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【長野】世界でここだけ!ニホンザルが温泉に入る地獄谷野猿公苑
<トップ写真 提供:信州たてしな観光協会 渡邉岳志氏>
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
いきなりですが、地獄谷温泉ってご存知ですか?(え、どこ?)
では、地獄谷野猿公苑ってご存知ですか?(うーん、聞いたことあるような...ないような...)
最後に、温泉に入るお猿さんってご存知ですか?(あ、見たことがある!)
長野県北部の志賀高原へ向かう途中に地獄谷野猿公苑(じごくだにやえんこうえん)があります。マスコミやSNSで『温泉に入るお猿さん』として一躍有名になりました。また、海外からの観光客にも日本で行きたい観光地のひとつとしてノミネートされるほど、有名になりました。でも、有名になっても行ったことがない人にとってまだまだアクセス方法や、現地の状況がどうなのかが、今ひとつ分からない観光地でもあります。特にスノーモンキーと呼ばれる冬期(11月頃から4月頃)は、雪道を歩かないと行くことができないので、危険も伴います。
地獄谷野猿公苑に行ってみてはじめて分かったことなどをレポートしますので、参考にしてみてください。
目次
- 地獄谷野猿公苑について
- 地獄谷野猿公苑へのアクセス方法(公共交通機関を利用する場合)
- スノーモンキーパークバス停からの地獄谷野猿公苑山道入口への道のり
- 地獄谷野猿公苑山道入口から地獄谷野猿公苑への道のり
- 地獄谷野猿公苑での注意事項
- 地獄谷野猿公苑内の様子
- 果たしてニホンザルは温泉に入浴していたのか???
- 地獄谷野猿公苑へ行く際に注意すること
- 地獄谷野猿公苑の詳細
地獄谷野猿公苑について
「1950年代、志賀高原を源流とする横湯川の下流周辺に、農作物へ被害を与えたことから駆除される予定のニホンザルたちがいました。しかし、それは戦後の林業や開発によって、すみかや食料を失ったサルたちでした。当苑の初代苑長・原荘悟は"サルたちを山中に留め、人間とのトラブルをおこさないようにする"ため、3年がかりで餌付けを成功させ、人里離れた地獄谷に当苑をつくりました。それから50年以上。地獄谷野猿公苑は"サルと人間の共生"を目指すとともに、訪れる方々に自然な姿のサルたちを観察していただけるように環境を整えてきました。間近でサルたちの様々な生態をご覧いただき、少しでも興味・関心をお持ちいただければ幸いです。」【パンフレットより引用】
地獄谷野猿公苑へのアクセス方法(公共交通機関を利用する場合)
アクセス方法は2通り。どちらも長野駅が起点となります。
【ルート1】←僕が利用したルートです
JR長野駅東口==(路線バス:約41分)==スノーモンキーパークバス停・・・(徒歩:約35分)・・・地獄谷野猿公苑
※バス代は大人片道1,500円です。
※JR長野駅東口は新幹線側、善光寺口とは逆の出入口です。
※路線バスは8時台から21時台まで昼間であれば1時間に1本運行しています。
※冬期の地獄谷野猿公苑の営業時間は9時~16時です。16時頃には真っ暗になりますので早めに行動しましょう。
例:JR長野駅東口11:15発のバスに乗るとスノーモンキーパークバス停に12:02着、地獄谷野猿公苑まで歩いて到着は12:40頃です。※冬期は閉苑時間から逆算するとJR長野駅東口13:15発(14:40頃着)のバスに乗らないと間に合いません。
- 路線バスの時刻表は長電バスのHPにて必ず事前にご確認ください。季節により(夏期と冬期)で運行時刻が変わります。HP内の急行バスから長野〜志賀高原線をご覧ください。
【ルート2】
長野電鉄長野駅++(特急電車:約38分)++湯田中駅=(路線バス:約15分)=スノーモンキーパークバス停・・・(徒歩:約35分)・・・地獄谷野猿公苑
※電車運賃が1,190円+特急料金100円、そしてバス代が310円、合計1,600円です。
※長野電鉄長野駅はJR長野駅善光寺口を出て北側地下が乗り場です。
※長野電鉄の特急電車は1時間に1本程度運行しています。その先の路線バスが1時間に0〜2本程度の運行です。
例:長野電鉄長野駅11:33発の特急に乗り湯田中駅に12:18着、駅前から13:05発の路線バスに乗りスノーモンキーパークバス停に13:15着、地獄谷野猿公苑まで歩いて到着は13:50頃です。※冬期は閉苑時間から逆算すると長野電鉄長野駅を上記電車に乗らないと間に合いません。
- 長野電鉄の電車時刻表は長野電鉄のHPにて必ず事前にご確認ください。
- 路線バスの時刻表は長電バスのHPにて必ず事前にご確認ください。季節により(夏期と冬期)で運行時刻が変わります。HP内の路線バス、奥志賀高原線をご覧ください。
