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エメラルドのビーチとアラブ文化が揃ったインド洋の楽園、ザンジバルの溢れる魅力<タンザニア>
ザンジバルはアフリカ東海岸のインド洋に浮かぶ諸島の総称です。古くからモンスーンを利用した海洋貿易を通し中東との交流を盛んに行い、その後もポルトガルやオマーン、ドイツ、英国の入植を受け、独自の文化を育んできました。1963年にはイギリス連邦の一員として独立したものの、翌年に大陸側のタンガニーカと合併して、タンザニア連邦共和国の一員となります。一方で、長きにわたり独自の文化を育み、独立した王政を持っていた背景もあり、本土とは独立した政府によって統治され、本土からザンジバル等に入島する場合には別途出入国・税関手続きが必要となります(ビザはタンザニアと共通)。また、イエローカードの提示を求められることもあるため、準備をしていた方が良いでしょう。ちなみに、タンザニアは2020年12月現在、新型コロナウイルスによる入国制限等行っておらず、通常通り入国ができます。
日本からのアクセスとしては、中東系や航空会社を利用し飛行機で入島するか、本土・ダルエスサラームから高速フェリーに乗る方法があります。Azam Marine社の高速フェリーはエコノミーシートで片道35米ドル、軽食や飲み物がついたVIPシートでも60米ドルと手頃な値段で頻繁に運行しているため、船酔いをしない観光客にはオススメの方法です。サファリ観光と組み合わせる場合は、サファリ近郊のアルーシャ空港から直行便も出ています。ザンジバルは年間を通して蒸し暑く、赤道直下に位置するため、日差しが強いです。一方で、3月末から5月頭までの雨季を除くと、比較的強い海風を感じられるため、心地よく過ごせます。通貨は本土と同じタンザニアシリング(1米ドル=2319タンザニアシリング)を利用しているほか、ホテルなどでは米ドルなど外貨も使用できます。
今回はザンジバル諸島の中でも、本島・ウングジャ島で歴史と自然の両側面から楽しめる3つのスポットを紹介します!
目次
世界文化遺産の海岸交易都市、ストーン・タウン
2000年に世界遺産に登録されたザンジバルの旧市街地ストーンタウンは、アラブ様式の白と青を基調とした石造建築物が密集した独特の景観を誇ります。市内を歩いているだけでもアラブとアフリカが融合した独特の世界を楽しめますが、ザンジバル港付近に行くと古城と要塞があるほか、「House of Wonders」と呼ばれる旧宮殿内に歴史・文化博物館があります。
この要塞ですが、実はとある理由でギネスブックにも登場するのです。時は遡り1896年。当時のスルタンの甥が王位につき、宗主国であった英国を追い出そうと画策したのですが、駐留していた英国艦隊の砲撃により37分23秒で白旗を振ることになったという歴史も残っています。これは、史上最も短い戦争としてギネスブックに認定されているのです。
この要塞付近では、週末の夜になると屋台が出て、ザンジバルシチューという海鮮の入ったスープや名物のタコの串焼きが楽しめるほか、年に一度「Sauti za Busara(スワヒリ語で知恵の音の意)」と呼ばれるパンアフリカ音楽祭が行われます。この音楽祭は毎年2月に行われ、3日間に渡って演奏されるアフリカ各国のライブミュージックとカーニバルは圧巻です。
伝説的なロックバンド、クイーンのボーカル・フレディーマーキュリーは、当時英国保護領であったザンジバル生まれ!ストーンタウンのケニヤッタロードには彼の生家も残されており、2019年には正式な博物館としてオープンし写真や映像を見ることができます。
フレディーマーキュリー博物館
- 住所: Mercury House, P.O. Box 3181, Shangani, Zanzibar, Stone Town
- 営業時間: 10:00-18:00
- 定休日: なし
- 入場料: 大人 10ドル/12歳までの子供 5ドル
- URL: http://freddiemercurymuseum.com
ストーンタウンの雰囲気を存分に楽しむのなら、Emerson Hotelでの滞在がオススメ。旧市街の中心部に位置するこのホテルは、1800年に建てられたスパイス商人の家を改装したスタイリッシュなブティックホテルです。系列のEmerson on Hurumziホテルは1870年代に奴隷解放行われた歴史的な土地に立っています。
夕食はルーフトップレストランで取ることも可能です。ザンジバルの伝統料理を、伝統的な座敷スタイルで堪能するという、他にはないこのホテルならではの楽しみ方も!レストランはランチタイムも営業しており、メニューはアラカルトになりますが、ストーンタウンを一望しながら食事を楽しめます。伝統的でミステリアスな家具に囲まれたホテルでの滞在は、ストーンタウンの魅力をフルに楽しませてくれるでしょう。
