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ジャマイカってどんな国?観光局にインタビュー!この国でできる特別な体験とは?
<ジャマイカで一番美しい海岸といわれるセブンマイルビーチ/写真提供:ジャマイカ観光局>
こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。
突然ですが、ジャマイカと聞いてどんなことを想像しますか?
- カリブ海に浮かぶリゾートアイランド?
- ウサインボルト選手?
- ボブスレーのクールランニング(懐かしい~)
最近では東京オリンピックにおいて、パーチメント選手とボランティアスタッフ女性との心温まるエピソードがありましたね。
>>>金メダルへ名アシストした女性ボランティアスタッフを、ジャマイカ旅行へ招待!
でも日本の私たちにとって、ジャマイカはまだまだ未知の国なのではないでしょうか。
今回ジャマイカ観光局の方にインタビューする機会をいただきました。私が知らないことがたくさんありましたので、その魅力をここでたっぷりお伝えしたいと思います。
ジャマイカは人工的に造られた単なるビーチリゾートの国ではありませんでした。
ジャマイカで味わえる"特別な体験"とはいったいどういうものなのか、どうぞお読みください。
目次
- ジャマイカの基本情報
- ジャマイカに金メダル(オリンピック)が多い理由
- ジャマイカ人の国民性は?
- ジャマイカの治安は?
- ジャマイカの対日感情は?
- オールインクルーシブの発祥の地はジャマイカだった
- 日本人が楽しめるジャマイカのおすすめ観光スポットとは?
- 他のカリブ海リゾートの国と比べてジャマイカの魅力とは
- 日本人の皆さんへのメッセージ
- 取材後の感想
ジャマイカの基本情報
中米のカリブ海沿岸に位置する島国で、人口は約270万人。国土は秋田県や岐阜県と同じくらいの広さです。ジャマイカという国名は先住民の言葉で「木と水(または泉)の地」という意味。
歴史的にはスペイン、イギリスの統治下におかれた歴史を持ち、現在は独立していますがイギリス連邦に属しています。英語が広く通じます。人種は西アフリカ系が90%以上で、音楽が盛んでレゲエの生まれた国。主産業は、観光業と鉱物資源で、首都はキングストン。日本から旅行する場合は直行便がないため、アメリカやカナダ経由となります。一般的はツアー日数は7日~9日間くらいからとなります。
さて、ここからはインタビュー形式で参りましょう。
以下の質問にお応えいただいたのは、ジャマイカ観光局のマージョリー・デューイさんです。
オリンピックでジャマイカは多くの金メダルを獲得していますが、その秘訣は何でしょうか?
ジャマイカがたくさんの金メダルを獲れる理由として次の3つのことがあるでしょう。
1. ボルトのような有名アスリートと子供たちが接する機会がたくさんあること
2. ジャマイカ政府が有望な子供たちを援助、育成する土壌があること
ジャマイカには貧しい子もいるので、能力があっても国の支援がないと伸ばすことができません。 国として有望な人々をバックアップして才能を開花させているのです。
3. 選手とコーチとはファミリーのような関係
国民全体としていえることのですが、人と人のつながりをジャマイカ人はとても大切にしています。コーチは選手の親代わりのようなものです。そうして強い絆で結ばれた選手たちは存分に力を発揮できるのです。
ジャマイカの人たちの国民性はどのようなものですか?
昔イギリス領だったこともあったせいか、ジャマイカの人たちは単に明るいだけでなく、キチンとしています。マナーやビジネススタイルも意外に(?)フォーマルなのです。弱い人たちへの気遣いも徹底しています。
例えば、バス内で体の不自由な人を見かけたら、自然に席を譲ります。気づかずに席に座っている若者がいたら、周りが席を代わりなさいという文化が根づいています。学校も多く、宗教の信心も強い。日曜日に家族で揃って礼拝に行くのは当たり前です。教育と宗教が根っこにあると思います。
ジャマイカの治安はどうなのでしょうか?
ジャマイカの犯罪発生率は世界的には高い方なのですが、観光地エリアでの犯罪は逆に少ないのです。起こっているのは、ギャングや麻薬関連の犯罪で、観光客の行動範囲と別の世界で起こっています。
ジャマイカの観光客受入システムの特徴として、観光局の働きにあります。例えば事故、事件、トラブルがあった場合、必ず観光局に連絡が来るようになっています。対応を警察に任せっぱなしにしないで観光局も関与します。それはジャマイカが観光で成り立っていることを国が重視し、観光客の安全を重視していることの証で、観光局がそこまで関わっている国はとても珍しいのです。
対日感情は良いのでしょうか?
今から25~30年前、日本ではハネムーンの旅行先としてカリブ海沿岸のリゾート(ジャマイカ、バハマ、カンクンなど)が大人気でした。その当時日本からジャマイカへの観光客数は3万人に届くほどでした。日本人観光客は優しくて礼儀正しくてとても印象がよかったようで、ジャマイカの人たちは日本の人たちが大好きです。最近では、レゲエ関連でダンスをする日本の若い女性も増え、ジャマイカで行われるコンテストで優勝したりしていますよ。
話は変わりますが、オリンピック、パラリンピックで海外のアスリート、メディアがこぞって絶賛したのが、日本のボランティアスタッフの人たちです。
彼らのホスピタリティ、サービスは素晴らしかったと。この話を日本のメディアはそれほど取り上げていませんでしたが、日本の「おもてなし」は世界中で認められ、賞賛されていますよ。これは日本が誇るべきことだと思います。
オールインクルーシブの発祥の地はジャマイカと聞きましたが・・・
今や世界中のリゾートで見られるようになった「オールインクルーシブ」システム。実はその制度が始まったのは、ジャマイカなのです。
「オールインクルーシブ」とは?
