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オーストラリアの真夏のびっくりクリスマス事情
西洋のクリスマスと言うと、家族団らんで暖炉で温まってターキー(七面鳥)を食べて・・・などのイメージがあるかもしれませんが、南半球のオーストラリアのクリスマスの様子はちょっと違います!
私は以前カナダに2年住んでいたことがありますが、同じ西洋とはいえ数々の違いに驚いたのでその様子を紹介します。
目次
- クリスマスは2大家族行事のひとつ
- オーストラリアのクリスマスツリー
- クリスマスパーティーは夜ではない
- ターキーは食べない
- 1か月前から作られるクリスマスケーキ?!
- クリスマスクラッカーで大盛り上がり
- サンタクロースのそりを引くのはトナカイではない
- 真冬のクリスマスだって楽しめちゃう♪
- まとめ
クリスマスは2大家族行事のひとつ
これはオーストラリアだけではなく多くのキリスト教の国に当てはまると思いますが、イースター(4月)とクリスマスは家族で集まる大切な時間とされています(オーストラリアにはサンクスギビングデーはありません)。日本でいうところの、お盆やお正月の感じです。
しかしこれらの国だと、クリスマス当日はほとんどのお店が閉まります。クリスマスに帰省以外の旅行だなんて論外です。
実はカナダに住んでいた頃、この事実を知らずにクリスマス期間に友達と旅行をしたことがありますが、12月25日は教会しか開いておらず、ものすごく寒い思いをした経験があります。
オーストラリアのクリスマスツリー
オーストラリアのクリスマスツリーは見た目を少しでも涼しくということで、青や白が基調で飾りの少ないシンプルなものが多いと言われることがありますが、移民大国なので各家庭好みはそれぞれです。
それはさておき、私の住む西オーストラリア州でしか見られない『クリスマスツリー』と呼ばれるネイティブツリーがあります。
この木のどこがクリスマスツリーなのかというと、毎年12月になると黄色い花を木の上の方に咲かせるからです。実はこの木は他の植物に寄生して成長するので周りの植物が乾燥していることが多く、荒れた大地の中でこの黄色の花がやけに目立ちます。
この鮮やかな黄色がブッシュファイヤーを彷彿させるとも言われており、『12月だなぁ、クリスマスももうすぐ。ブッシュファイヤーにも気をつけなきゃ!』というオーストラリアならではの思考にさせる木です。
クリスマスパーティーは夜ではない
老若男女の家族が集まるパーティーはランチタイムに行われることが多いです。
せっかく家族が集まったパーティーですが、散々食べて飲んだ後でも元気な人はビーチへ行くというパターンが多いです。
お昼の暑いときはみんなで家で過ごし、少し涼しくなったら外へというのがオーストラリア流です!
ターキーは食べない
クリスマスを代表する食べ物のひとつがターキー(七面鳥)だと思います。カナダにいた頃はホストマザーがターキーを丸ごと焼いてくれてうれしかったものです。
しかし、真夏のオーストラリアではオーブンを使うと家中が暑くなるので冷たいハムが振舞われます。他にも冷えたシーフードやサラダなど、けっこうシンプルな料理が多く並びます。
また、オーストラリア人はBBQが大好きなので、クリスマスもBBQだという家庭も多いです。BBQだと熱い空気は外に流れるので、夏でも問題なくお肉が焼けます。
1か月前から作られるクリスマスケーキ?!
日本に住んでいた頃は、毎年クリスマスケーキはどのお店でどんなものを予約しようかと楽しく悩んだものですが、オーストラリアのケーキには衝撃を受けました!
ある年のクリスマスは、他州に住むオーストラリアの親戚が我が家に来ていっしょに祝いました。その親戚から11月末に『クリスマスケーキが焼けたから持って行くね!』と連絡が来たのです。クリスマスまでまだ1か月あるのにどういうことか・・・
実はこれ、イギリスの伝統らしいですが砂糖とブランデーたっぷりのフルーツケーキを焼いて、その上にアイシングでデコレーションをしたものがクリスマスケーキになります。砂糖とブランデーたっぷりなので保存食として日持ちするということでした。
遥々5,000kmの距離を移動してきたフルーツケーキを我が家でデコレーションして完成したものがこちら!!