スノーモンキーパークバス停からの地獄谷野猿公苑山道入口への道のり
JR長野駅東口を出ると路線バス乗り場があります。乗り場は23番、バスは長電バスが運行しています。
約41分でスノーモンキーパークバス停に到着します。
バス停前には湯田中渋温泉郷の地図看板がありますが、どちらに進んでいいのか分かりづらいです。
スノーモンキーパークバス停前には志賀高原ロマン美術館があります。お洒落な建物なのですぐに分かります。
※冬期に車で地獄谷野猿公苑を目指した場合、山道入口手前に2ヶ所駐車場がありますが、そこが満車の場合はこちらの駐車場(無料)に回されます。
まずはトイレもここで済ませましょう。
山ノ内町立志賀高原ロマン美術館を正面に向いて左へ進みましょう。少し下り道です。
山ノ内町立志賀高原ロマン美術館前にはこのような看板が出ています。
50mくらい下ると寺院が見えてきて左右の道路に合流します。ここを右に進みます。ここから上り坂となります。(バス停からここまで徒歩3分)
この上り坂は結構長いので、息が上がってしまいました。
しばらく進むと塵表閣本店(じんぴょうかくほんてん)を右に、正面に湯宿せきやの建物が見えてきました。
道が湯宿せきやの前で突き当りますので、右折します。(バス停からここまで徒歩6分)
このあたりは上林温泉(かんばやしおんせん)と呼ばれる温泉街です。地獄谷野猿公苑はスノーモンキーパークとも呼ばれています。お猿さんの看板が可愛いですね!
まだまだひたすら上り坂が続きます。
地獄谷野猿公苑専用の駐車場が左にありますが、ここはこの先の駐車場が満車になった時に開放されるようです。
冬期に車で地獄谷野猿公苑を目指すとこの右側に見える駐車場を利用することになります。駐車料金は無料、8:30〜17:00まで開放されています。なお、ここにトイレが併設されていますので、必ず済ませておきましょう。(バス停からここまで徒歩10分)
※この駐車場が満車の場合は、先程の少し手前左の駐車場へ。そこも満車の場合は、スノーモンキーパークバス停の駐車場へ回されます。
※ナビは「上林ホテル仙壽閣」TEL 0269-33-3551 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏1410で検索しましょう。スノーモンキーパークバス停に回されたら、ナビは「志賀高原ロマン美術館」TEL 0269-33-8855 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏1465で検索しましょう。
※冬期は渋温泉からのアクセスはできません。
車利用の人もここから徒歩で地獄谷野猿公苑を目指します。
地獄谷野猿公苑の山道入口に到着しました。(バス停から徒歩12分)
地獄谷野猿公苑山道入口から地獄谷野猿公苑への道のり
地獄谷野猿公苑の山道入口です。ここに地獄谷野猿公苑のINFO&GIFT SHOPがあります。冬期の場合、まずここで服装、靴、鞄を確認しましょう。
服装は防寒着が必要です。
ここでは、服のレンタル(500円)・販売(500円〜)しています。靴は滑り止め、くるぶしまでの靴が必要です。同じく、レンタル(800円)・販売(1,350円〜)しています。鞄は山道なので持っていけませんので預けましょう。荷物を預かってもらえます(500円)。
※冬期は軽装で行ってはいけません。11月から4月まで雪が降ります。山道も雪が積もっています。非常に危険です。
山道入口を入るとまずは緩やかな階段から始まります。
すぐに山道になります。舗装はされていませんがよく整備されています。
途中、手打そば処「羅臼庵」への分岐があります。(バス停から徒歩17分・山道入口から徒歩5分)
山道にはこのように地獄谷野猿公苑のボードが立っています。AからEまで5枚あります。
A看板は「我々は本当に違うのか?」と「志賀高原ユネスコパーク」がテーマです。
B看板「喜びに包まれた赤ちゃんの誕生」と「豊かな緑と植生」がテーマです。
C看板「母と子の深い絆」と「ニホンカモシカ」がテーマです。
山道は険しくはないもののこのように雪道と土道になります。雪道はところどころ凍っていて、土道は雪解けでベチャベチャです。
雪だけの道もあります。アイスバーンに気をつけながら進みます。
山道は森林の中の斜面に面して造られています。左側は急な斜面になっているので滑落しないように注意が必要です。冬場は滑り止めを付けておかないと生きた心地がしません。
D看板「耐え忍ぶ厳冬」と「湯道遊歩道」がテーマです。
休憩所が見えてきました。(バス停から徒歩29分・山道入口から徒歩17分)
休憩所の中には「スノーモンキーの一日」が紹介されています。
さらに雪道を進みましょう!
