インドの伝統漁が残る街コーチンと最南端カンニャクマリへの旅(野宿付き)

南インドの観光地で香辛料の産地でもあるコーチン。ここから電車とバスを乗り継いで最南端の聖地カンニャクマリへ向かった旅レポートをお送りします。

目次

古き良き雰囲気を残す街コーチン

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まずは旅の出発地コーチンの街を案内します。

コーチンという街は大航海時代に栄えた港町であり、ここでインドの香辛料が取引されヨーロッパに運ばれていきました。

港町として栄えた要因を個人的に察すると、内陸に入り江が入り込んでおり、周辺からの船の交通が容易だったこともあるんじゃないかと思います。現在でも各エリアを結ぶ水上バスが盛んで庶民の生活の足となって活躍しており、香辛料を扱う店も見かけます。

観光地として有名なエリアといえば、アラビア海に面する旧市街「フォートコーチン」。大海原にチャイニーズ・フィッシングネットが動き、緑の多い旧市街はゆったりとした時間が流れており、騒々しい都心から離れてゆったり過ごすにはちょうどよい場所です。

ここで名物なのが「チャイニーズ・フィッシングネット」。

昔からの漁の形態なのですが、どうやるかといいますと

  1. 木でできた巨大な網を海に下ろす
  2. しばらく待つ
  3. 引き上げる

この3行程の繰り返しで、一度に獲れる量は微々たるものなのですが、これを続けていくと結果的になかなかの量になる様です。

獲れた魚はその場で買うこともできます。さらにチャイニーズ・フィッシングネットの周辺にはお店があって、そこに魚を持ち込むと料理してくれます。

ゆったりと動くチャイニーズ・フィッシングネットの風景を見ながら飲むチャイはまた格別なものでした。

私がここコーチンで出会ってお勧めしたいお店が「Teapot Cafe」です。旧市街にあるおしゃれな外観につられて店内に入ると、レトロかつアンティークなティーポットがあちこちに飾られている優雅な空間は「ここはインドか?」と思いました。何か古き良き昔の時間が流れているような感じがします。

店内では様々な種類の紅茶やケーキ、カレーが食べられます。紅茶はティーポットに入ってきますので、満足できる量の紅茶を楽しむことができました。

いろんなティーポットを眺めながら落ち着いた時間を過ごせるこのお店、お茶が好きな方は是非とも行くことをお勧めしたいお店です。

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遥かなるナガルコイル

居心地の良いコーチンから南へ向かいます。

まずは水上バスでフォートコーチンから中心街のエルナクラムへ、道に迷わなければ船着場から歩いて鉄道駅まで行けます。

エルナクラム駅からの鉄道ですが、カンニャクマリまで一気に行く鉄道はありますが、本数が少ない上に席が取れないので断念。カンニャクマリはインドの人たちの聖地でもあるので行く人が多いようです。

一番カンニャクマリに近いところまでとしたら、手前にナガルコイルという街があるのでそこまで電車で行きます。

電車の中はなかなか綺麗で空いています。たまにチャイや軽食の売り子がやってくるのでパンとチャイでのんびり鉄道旅。日中にはカンニャクマリに行けると思っていましたが、インドの鉄道事情を舐めていました。

インドの鉄道は単線。長距離でも単線。つまりどこかの鉄道が遅れたらすぐ他の電車にも影響を起こす。これがインドの鉄道が時間通りに動かない理由なんだと感じました。実際に自分が乗った鉄道も、途中駅で逆方向へ向かう電車(しかも遅れている)とすれ違うために、かなりの時間待たされました。もはや車内のチャイも飲み飽きました。

結局ナガルコイルに到着したのは深夜。乗客たちは迎えにきた人と去っていく中、駅で途方に暮れる自分ひとり。

カンニャクマリまで乗せていくというタクシーがいましたが、深夜だし、何かあると逃げれないので断って、歩いてバスターミナルを目指しました。まぁ、この深夜に一人で移動するのも危険といえば危険ですね。

南インドの深夜バスターミナル

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ナガルコイルバスターミナルはバスがないのに、軽食店が営業していました(オヤジのワンオペで24時間営業なのか!?)

あと朝イチのバス待ちらしいオヤジ達。そして警備の警官がひとり。あと牛の一群。バスがいないのをいいことに牛達がロータリーで寝ていました。

売店で軽食を食べていると警官が暇つぶしがてら話しかけてきました。まぁこの深夜にふらりと歩いてやってきた時点で「どこから来たんだこのアジア人は?」と思ったでしょうな。

パスポートを見せてカンニャクマリへ行くことを告げると

「よし、バスがきたら案内するから、そこらで休んでおけ」

と言われたので空いているベンチで仮眠。その他の談笑してるオヤジ達からも危険な雰囲気は感じられなかったので、安心感がありました。まさかインドで野宿するとはねぇ。

やってきたよインド最南端

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夜明けが来ると徐々に静寂からバイクや車のエンジン音が増えてきて、完全に日が出て来る頃には牛達もいなくなり、バスがやってきて騒々しいインドの1日が始まりました。次々とやって来るバスに人たちが乗り込み、声をあげバスを誘導する人たち、人を満載してターミナルを出発していく。

自分も警官に呼ばれて行くとカンニャクマリ行きのバスに案内してくれました。バスから警官にお礼を言って自分も目指す最南端へ向かいます。

ナガルコイルからカンニャクマリは数時間で到着。

ここも騒がしい。観光客で騒がしいのではなく聖地巡礼の地元インドの人たちで騒がしい。ほうぼうからひっきりなしにバスがやってきてインドの人たちが続々と降りて来る。そんな人達の流れに任せて海まで行くと一面の海。ついにインドの最南端までやってきました。ここはインド建国の父マハトマ・ガンジーが散骨された場所でもあるので、インド人には大事な場所なのです。皆さん遥々ここまでやってきて海で沐浴をして身を清めていきます。

私はそんなインドの人たちの光景が気に入って、少し長めにカンニャクマリに滞在して最南端の様子を眺めることにしました。

インド最南端カンニャクマリ。夕陽も綺麗です。是非一度お越しください。

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鈴木勝彦

猫と歴史好きのフリーカメラマン。自転車で日本を旅した後、18年勤めた広告制作会社を辞めて海外を旅する。歴史・文化・祭事など探求していきます。

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