食べるのがもったいないほど、というか食べられるのかと疑問に思うほどの豪華な仕上がりになりました。気になるお味は・・・甘ぁーい!!!
また、12月に入るとスーパーでフルーツミンスパイという小さなパイがたくさん販売されます。
これはクリスマスの箸休め的なデザートで、食事の合間やティータイムなどに食べられることが多いです。これも甘く煮詰まれたフルーツが具になっており、長期保存がきくものです。
クリスマスクラッカーで大盛り上がり
クリスマスパーティーの盛り上げ役に欠かせないのがクリスマスクラッカーの存在。クラッカーと言えば、パン!と鳴るあれでしょ、と思われるかもしれませんがちょっと違います。
このキャンディーのような形をしたものがクリスマスクラッカーですが、真ん中の部分には「グリコの玩具のような景品」と「紙の王冠」、「なぞなぞが書かれた紙」が入っています。
これを二人の人が左右から引っ張り、パン!と音がして一方だけが抜けるようになっており、抜けなかった方が勝ちで景品がもらえます。
そして、勝者がなぞなぞを読み上げ、みんなで冗談を言いながら答えるという感じで盛り上がります。これはこの冗談を楽しむものなので、答えが分かってもすぐに正解を言わないのがポイント。たまに正解自体が冗談交じりだったりもするので、英語が第二言語の私には結構ハードルが高いです。
例えばこちらが問題。
問題『なぜ男の子はものさしを持って寝たのでしょうか?』
ここで、参加者は『夢の中で戦うため』や『体のある部位をこっそり測定するため』、『背が伸びると思ったから』などと答えてみんなで笑います。
そろそろ誰かが正解をと思ったところで『寝る前と後でどれだけ背が伸びたか測りたかったから!』が出てきても、実は正解ではありません。
正解はこちら。
正解『どれだけ(何時間)寝ているのか見たかったから』
みんなして『Come on!(なんでやねん!)』とツッコミを入れて少し談笑してから次のクラッカー対戦へ移ります。
このように支離滅裂ななぞなぞがあっても、深く考えずにとにかく笑って過ごすのがオーストラリア流!
ここで、ひねった問題を出題します。
問題『もしオウムとムカデを掛け合わせたら何になるでしょう?』
ヒント:オウムとムカデの行動を英語で考えましょう♪
正解は最後のまとめで発表します!
サンタクロースのそりを引くのはトナカイではない
フルーツケーキもクラッカーもイギリスからの伝統ですが、次はオーストラリアにしかないものです。
それは、オーストラリアではサンタクロースのそりを引くのはカンガルーだということ!!
トナカイは暑いのが苦手なので、オーストラリアではカンガルーがそりを引くのです。
他にもサンタクロースはサーフィンに乗ってやってくる説もありますし、これらはオーストラリアならではの発想ですよね。
真冬のクリスマスだって楽しめちゃう♪
イギリスからの移民から始まり、今では多国籍移民大国のオーストラリアなので、真夏のクリスマスに違和感を覚える人も多いようです。
そんな人向けに真冬の7月にクリスマスを祝う『クリスマス・イン・ジュライ』というイベントがあります。
実際に祝日があるわけではないのですが、地域や団体によってはクリスマスパーティーを開催して温かい料理を楽しんだり、レストランで温かいクリスマスコース料理が食べられたりします。
まとめ
イギリスからの影響を受けたものが多いですが、そのなかでも南半球ならではの工夫もあり、オーストラリアらしいクリスマスです!
今年は州によっては長いロックダウンや州境の閉鎖などが続きましたが、12月11日現在では南オーストラリア州を除く州はようやく国内移動ができるようになりました。
2020年のクリスマスは、多くの人が家族のありがたみを更に一層強く感じるものになりそうです。
そして最後に、気になるなぞなぞの正解は・・・
『A walkie-talkie(無線機)』でした!
無線機は、英語でwalkie-talkieと言いますが、オウムは話すので『talk』、ムカデは歩くので『walk』。これを掛け合わせるとwalkie-talkieになります!
画面の向こうからみなさまの感嘆の声が聞こえてきそうです。
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ナイーブME
- 西オーストラリア州南部のド田舎でヤギとアルパカの世話をしながら建築業を営む兼業農家。都会のオシャレな情報よりも、僻地のクセある情報に強いです!