Emerson Spice Hotel
- 住所: 4044 Tharia St, Zanzibar, Tanzania
- URL:https://www.emersonspice.com
ザンジバルのお土産としてぜひオススメしたいのが、ストーンタウンに店舗を構えるInaya Zanzibarのボディケア製品。ザンジバルで取れた海藻やスパイスなどを使い、ミネラルオイルやパラベン等を使わない環境にも体にも優しい方法で、ザンジバルの人々の手で一つ一つ生産されています。
Inaya Zanzibar
- 住所: Mazson's Building, Kenyatta street, Shangani, P.O. Box: 3714, Stone Town, Zanzibar, Tanzania
- URL:https://inayazanzibar.comGoogle Maps
- 営業時間:9:00-19:00
- 定休日:通常無し
美しいビーチとパーティーが楽しめる、北部ヌングィ
白い砂浜とターコイズの海を楽しみたいなら、北部ヌングィがオススメ!ストーンタウンからはローカルバスのダラダラやタクシーで1.5時間ほど。ブルーサファリと呼ばれるシュノーケリングを楽しめる他、水上スキーやダイビング、イルカを見るツアーが用意されているホテルも。10月ごろにはカメが産卵シーズンを迎えるため、運が良ければカメの産卵や孵化の瞬間を目にすることもできるかもしれません。
特に有名なのは、毎月満月に近い土曜日にKendwa Rock Beachで行われるフルムーンパーティー!ダルエスサラームやケニアからDJが招かれるこのパーティーはフルムーンパーティーの世界トップ10にも選ばれています。22時開演で入場料20,000シリングを払うと、朝まで続くパーティーに参加できます。前述のSauti za Busara音楽祭のグランドフィナーレパーティーも毎年このホテルで行われています。
Kendwa Rocks Beach Resort
- 住所: Kendwa, Tanzania
- URL:http://kendwarocks.com
まさに空を飛んでいるよう!カイトサーフィンを楽しむなら南西部パジェ
マリーンスポーツを楽しみたい方にぜひオススメしたいのがカイトサーフィン!凧の揚力を使って海の上を滑るスポーツは、空を飛んでいるかのような爽快感。ストーンタウンから1時間のパジェは、遠浅で波が穏やかなため、カイトサーフィン の聖地として世界からサーファーが集まり、初心者でも学びやすいスポットとなっています。
エクストリームスポーツとされるカイトサーフィン を一人で行うまでには8−10時間のレッスンが必要とされています。Pajeには数多くのスクールがありますが、筆者はZanzibar Kite Paradiceで用具をレンタルし、友人と二人でセミプライベートレッスンを受講しました。
Zanzibar Kite Paradice
- 住所: Paje Beach, Paje, Tanzania
- URL:https://www.zanzibarkiteparadise.com
カイトサーフィン を楽しんだ後は、海に浮かぶバーレストラン・The Rockをぜひ訪れて!Pajeからは車やタクシーを使って20分ほどで着き、潮が満ちている時間帯には船に乗ってレストランへ向かいます。
The Rock Restaurant
- 住所: pingwe michanvi kae, Michamvi, Tanzania
- 営業時間:ランチ 12:00もしくは14:00開始 、ディナー 16:00 もしくは 18:00開始
- 定休日: 要問い合わせ
- URL:https://www.therockrestaurantzanzibar.com
まとめ
今回はザンジバルのメインアイランド、ウングジャ島のオススメスポットを目的別で紹介しました。
ザンジバル島自体は沖縄本島ほどの大きさしかないので、全てのスポットを楽しむのも勿論可能です。一方で、サファリツアーを楽しんだ後に、ザンジバルのビーチリゾートで疲れを癒すという旅行計画を組む方が多いかもしれません。
アラブ×アフリカの融合文化、インド洋の美しい自然、スポーツにパーティーと盛り沢山に楽しめるザンジバルへカリブテーナ(スワヒリ語でいらっしゃい)!
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Saori K. Courtois
- 西アフリカ在住の国際公務員。アフリカの日常的観光スポットから~旅行に役立つ情報まで幅広くお届けします。