E看板「そう、ここにも人間と同じ世界がある。ようこそ、スノーモンキーの世界へ」と「カエデの仲間がたくさん!」がテーマです。
奥に進むにつれ山道も雪深くなります。このあたりで山道の積雪は30cmくらいあります。
建物が見えてきました。地獄谷温泉の入口です。
地獄谷温泉のお地蔵さま。かわいい!
よく見るとお猿さんがいました。何か採って食べているみたいです。
地獄谷温泉は一軒宿「後楽館」があります。あの橋を渡ると「後楽館」に到着します。昼食(そば)と日帰り入浴が可能です。
地獄谷温泉「後楽館」へ渡る橋。(バス停から徒歩38分・山道入口から徒歩26分)なお、地獄谷野猿公苑へは右に進みます。
正面に煙が上がっているのが地獄谷噴泉です。
階段を30mほど上り左へ進みます。
階段を上りきって左へ曲がったところ。アスファルトの道を進みます。
地獄谷温泉「後楽館」の全景です。素朴な温泉宿ですね。
地獄谷野猿公苑の入口が見えてきました。(バス停から徒歩42分・山道入口から徒歩30分)
地獄谷野猿公苑での注意事項
「地獄谷野猿公苑を訪れた方の多くが"ここのサルはおとなしい"とおっしゃいます。しかし、当苑のサルたちが特別なわけではありません。適切な付き合い方をすれば、ニホンザルとは"このいうもの"なのです。世間一般に凶暴、ずる賢いなどの負のイメージを持たれがちなニホンザルですが、それらは安易な考えによる餌付けなど、人間と不適切な関わり方をした結果であって、ニホンザルの本質ではありません。当苑では、サルと来訪者が適切な距離感を保てるように、"来苑者のエサやり禁止"をはじめとしたルールを定めています。」
- 触ったり手を出したりしないでください。おどかしたりしないでください
- 観察や撮影は1m以上距離を取ってください
- 犬・猫などは連れて入れません
- 食べ物を見せたり与えたりしないでください
- カメラ・ビデオ・スマートフォンでの撮影は可能です
- この地域でのドローン使用は禁止。水中撮影禁止。自撮り棒を使用しての撮影は禁止
必ずルール厳守でお願いします!
地獄谷野猿公苑内の様子
地獄谷野猿公苑の入口で入苑料を払います。大人(18歳以上)800円、こども(小学生〜高校生)400円です。
建物を抜け公苑内を歩きます。
この奥にニホンザルが入浴している温泉があります。
見えてきました。この橋を渡ると温泉に到着です。
ほらあそこです!
橋を渡っているとウトウトしているお猿さんがいました。
橋の柵にもたれかかってじっとしているお猿さんもいました。
3月ですが、周囲の山々はまだまだ雪が積もっています。
ここにもここにもあそこにも!
軽快に雪山を上っていきます。
果たしてニホンザルは温泉に入浴していたのか???
この日は暖かく、お猿さんはお風呂には入っていませんでした。この温泉は源泉かけ流しでお湯の温度は40℃くらいだそうです。
温泉のそばにたたずむお猿さん。。。
冬場は毛皮に覆われたようにふさふさしていますね。秋の終わり頃から長く厳しい冬に向け、体毛の量と長さが増すそうです。
妄想しているのかしら...。
温泉には入らずこちらに向かってきました。
ん?何しているのかな?
