。
これには、海外で実際によく起きるトラブル事例と併せてお話ししていきましょう。
とある海外旅行保険のサイトによりますと、補償項目別の事故発生割合が多いのは以下の通りだそうです。
- 1. 治療・救援費用(約48%)・・・怪我や病気等
- 2. 携行品損害(約27%)・・・カメラなどの破損や、手荷物の盗難等
- 3. 旅行事故緊急費用(約20%)・・・予期せぬ偶然な事故により生じた費用(交通費・宿泊費等)
うん、確かに!!
私の実際の現場での感覚としても、この3点が圧倒的です。
添乗員は、旅行中の事故発生の証明書として「現認証(または第三者証明書)」という書類を作成するのですが、ツアーごとの作成率はほぼ100%!毎回のツアーで、何かしら依頼をいただき、お書きしているように思います。
この内容の8割は「携行品損害」によるもの、または「治療・救援費用」によるものというのが個人的な印象です。
具体的な例と、せっかくですので補償されない例も見ていきましょう。
【治療・救援費用に関して】※よくよく起こります
- 転倒し、肩が痛い→病院へ行った。骨折判明(手術&入院)←このレベルは稀
※通訳や交通費、診断書や国際電話料等通信費、自力で帰国するための航空券代
※ご家族が救援に向かった場合は、その航空券代やホテル宿泊費等も補償になることが一般的 - 階段で踏み誤り怪我(帰国後に通院する予定)
- 食事に当たったみたいで、ずっとお腹の調子が悪い(同上)
- コロナに感染し、現地で入院(保険会社のHP上の支給実例参照)
<補償されない主な例>
- 見てよくわからないもの(むちうち症・腰痛等で医学的他覚所見がない)
- 危険な運動での怪我(山岳登はん、スカイダイビング、ハンググライダー搭乗など)
- 歯科疾病
- 旅行開始前に発病した疾病(既往症)
【携行品に関して】※こちらもよくよく起こります
- 砂漠に行き、カメラに砂が入ったのか焦点が合わない(修理もしくは買い替えが必要)
- スーツケースの鍵が壊れた(同上)
- 観光中に気づいたらバックの口が開いていて、中に入っていたスマホがなくなっていた(盗難)
<補償されない主な例>
- 置き忘れ、失くしてしまった(紛失)
- わざと壊した(故意)
- 自然消耗や、機能に支障をきたさない外観の損害
- 現金・コンタクト・義歯
※補足:10万円のスマホが盗難にあったとしても、10万円が補償されるわけではありません(通常は免責、経年劣化等の額が差し引かれての支給になります)
【旅行事故緊急費用に関して】
- 空港へ向かっている途中に乗っていた電車が事故を起こし、飛行機に乗れなくなってしまった。数時間遅れで空港に到着、新たに航空券を買い直して渡航、本体と合流した(交通費)
- 帰国便が遅延し、日本に帰国するも空港付近に一泊宿泊することになった (宿泊代、食事代)
※理由や遅延時間によって航空会社が手配&負担してくれる場合もあります
=補償されない主な例=
- 原因が地震もしくは噴火またはこれらによる津波による場合 など
保険の入り方によって、何か違いが出てくるのか?
なるほど、現場ではこんなことがあるのか〜とお分かりいただけたかと思います。
次に、保険の入り方「(1)旅行会社経由、(2)各自、(3)クレジットカード付帯」によって何か違いがあるかをお話しします。
先述の例で、『旅行中に起きたことだけど、対応は帰国後で』というものが結構多く内包されていることにお気づきでしょうか?
「帰国したらお医者さんに診てもらおう」「帰ったら修理を依頼しよう」という類ですね。
この類は(1)(2)(3)どれで入ってもそう大差は無いように思います。(重い後遺症などのレアケースは除く)
差が出るのは『現場でなんとかしなければならない場合※』です。(※)帰国便がフライトキャンセルになったなど
(1)の旅行会社経由で加入している場合は、補償内容・状況把握等の対応がとてもスムーズです。
しかし(2)(3)の各自(クレジットカード含む)で加入している場合(または全く加入していない場合)、その場での対処(病院へお連れしたり、代替えの交通機関を手配したり)のお手伝いはできるものの、何が補償となるのか、申請にはどんな書類が必要か、ご自身で問い合わせ・確認をしていただく必要があります。
この点が、(1)と(2)(3)の違いになります。
「あまり旅慣れていない」
「持病があるので何か起きる可能性が他の人より高い。だから、いざというときには保険会社のみならず、旅行会社の方にも対応してもらいたい!」
などという場合には、旅行会社経由がスムーズでおすすめです。
私ならここをチェック!海外旅行保険のポイント
まず、トラブルがあった場合に対応のファーストステップは「とりあえず保険会社に電話」です。その際にとても助かるのが『24時間日本語サポート』。自分が今どんな状況なのか、それをお伝えすると次にすべきことを冷静にお伝えくださいます。
疾病の場合には保険会社と支払い等の連携があるお医者様は近くでどこなのか、盗難であれば次にどこへ行くべきなのか(領事館か、警察署か)等々・・
ただでさえトラブルで頭の中がパニックなのに、英語でなんて説明するの?しかも聞いた事ない言葉ばかりで理解できないし!
そもそも営業時間外で電話が通じないし!!
こんな状態は避けたいものです。。
また、それと並ぶくらい大事なのが『キャッシュレスメディカルサービス』です。首がちょっと痛い等の軽度の症状での通院であれば立て替えて事後請求でも痛くも痒くもありません。
しかし、手術や入院など大ごとになったらどうでしょう。立て替えて・・って難しい場合があります。
そんなときにありがたいのが、保険会社と病院とで支払いの提携をして、直接保険会社から病院への支払いを行なってくださるこちらのサービスです。
こちらは前述の通り定型がある病院とない病院があるようですので、第一報を保険会社に入れる際、確認したい項目ですね。
上手に選ぼう!海外旅行保険
いかがでしたでしょうか^^
海外旅行保険の概要がなんとなく理解できましたか?
一般の方で『経験豊富です!』というほどトラブルに遭遇しておられる方も多くはないのではと思います。また、トラブルはいざ起こると緊張とストレスでなかなか冷静な判断や思考ができなくなったりしますので、これを機に、想像を巡らせ「こうなったらどうなるのかな?」とケーススタディーをしておくと、いざという時の対応が随分と異なってくると思います。
人の数だけ旅があるように、旅の種類・期間・場所・経験値等によっても最適な保険は異なるように思います。
それらを十分に考慮し、加入の仕方や補償内容等お決めになってみてくださいね^^
ではまた、Natsukiでした!
※本文でご紹介させていただいているのは参考例です。実際に補償されるどうかは保険会社・プラン内容・実際のトラブルの発生状況等によって異なります。あくまでも参考とお捉えいただき、ご自身での保険会社へのご確認も忘れずにお願いいたします
【こちらの記事は動画でもご紹介しています】
よろしければご覧になってみてください^^
▼【海外旅行保険】海外添乗員が教える!知っておきたい保険の基礎知識
(おまけ情報として「添乗員に人気のクレジットカード3選」「知っておきたい!高山病」などもお話ししています♪)
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Natsuki
- 添乗員として日本全国・120カ国以上を訪れ、身も心も旅行に捧げた旅行好き。歴史系・文化系が得意ですが、自然系のツアーも大好きな信州生まれ。子育て真っ最中の中、お家から皆さんに「役立つ旅行のノウハウ」をお伝えしています!