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【山形】舞子さんとお座敷遊び体験!
芸者さんとのお座敷遊びというと、お金持ちの旦那衆がするもので、一般庶民には高嶺の花というイメージがありませんか。
実際「一見さんお断り」というお店も多いですが、最近では一般の人でも体験版として比較的簡単に楽しむことができるようになってきているようです。
今回は山形の舞子(まいこ)さんとのお座敷遊び体験(初級者編)をしてきましたのでレポートします。
目次
山形舞子とは
山形市は紅花の産地で、昔から最上川を通じて京や大坂との交易が盛んにおこなわれていた土地でした。
山形は城下町でもあり、料亭文化があって大正、昭和の時代は舞子さん、芸者さんが150人もいましたが、現在では6人にまで減っているそうです。伝統文化の継承の意味も込めて現在では一般の人たちでも手軽にお座敷遊びの体験ができるようになりました。
舞子さんと芸妓さんの違い
ところで舞子(妓)さんと芸妓さんの違いって知っていますか?
舞子さんとは、15歳から20歳ころまでの見習い期間の芸者さんの呼び方です。一般的には中学を卒業して置屋に入り、一人前になるまで住み込みで修行します。そしておおよそ20歳前後でひとり立ちするのですが、その修業期間の芸者さんのことを舞子さんと呼び、それ以上を芸妓さんと呼びます。(最近では芸者の道に入る年齢が15歳より上の場合もあり、必ずしも20歳で区別されるのではなく、ひとり立ちするのが20歳を越える場合もあるそうです)
舞子さんと芸妓さんは装いが違い、ひとめで分かります。
舞子さんの髪の毛は地毛で、かんざしをたくさん差し、色鮮やかな振袖を着ます。
それに対し、芸妓さんはかつらを被り、かんざしもあまり刺さず、着物も無地か黒でシックな装いです。
舞子さんはお小遣い(給料)制ですが、芸妓さんになるとフリーランスなので、営業も経営もひとりで行う必要があり、実際にはなかなか大変なお仕事のようです。
舞子さんとお座敷遊び体験(初級編)
「山形舞子さんとお座敷遊び体験(初級者編)」は踊りとお座敷遊びとで所要時間は凡そ1時間くらいです。
まずは舞子さんの踊りを観ます。
次にお座敷遊びのルールの説明を交えながら舞子さん同士で実演をしてくれます。
その後、座敷でお客さんと何度か実演して楽しみます。
では、実際の遊びをみていきましょう。
こんぴらふねふね
舞子さんと向かい合って、お膳の上にお椀を置き、こんぴらふねふねを歌いながらお椀の上に交互に手を乗せていきます。お椀がある時はパーでお椀の上に手を置き、どちらかがお椀をとった時はグーを置きます。間違えたら負けです。動きはシンプルなのですが、どんどん歌が早くなっていき、リズムに合わせるのが難しくなっていきます。
汽車
手をグーに握って相手の拳が入るくらいの間隔を空けてお膳に置きます。「汽車」の歌に合わせてリズミカルに交互に拳を前後させていきます。言葉だとわかりにくいので動画で見ていただければすぐわかります。
とらとら
近松門左衛門の浄瑠璃「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」から生まれた、いわゆるジェスチャーでのジャンケンです。
「国性爺合戦」の主人公である「和藤内(わとうない)の虎退治」または「加藤清正の虎退治」を基に3つのジェスチャーの型があります。
和藤内は槍で突くポーズ、虎は四つん這いのポーズ、おばあさんは杖をつくポーズです。ジャンケンで言うなら、和藤内がグー、虎がチョキ、おばあさんがパーです。つまり、和藤内は虎に勝ち、虎はおばあさんに勝ち、おばあさんは和藤内に勝つというルールです。
ついたてを置き、それをはさんで二人が立ちます。相手の姿は見えません。そこでまず歌に合わせて踊りを踊ります(イメージ的には野球拳の最初の歌と踊りのようなものですね)。その踊りの後に最後についたてから出てくる時、和藤内か虎かおばあさんのジェスチャーで出てきて勝負します。
やっている方も見ている方も面白くて盛り上がります。
花笠踊り
1時間はあっという間です。
今回はアンコールとして花笠踊りを舞っていただきました。
最後に
舞子さんとお座敷遊びなんて正直興味もなかったし、"金持ちのおじさんが金に物言わせて遊ぶ"みたいなどちらかというとあまり好ましくないイメージがありましたが、実際に体験してみて想像以上に面白かったです。
場がにぎわって、座が楽しくなります。みんな笑顔でいい感じでした。
また舞子さん芸妓さんたちは伝統芸能の伝承者でもあります。厳しい修行を越え、プロの所作や妙技を魅せてくれます。外国にはこういう接待や芸能はないんじゃないでしょうか。
それゆえに外国人たちもこの芸者文化を喜ばれるのだと思います。
私たち日本人の内、芸者さんの芸能を見た人がどれだけいるものか、日本人として自分の目で見て体験することは日本の伝統文化を継承する意味でもとても大切なことのように感じました。
まだ体験されたことのない方は、ぜひ一度いかがですか?
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。