正面から見ると温泉を飲んでいるような...。
係員に伺ったところ、この行為が何をしているのかまだ分かっていないそうです。温泉の成分を摂るために飲んでいるのか、体温を上げる(キープする)ために口をつけているのか、ただ遊んでいるのかなど信州大学と研究中だそうです。
それにしても可愛いですね。
こちらではグルーミング(毛づくろい)中です。
グルーミング(毛づくろい)はシラミやシラミの卵を取り除き、体を清潔に保つとともに、サル同士のコミュニケーションでもあるそうです。
兄弟かな?とても仲良しでした。
小猿同士がくっついています。
ちなみにこれは真冬の写真。温泉に入るサルは、厳しい寒さをしのぐため。なので、主に気温が低く、暖かい日差しがないときに温泉に入るそうです。1日中入浴しているわけではなく、時間が決まっているわけでもありません。気温や天候、サルたちの気分によって入浴の頻度や頭数は大きく変わるそうです。
<写真提供:信州たてしな観光協会 渡邉岳志氏>
地獄谷野猿公苑の売店です。お猿さんのグッズがたくさん販売しています。ぜひお土産にどうぞ!
地獄谷野猿公苑の売店に貼ってあったポスター。まさにスノーモンキーですね。
地獄谷野猿公苑の四季。四季に渡りニホンザルの活動を知ることができます。
地獄谷野猿公苑へ行く際に注意すること
- 冬期は冬装備が必要です。服装、滑り止め(軽アイゼン)の靴は必ず必要です
- 早ければ11月から雪が振り始めます。遅ければ4月まで雪が降り、地面には残ります
- モンキーパークバス停から地獄谷野猿公苑駐車場まで徒歩10分
- モンキーパークバス停から地獄谷野猿公苑山道入口まで徒歩12分
- モンキーパークバス停から地獄谷野猿公苑入口まで徒歩42分
- 地獄谷野猿公苑駐車場から地獄谷野猿公苑山道入口まで徒歩2分
- 地獄谷野猿公苑駐車場から地獄谷野猿公苑入口まで徒歩32分
※無冠雪時期は5分程度時間が短縮されると思います。
- 山道に入ると売店がありません。ドリンクは事前に用意しておきましょう
- 山道に入るとトイレがありません。駐車場のトイレを利用しておきましょう
- 冬期は16時頃には真っ暗になり山道を歩くのは大変危険です
- 車の場合、春から秋にかけて(4月から11月頃)は渋温泉から地獄谷駐車場までアクセスが可能です。しかし、とても狭い道なので通行には注意が必要です。こちらの駐車場(有料)からだと地獄谷野猿公苑まで徒歩15分程度です。ただし、山道を歩く服装と靴が必要です
※ナビは「上林ホテル仙壽閣」TEL 0269-33-3551 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏1410で検索しましょう。
※スノーモンキーパークバス停に回されたら、ナビは「志賀高原ロマン美術館」 TEL 0269-33-8855 長野県下高井郡山ノ内町大字平穏1465で検索しましょう。
※大きな荷物を持っている場合、長野駅のコインロッカーに預けるか、地獄谷野猿公苑山道入口のINFO&GIFT SHOPで預けましょう。キャリーケースを持っての山道の歩行は危険です。
- 車椅子での通行もできません
★お猿さんが温泉に入浴していなくても文句を言ってはいけません!
地獄谷野猿公苑の詳細
- 住所:長野県下高井郡山ノ内町平穏6845
- HP:地獄谷野猿公苑
- SNS:Facebook、Instagram
- 営業時間:夏季(4月頃〜10月頃)8:30頃〜17:00頃 冬季(11月頃〜3月頃)9:00〜16:00頃
- 休苑日:無休
- 入苑料金:大人(18歳以上)一般800円 こども(小学生〜高校生)一般400円
※20名以上で団体料金が適用されます。
※6歳未満のこどもは無料です。
★ライブカメラで苑内の様子を見ることができます。
帰り道、上林温泉にもお猿さんがいました。僕のすぐ横を何食わぬ顔して歩いていきました。
※当記事は、2022年3月中旬に訪問したときのものです。最新情報はSNSにてご確認ください。
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。