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セットで世界遺産。ルネサンスとオリーブの町ウベダとバエサ
スペイン南部のアンダルシア州は全部で8県あり、セビージャ、グラナダ、コルドバや白い村などなど人気の観光地が集まる地方ですが、日本人観光客があまり行かないのが西端のウエルバ県、内陸のハエン県、東端のアルメリア県です。今日はそんなハエン県にある私もお気に入りの世界遺産の町、ウベダとバエサをご紹介します。
目次
町歩きが楽しい上品なたたずまいのウベダ
どちらもローマ時代から古い町ですが、あるルネサンス期に栄えたため当時のすばらしい建築物が残っています。2003年に、『ウベダとバエサのルネサンス様式の記念碑的建造物群』がユネスコの世界遺産に登録されました。まずは、ウベダから見ていきましょう。
<観光のメインとなるのはこの広場>
ウベダの人口は約3万5000人とこじんまりした町。旧市街を歩くと、ルネサンス期の建物にも立派な古い建物があり、歴史の重みを感じます。おもな観光スポットはエル・サルバドール教会やサン・パブロ教会、サンタ・マリア教会といった宗教施設のほか、バスターミナル近くのサンティアゴ病院など。上品なたたずまいの町なので、ブラブラと町を散策してみましょう。バルで飲み物を頼むと無料のタパスがついてくるので、町歩きの途中で寄ってみてください。
<ワインを頼んだら、オリーブとミートボールがついてきました>
ヨーロッパらしい個性的なホテルに泊まってみたい
ウベダには司教館に使われていたルネサンス様式の宮殿を改装した国営ホテル、パラドールがあります。小さな町にも関わらず、ほかにも5つ星のホテルMS Palacio de Úbedaをはじめヨーロッパらしい個性的な宿泊施設があるので、2つの町を観光するなら1泊してゆっくりと楽しんではいかがでしょう。
以前私が泊まったことがある旧市街の奥にひっそりたたずむ隠れ家的ホテルLas Casas del Consulももともとはルネサンス期のお屋敷で、客室はシンプルでしたが、ホテル全体のクラシックな雰囲気がとてもステキでした。事前に「オリーブ畑が見える部屋」をリクエストしたので、窓からの景色も楽しむことができました。
<ホテルに入り、フロントを抜けたらすぐパティオがある>
<高台の町の端にあるので、建物の裏手にはオリーブ畑が広がる風景が見える>
Hotel Las Casas del Consul
URL:http://www.lascasasdelconsul.es/
小さいながら歴史を感じさせるバエサ
バエサはウベダの半分ほどの規模ですが、イスラム寺院跡に建てられた大聖堂があります。一般に大聖堂は司教座のある聖堂で大都市や歴史ある町にあるため、バエサの町の昔の繁栄がうかがえます。ほかにはファサードがすばらしいハバルキント宮殿や旧大学がおもな見どころです。
<大聖堂の裏手にあるひっそりとした趣のある小径>
バスターミナルからスペイン広場に行くときに通る、旧市街を縫うサン・パブロ通りには歴史を感じさせる建物が並びます。そのまま進むとパセオ・デ・ラ・コンスティトゥシオンという公園があり、まわりにはバルやカフェのテラス席が並んでいるので、散策途中の休憩や軽食にオススメです。ウベダ同様、気ままな町歩きで自分のお気に入りの風景を探してみてください。
<公園のまわりにあるテラス席はぜひ利用したい>
お土産に買いたいおいしいオリーブオイル
ウベダとバエサの周辺は世界最大のオリーブ産地としても有名で、あたり一面に広がるオリーブ畑は"オリーブの海"と呼ばれており、文化的景観としてユネスコの世界遺産暫定リストに載っています。ウベダの町にもバエサの町にも地元のおいしいオリーブオイルを扱うお店があるので、ここで1軒ずつ紹介しましょう。
ウベダにはCentro de Interpretación Olivar y Aceiteというオリーブ文化センター的な施設があり、ここの1階のショップにはハエン県産のおいしいオリーブオイルがずらりと勢ぞろいしています。
Centro de Interpretación Olivar y Aceite
URL:https://centrodeolivaryaceite.com/
バエサにも数軒のオリーブオイル専門店があります。町の中心にあるスペイン広場のすぐ近くにあるのがaove BOUTIQUE。まだオープンして1年あまりの新しいお店ですが充実の品揃えで、おいしいオリーブオイルが買えることは間違いありません。
aove BOUTIQUE
URL:https://www.facebook.com/aoveboutiquebaeza
ウベダとバエサへのアクセス
最後にウベダとバエサへのアクセスです。どちらにもバスターミナルがあり、大手のALSA社をはじめとするバスがスペイン各地と2つの町を結んでいます。
バスターミナルは町の中心からは少し離れていますが、平たんな道なのでスーツケースをゴロゴロしながら問題なく歩くことができます。ウベダとバエサ間の移動もバスになり、所要時間は10~15分程度です。鉄道駅だと、最寄りはバエサから約15km離れたリナレス・バエサ(Linares-Baeza)駅があり、マドリーからは約3時間の距離。駅からウベダやバエサに向かうバスは非常に本数が少ないので、タイミングが合わないと駅前のタクシー乗り場からタクシーを使うことになります。
なお、私の経験からの注意点ですが、バエサには個人タクシーが数台しかありません。帰りにバエサから鉄道駅などに向かいたい場合、すぐに来てくれないことがあります。私は1時間近く待つことになり、ギリギリで列車に飛び乗りました。前日には予約をしておくことを安心です。
コロナ禍で海外旅行に行きたくてウズウズしている方は多いと思います。晴れて、移動の自由が戻ってきた暁には、ぜひウベダとバエサも目的地に入れてくださいね。
ウベダとバエサの観光案内サイト
- 公式HP:http://ubedaybaezaturismo.com/ (スペイン語、英語、フランス語)
- YouTube:https://youtu.be/YCbk8pFLZG0(2つの町を30秒で紹介する動画です)
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。