ホテル料金に、滞在中の食事・ドリンク類・施設利用料・アクティビティ料金などが全て含まれている料金体系のこと。滞在中財布を持ち歩く必要もなく、料金を気にすることなく滞在を楽しめる便利なプラン。
オールインクルーシブは、ジャマイカ観光の父と言われるエイブ・イサが考案しました。そのコンセプトは「ラグジュアリー」プラス「ロマンス」。ホテルに着いたらゲストは何も考えなくていい、ホテルは心からリラックスできる空間であるべき。それがイサの考え方です。
自分の好きな時に好きなことが出来るプライベートな空間、風景の中で非日常の特別な体験ができる。今人気のクルーズの旅と似ているかもしれません。
オールインクルーシブは、「カップルズリゾート」から始まりました。
<オールインクルーシブ発祥のホテル、カップルズリゾート/写真提供:couples negril>
日本人が楽しめるおすすめのジャマイカの観光スポットはありますか?
たくさんあって絞るのはとても難しいですが、いくつか挙げてみましょう。
ひとくちに「オールインクルーシブ」と言っても、サービスのバリエーションが豊富で、ハーフムーンやラウンドヒルのような高級ホテルクラスから、ミドル、カジュアルクラスのカテゴリーもあります。ご自分のニーズに合わせたオールインクルーシブを楽しむことができるでしょう。
ジャマイカといえば"海"を想像する人が多いと思いますが、実はジャマイカは国土のほとんどは山なのです。滝を登ったり、竹のいかだで川下りをしたりするアトラクションもエキサイティングですよ。
海のアトラクションでおすすめなのは、ルミナスラグーンです。夜ボートで海に漕ぎ出します。空には満点の星。そして海が青く神秘的に光ります。
>>>現地ツアー会社「ジャマイカトラベルファクトリー」のプランを見てみたい人はこちらへ
珈琲で有名なブルーマウンテン(標高2,256m)でハイキングを楽しむのも人気のプランです。
最近では「farm to table(農場から食卓へ)」と呼ばれる山の中の小さな村で地元の料理を楽しむプランもあります。
ジャマイカは、人工的に造られたテーマパークのような観光地ではなく、もともとあった大自然の中に観光客も入りこんで楽しむことができます。自然が豊かで懐が深い。それがジャマイカの魅力のひとつと言えるでしょう。
旅行といえばグルメが楽しみのひとつだと思いますが、ジャマイカ料理のレベルが昔に比べて格段にレベルアップしたのもおすすめポイントです。
アメリカやヨーロッパから優れたシェフがたくさんジャマイカのホテルに招聘されてやって来ました。そのシェフ達がその後、自分でお店をオープンしてジャマイカにとどまる人も出てきて、ジャマイカの食事の質がとても上がりました。
<ジャマイカの代表料理ジャークチキン/写真提供:ジャマイカ観光局>
首都キングストンにはレゲエの神様 ボブ・マーリーの家が残っており、観光スポットになっています。通常、観光スポットは、観光客ばかり訪れて地元の人は見向きもしないことが多いですが、ここは地元の人がこの家を守ろうとしている姿勢がとても感じられます。それだけ彼らがボブ・マーリーを愛しているということの表れなのです。
<レゲエの神様 ボブ・マーリー/写真提供:ジャマイカ観光局>
<ボブ・マーリーが住んでいた部屋/写真提供:ジャマイカ観光局>
あの有名な「007」シリーズの作者であるイアン・フレミングはジャマイカに住んでいました。007シリーズはそのほとんどがジャマイカで書かれたようです。映画最新作(2021年)のオープニングシーンはジャマイカで撮影されたようですよ。
他のカリブ海リゾートの国と比べて、ジャマイカの魅力とは何でしょうか?
人工的に造られたビーチリゾートではなく、圧倒的な自然の豊かさがジャマイカの魅力です。海、山、川、滝、星空、それらがこの島に溢れています。まさに地上の楽園です。それにジャマイカの"人"の魅力が加わります。
<写真提供:ジャマイカ観光局>
日本の皆さんへのメッセージ
日本の「おもてなし」を世界中が賞賛していますが、ぜひコロナ禍が落ち着いたら「ジャマイカ流のユニークなおもてなし」を味わいに来てください。
約30年前には年間3万人訪れていた日本人が今は残念ながら2,000人程まで減っています。旅行者が減った原因としては、アジアなど日本の近場のリゾートのバリエーションが増えたこと、海外旅行人口が減ったこと、バブルの影響などいろいろあると思いますが、今も欧米からのハネムーンの旅行先としてカリブ海リゾートは人気があります。ジャマイカの人たちも、優しくてマナーの良い日本の方にジャマイカに訪れて欲しいと願っています。
「もう一度ハネムーン」をジャマイカで!
取材後の感想
カリブ海(中米)は、日本から遠いというイメージがあります。直行便はないし、実際遠いことは遠いのですが、逆に旅行は遠いところから行けるうちに行っておきたい、という考え方もあると思います。ある人が言いました。「旅は遠いところから行け!」マチュピチュ遺跡のペルーやウユニ塩湖のボリビアなどは日本人にも人気があります。
ジャマイカは単なる豪華なビーチリゾートの島というだけでなく、豊かな大自然と明るくフレンドリーな人々が旅人を迎えてくれます。
あらためてカリブ海にある、日本では体験できない、豊かで"特別な体験"を味わえる島、ジャマイカに注目したいと思います。
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。