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コロナ明けのスペイン旅行はバレンシアの火祭りに行こう
<©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
コロナ禍での生活も2年目に入りました。昨年はバレンシアの火祭りが始まった後、いよいよ本番という前に中止に。今年はもちろん開催されるわけもなく、さびしい春の訪れとなりました。
今日は、自由にスペイン旅行ができるようになったらぜひお越しいただきたい火祭りの魅力についてお話しします。
目次
- お祭りの本番は3月16日~19日
- 町中におよそ700の"ファジャ"が飾られる
- 最終日に燃やすところを見るポイント
- 市役所広場は満員電車のような人混みに
- 豪華な民族衣装で着飾るバレンシアっ子たち
- 火祭りといえばカボチャの揚げ菓子
お祭りの本番は3月16日~19日
ユネスコの無形文化遺産に登録されている火祭りの楽しさは、期間中にバレンシアにいれば誰でもお祭り気分を楽しめるところでしょう。もちろんプログラムに従ったイベントもありますが、町中がお祭り会場なのです。
期間は、具体的には3月16日から19日まで。火祭り自体は2月の最終日曜日に開会式典が盛大に行われ、3月に入ると火祭りには欠かせない爆竹ショーが連日市役所広場で開催されます。でも、最終日に燃やすあの可燃性の大きなオブジェ"ファジャ(falla)"が町に立ち並ぶのは16日の朝からなのです。
<それぞれの"ファジャ"にはテーマがあります ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
町中におよそ700の"ファジャ"が飾られる
この"ファジャ"は、市内各地にある火祭りグループが専門のアーティストに依頼して作成し、各持ち場に飾ります。合計すると大小あわせて約700を超える"ファジャ"がお目見えするんですよ。町中がお祭りであることがおわかりいただけますね。
<旧市街の細い道にも"ファジャ"が飾られます ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
観光案内所でもらえる火祭りのパンフレットやキオスクで売っている有料のガイドブックには"ファジャ"の地図が出ているので、それを持って歩くとよりたくさんの"ファジャ"を見ることができます。高さが20m近くあるような大きな"ファジャ"は、数ユーロの入場料で柵の中に入れてもらうことができるんです。人気の"ファジャ"のまわりは混んでいるし、障害物があって写真がうまく撮れないこともあるので、気に入ったものを見つけたら入場してゆっくり見学することをおすすめします。
<中に入ればこんな近くで写真を撮ることも可能 ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
最終日に燃やすところを見るポイント
火祭りに行くなら、最終日の夜に燃やすところは絶対におさえたいですね。19日の夜は子どもの部の小さな"ファジャ"から燃やしていきますが、その年に審査員によって1位に選ばれた"ファジャ"(24時半)と市役所広場にある"ファジャ"(25時)を除いた大人の部のものは24時に燃やされます。それまでに見学した中からどこを見るか決めておき、大きな"ファジャ"の場合は少なくとも30分以上前には着いておいた方がいいでしょう。
大きなものだと混んでいて、また安全上の理由からもあまり近くでは見られませんが、小さなものだと人が少ないこともあり真ん前で見ることができます。どれを見るか決めて早めに着いておくことは重要なポイントで、自称火祭り見学のプロである私も一度それを怠って失敗したことがあります。
<小さなファジャでも燃やすときは迫力十分 ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
市役所広場は満員電車のような人混みに
燃やす準備や消防車の到着状況(消防隊員がいないと点火できません)によって少々待つことがあるので、運がいいと時間差で2つ、3つの"ファジャ"を燃やすところを見ることができます。ただ運が悪いと、真ん前に陣取ったまま点火まで30分、1時間と待たされることも・・・。
国を問わず観光で来る方は、とにかく25時に盛大に燃やされる市役所広場の"ファジャ"を見たがるのですが、ものすごい人なので覚悟してください(笑)30分前という余裕をもっていっても人混みのはるか後方から見ることになります。"ファジャ"からかなり距離があるので近くで見ることはできませんが、迫力は満点です。ただ満員電車のような人混みなので、スリにはご注意を。
<点火準備中の市役所広場の"ファジャ" ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
豪華な民族衣装で着飾るバレンシアっ子たち
期間中は、火祭りグループに属する多くの人がスペインで一番豪華だと言われる民族衣装を身にまといます。なにかにつけて専属の楽隊を率いて町を練り歩くので、きっと目にすることでしょう。
じっくり見たい方は、17日と18日の午後3~4時頃から日付が変わる頃まで延々と続く献花パレードをどうぞ。着飾った火祭りグループのメンバー達がサン・ビセンテ・マルティル通り(Calle de San Vicente Mártir)とラ・パス通り(Calle de la Paz)の二手に分かれ、大聖堂横の聖母広場に向けてパレードをします。
<昔の宮廷衣装が由来のバレンシアの民族衣装 ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
<町のあちこちでこんな風景に出会います ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
火祭りといえばカボチャの揚げ菓子
また市内中心部や大きな"ファジャ"の近くには揚げ菓子の屋台が出ます。スペインのお菓子として有名なチュロスもありますが、バレンシアっ子が火祭りの時期に食べるのはカボチャ入りの揚げ菓子"ブニュエロ(buñuelos de calabaza)"です。見かけたらぜひお試しくださいね。寒い時はホットチョコレートと一緒にいただくのがバレンシア流です。
<揚げ菓子の屋台ではホットチョコレートも売っています ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
2年連続で火祭りがなかったバレンシアでは、"ファジャ"を作る火祭りアーティストや民族衣装や火薬職人(火祭りでは爆竹と花火の消費量がすごいのです)など、経済的に厳しい状況いおかれています。コロナ明けで海外旅行解禁になった暁には、ぜひ火祭り見物に来てバレンシアを盛り上げてくださいね!!
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。