タイ・プラヤーナコーン洞窟で天から光が差し込む神秘の宮殿観光

プラヤーナコーン洞窟

タイのプラチュワップキーリーカン県(Prachuap Khiri Khan Province)にある神秘の宮殿はクーハーカルハット宮殿と呼ばれ、プラヤーナコーン洞窟(Tham Phraya Nakhon)の中にあります。

プラヤーナコーン洞窟はタイの洞窟の中で最も有名で、ここに最初に訪れた王がラーマ5世(King Chulalongkorn/在位1868-1910)です。その来訪のために神秘的なクーハーカルハット宮殿が建てられたことから、タイの中でも大切な場所の1つ。

途中で出合える野生のかわいい猿を含め、洞窟への道のりと美しい宮殿をご紹介します。

目次

プラヤーナコーン洞窟とは

カオ・サームローイヨート海洋国立公園
<山が多く伝説がある付近一帯>

プラヤーナコーン洞窟は、カオ・サームローイヨート海洋国立公園(Khao Sam Roi Yot National Park)内にあります。観光地としては日本からの観光でも人気が高まってきたホアヒン(Hua Hin)から、南に約60kmとなります。この辺りは広く湿地帯になっており、また多くの山々が見事な景観を形成しているのです。

山が多いことから「300の山のピークを持つ」と表現されることがあります。

ところでこの300には別の伝説が残されています。その昔、中国人を乗せた船が難破し、乗船していた300人がこの地に逃れたというもので、いずれにしましても300という数字がキーワードになっているのです。

プラヤーナコーン洞窟に向かう

プラヤーナコーン洞窟
<洞窟への行き方は複数ある>

駐車場からプラヤーナコーン洞窟までは2通りの行き方があります。受付を済ませて石段を上り歩いて行く方法と、途中の砂浜までボートを使って行く方法です。今回は歩く方法をご紹介します。

入場料金200バーツを支払い、すぐ左側の岩場を削って作られた石段を海岸に沿って上がって行きます。受付から洞窟までは約2kmですが、徒歩の魅力は、美しい海を見下ろし、石段の下りでは前方に広がる海を見ながらになることです。

ここでタイ観光での注意点を1つ書きます。多くのタイ人の日常生活はサンダルが基本で、サンダルのまま観光に出る人も多くいます。しかしながら、日本からの観光の場合は靴をおすすめします。

その理由ですが、日本とは比較にならないくらい街中を含めて段差が多く、つまずきやすいことが1つ。もう1つは色々な虫がいて、足を刺されたり、噛まれたりする可能性もあるからです。

せっかくのタイ旅行で思わぬケガをしては残念ですので、暑いからといってサンダルを使わず、できるだけ靴で観光することをおすすめします。

約1kmの砂浜を歩く

砂浜
<アップダウンの後に続く砂浜>

約15分の岩を削って作られた石段の上り下りが終わると、左側に浜辺が広がる場所に到着。受付付近の駐車場からボートに乗っても、ここで下船になります。

付近は絶好の撮影場所になっていますので、休憩を兼ねて色々な撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。この辺りはヤシの木などが茂り、日差しを避けてくつろげる場所となっている上に、レストランがあり食事をすることもできます。白い砂浜が広がる浜辺を散策するのも、楽しい時間でしょう。

洞窟への道ですが、浜辺を歩き、途中の案内に従って右方向に進みます。英語と矢印があるので迷うことは無いでしょう。タイの海を眺められる浜辺は約1km続きます。

洞窟手前にいる野生のかわいい猿たち

ヤセザル
<目元がかわいい野生のヤセザル>

この辺りでは、日本でヤセザルと呼ばれる猿たちを見ることができるでしょう。ちなみに日本には野生のヤセザルは存在せず、貴重な体験をすることが可能です。

英語ではDusky Langurと呼ばれています。Leaf Monkeyともいわれますが、インド、スリランカ、中国南部から東南アジアにかけて生息しています。目の周りが白く、とてもかわいい顔で動き回る姿を見ていると、大自然の中にいることを改めて感じることができるはずです。

なお、海外に限らず国内観光でも、絶対に野生の生き物たちに餌を与えないようにしましょう。生態系に悪影響を与え、人慣れしてくると、餌が欲しくて人に攻撃してくる事態もあるからです。

岩場を上る

<浜辺の後は再び岩場を上る>

洞窟まで430mと書かれた案内からは、岩場を削って石段が作られています。ここから再び上りとなりますが、マイペースを忘れないでください。ところどころ、段差が大きい場所もありますので、足元には注意をしながら進みましょう。

なお、かわいい猿たちは岩場の途中でも見かけることがあります。周囲の木々の枝から枝に飛び移る様子もじっくりと観光してください。

洞窟の中へ

<岩場を下り洞窟の中の入る>

岩場の上りが終わり、下って行くと洞窟の中まで進むことができます。途中ではやや広い場所に出ます。そこで上を見上げると、二筋の光が岩の間から差し込んでいる場所があり、不思議な景観に。この細い岩場は「死の橋(Death Bridge)」とも言われますので、看板を見かけたら見上げてみてください。

岩の前後は、時に急な階段になっていますので、足元に注意をしながら下っていきましょう。

美し過ぎる神秘の光と宮殿

<歴史あるクーハーカルハット宮殿で神秘の時間>

二か所の光が差し込む岩から洞窟の中を左方向に進むと、一気に視界が開けすぐに宮殿がある広い空間に出ます。

タイ国の王であったラーマ5世の来訪のための宮殿が作られたこの場所は、洞窟の上にぽっかりと空いた穴から光が差し込み、光が広がりながら宮殿を照らす神秘的な美しさ!

天から差し込む光がきれいな時間帯は、午前10時から12時までの間です。その中でとくに10時半から11時半の1時間がもっとも美しいといわれています。

ラーマ5世は歴代の王の中で特に人気の高い王様です。奴隷制の廃止、学校制度の充実、道路などのインフラ整備、官僚制度の確立など、様々な近代化を行いタイの発展に貢献したのです。

なお、宮殿周囲は散策することができます。宮殿の反対側には広がった場所があり、せっかくここまで来たのですから時間の許す限り隅々まで観光してみてはいかがでしょうか。

まとめ

クーハーカルハット宮殿はラーマ5世だけではなく、その後7世、そして今でも絶大な人気を誇る9世も訪れています。そして5世と7世は訪れた記念に洞窟の壁に書き込みをしており、そこも観光名所となっていますので探してみてください。

また、死の橋の近くには鍾乳石が滝のようになっている奇観もありますので、見逃さないようにしましょう。

タイ観光ではプラチュワップキーリーカンにあるプラヤーナコーン洞窟まで足を運び、クーハーカルハット宮殿に差し込む神秘的な光を見ることを、タイ在住者として強くおすすめいたします。

プラヤーナコーン洞窟

  • 住所:Sam Roi Yot, Sam Roi Yot District, Prachuap Khiri Khan 77120
  • 営業時間:08:00〜15:00
  • 料金:200バーツ

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大里康正

風彩光真 光と影の写真家、世界を歩く旅作家で、日本の全都道府県を3周し各地を観光取材。テレビ番組への写真提供、新聞社からの取材多数。現在はタイ在住。世界遺産を含めたタイの有名な見どころ、そしてあまり知られていない驚くような素晴らしい観光地も紹介していきますよ!

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